東シナ海におけるタンカー衝突事故に関する質問主意書 衆議院議員 きいたかし 福岡10区 (北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

 

 

平成三十年二月八日提出

質問第六六号

東シナ海におけるタンカー衝突事故に関する質問主意書

提出者  城井 崇

 

 

東シナ海におけるタンカー衝突事故に関する質問主意書

 

平成三十年一月六日に東シナ海でパナマ船籍の石油タンカーと香港船籍の貨物船が衝突する事故が発生した。(以下、「東シナ海におけるタンカー衝突事故」という。)石油タンカーは一月十四日に我が国の排他的経済水域内で沈没し、積み荷である石油が海洋に流出した。

英国海洋センター(National Oceanography Centre)が実施した調査によると、事故発生から三か月以内に、我が国の九州から東北までの全海域が石油により汚染される可能性が指摘されている。

これらを踏まえ以下質問する。

 

一 東シナ海におけるタンカー衝突事故に関して、政府が確認している事実関係について発生順に明らかにされたい。

二 東シナ海におけるタンカー衝突事故に対する、政府の対応について発生順に明らかにされたい。

三 東シナ海におけるタンカー衝突事故により流出した石油等、特に不純物に含まれるヒ素や水銀といった有毒物質に関して、政府が確認している事実関係について発生順に明らかにされたい。

四 英国海洋センター(National Oceanography Centre)の調査に関して、政府が確認している事実関係について明らかにされたい。

五 英国海洋センター(National Oceanography Centre)の調査結果について、政府はどのように受け止めているか、認識を明らかにされたい。

六 東シナ海におけるタンカー衝突事故により流出した石油等、特に不純物に含まれるヒ素や水銀といった有毒物質が、我が国の国民生活、経済活動、海洋生態系等に与える影響について、政府はどのように認識して対応するのか明らかにされたい。

 

右質問する。

 


平成三十年二月二十日受領
答弁第六六号

内閣衆質一九六第六六号
平成三十年二月二十日

内閣総理大臣 安倍晋三

衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員城井崇君提出東シナ海におけるタンカー衝突事故に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

 

 

衆議院議員城井崇君提出東シナ海におけるタンカー衝突事故に関する質問に対する答弁書

 

一及び二について

平成三十年一月六日に、海上保安庁が遭難警報を受信したため調査を実施したところ、上海市の沖合約二百九十キロメートルの海域において、タンカー「SANCHI」号と貨物船「CF CRYSTAL」号が衝突し、当該タンカーに火災が発生していることを確認し、同庁の巡視船等による監視を開始した。

その後、当該タンカーは、同月十四日に、監視中の同庁の巡視船のレーダー等により確認できなくなったことから、同日に沈没したものと推定される。

現在、同庁の巡視船等を派遣し、当該タンカーの沈没した海域において、行方不明者の捜索等の業務に当たるとともに、排出油の防除等を行ってきているところであり、その際、中国を始めとする関係国とも外交ルート等を通じて連絡を取り合い、緊密に連携してきている。

 

三及び六について

現在、環境への影響に関する調査を進めているところであり、お尋ねについて、現時点でお答えすることは困難である。

 

四及び五について

お尋ねの「調査」について、御指摘の「英国海洋センター」(以下「センター」という。)が試算した結果が、センターのホームページにおいて公表されていることは承知しているが、当該「調査」は、センターが独自に行ったものであり、政府として見解を述べることは差し控えたい。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区