教育費の負担を減らす、高校無償化の拡充を速やかに実現するべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

2025年1月31日衆議院予算委員会

○城井委員
続きまして、高校無償化の拡充について伺いたいと思います。
私立高校を含めた支援の拡充については、立憲民主党としては、未来の人材育成や国づくりにつながる高校無償化の拡充を行う場合、各地域での公教育へのアクセス確保や、また、公立高校の施設整備などの支援拡充をセットで行うことが不可欠だと考えています。
そこで、先行実施されている大阪方式のメリットとデメリットについて伺いたいと思います。
我々も、現地聞き取りを含めて分析をしてきました。
家庭の経済状況によらず、子供たちにとって選択肢が広がるメリットということを一つ言われていますが、その一方で、私立高校にとって授業料の上限が行政によって決められてしまうというキャップ制が私学教育の独自性を奪う形になっていることが、私学関係者などからも懸念が聞こえますし、立憲民主党としても、課題だ、問題だと捉えています。
加えて、大阪方式が始まったことで、私立高校を受験する生徒が増え、公立高校の淘汰が進んでいます。
公教育のインフラとしての公立高校空白地域が増えることに強い懸念を持っています。
大阪府内での公立高校への施設整備費が絞られ、老朽化が著しいとの報告を立憲民主党の地方議員からも受けています。
以上を踏まえ、総理、高校無償化の大阪方式のメリットとデメリットについていかにお考えか、教えてください。

○安住委員長
あべ文部科学大臣、政府としての考えを簡潔に。

○あべ国務大臣
はい。
簡潔に頑張ります。
ありがとうございます。
地域における様々な実情を踏まえまして、各地方自治体の努力で独自の上乗せ支援が今行われているものと認識しておりますが、御指摘の大阪府の仕組みに関しては、いわゆるキャップ制ということで言われているところでございまして、具体的には、学校の授業料が支援金額を上回る場合においては差額分を学校が負担する必要があるものと承知しておりまして、このように、各学校で合理性のない授業料の値上げにつながることがない仕組みがまさに重要だというふうに思っております。
まずは、私学の自主性を損なわないようにすることも必要であるというふうに考えているところでございまして、文部科学省といたしましては、まずは、教育の機会均等を図るための基盤としての国の支援、さらには、それに上乗せして取り組まれる地方自治体の独自支援が一体となって教育支援の軽減が図られることが望ましいと考えています。
以上です。

○城井委員
公立高校の淘汰や老朽化の件に触れていただけていないのが大変残念でありますが、次に行きたいと思います。
次に、同様に先行実施されている東京方式、高校無償化の東京方式についても伺います。
東京都で実現した高校無償化の拡充は、立憲民主党東京都議団から数度にわたる都議会での提案の結果、実現したものです。
所得制限をなくし、家庭の経済状況によらず、子供たちにとって選択肢が広がるメリットは大きいと。
一方、私立高校へのキャップ制は、ここでは取っていないというふうに聞いていますが、この影響。
そして、都立高校の空白地域ができるか、老朽化対策がどうか、もう少し状況を見極める必要もあるかと考えますが、高校無償化の東京方式のメリットとデメリットについても見解を伺います。

○あべ国務大臣
委員にお答えさせていただきます。
地域における様々な実情がございまして、それを踏まえて、各地方自治体の努力の独自の上乗せ支援が行われているところでございますが、御指摘の東京都の仕組みにおきましては、都内の授業料平均額を参考に約48万円を上限に、所得制限を設けずに支援をしていると承知しているところでございます。
一般論で申し上げますと、やはり、私立学校の建学の精神に基づき、自主的な尊重はまさに重要ではないかと思っておりまして、文部科学省といたしましては、支援の拡充をしっかりとしていきながら、また、各学校で合理性のない授業料の値上げを行うことは望ましくないという旨を周知してきたところでございまして、こうした点にも留意していただく必要があるかと思っております。
いずれにいたしましても、基盤として行う国の支援、また、上乗せして取り組まれる地方自治体の独自支援が一体となって教育費の負担の軽減を図られることが望ましいと思っております。

○城井委員
メリットとデメリットの確認をしているんですが、仕組みの説明だけに終わって、文科省の決意だけ言われても、議論が深まりません。
総理、今ほど、大阪方式、東京方式、私から、ここはメリットだ、ここはまずいんじゃないかというのを幾つか御指摘を申し上げました。
立憲民主党からは、提案として、東京方式の全国展開を念頭に、私立高校の平均授業料約45万円に支援金額を拡充した上で、所得制限を撤廃する形で高校授業料の無償化の拡充を行うこと、あわせて、先ほど御指摘した懸念を振り払うためにも、地域の公立高校での公教育の機会確保を行うべく、施設整備など支援を拡充する内容の予算修正に応じていただきたいと思いますが、総理、御決断をお願いできますか。

○石破内閣総理大臣
私学というものがそういう形になった場合に、それでは、東京都の場合でいえば、都立高校はどうなっていくんだろうかということはよく勘案をしていかねばならないことだと思っております。
そしてまた、私学は私学の建学の精神というものがあって、それに共鳴するお子さんあるいは保護者の方、そういう方々が、多少高くても私学に行くという考え方も私はあるんだろうと思っております。
しかしながら、高等学校教育がきちんと、お金がなくても教育が受けられるという環境を整備をするということがあって、その上でなお、多少のお金の負担がかかっても私学に行くというもののメリットというものはやはりきちんと残しておかねばならないのではないかと私は思います。

○城井委員
都立高校の役割、そして私学の精神、いずれも大事だと思っていまして、だからこそ、先ほどの提案なんです。
是非、この提案、御検討いただいて、今回の予算修正に加えていただきたいと思いますが、御検討いただけますか。

○石破内閣総理大臣
それは、そのためにこの予算委員会があるんだと私どもは思っておりまして、皆様方のいろいろな御提案がある、あるいは、ほかの党のいろいろな考え方もございます。
私どもは、その議論を承りながら、よりよい方向というものを目指してまいりたいと思っておりますが、現時点におきまして、私どもとして最もふさわしい、最もよい予算として御提案を申し上げておるところでございます。

○城井委員
今後の予算委員会の議論で深めてまいりたいと思いますが、この点は是非予算修正をお願いしたいということを改めて申し上げたいと思います。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)