選ばれる仕事にするために、公共交通、運輸、建設などの人手不足分野の待遇を改善するべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

2024年5月24日衆議院国土交通委員会

○長坂委員長
次に、城井崇君。

○城井委員
立憲民主党の城井崇です。
今回も、斉藤国土交通大臣、よろしくお願いいたします。
まず、公共交通、運輸、建設など人手不足分野の待遇改善について伺います。
以前の質問で、タクシー運転手の処遇を取り上げました。日常生活にとって必要不可欠な仕事に携わる方々、いわゆるエッセンシャルワーカーの待遇を改善すべきという指摘が数多くございますが、一向にこの待遇が改善されていません。今働いている方々にとっても、そして、これから働こうとする方々にとっても非常に深刻な問題です。
特に、公共交通や物流、建設など人手不足と言われる分野は、多くの人に選んでいただける仕事とするためにも、待遇の改善は喫緊の課題です。
まずは、それぞれの会社あるいは業界全体の取組が必要であることは理解をしていますが、それにも限界があります。
国が公共交通や物流等を支えるエッセンシャルワーカーの待遇改善を後押しできないかというふうに考えます。
そこで、実際の数字で皆様に確認をいただきたいと思います。
資料1枚目を御覧ください。
令和6年3月27日に公表されました国による調査、令和5年賃金構造基本統計調査に基づいて、145の職業別の時間給を金額順に並べました。
これは、2023年11月8付のニューズウィーク日本版で、教育社会学者の舞田敏彦先生が寄稿された「人手不足が叫ばれるエッセンシャルワーカーの、深刻な「悪」待遇」に掲載されている表を最新データで更新をしたものであります。
最新の令和5年の調査結果によりますと、145職業のうち、1位は航空機操縦士、いわゆるパイロットで9,950円、2位は医師で6,506円でした。
いわゆる公共交通機関や物流を支えるエッセンシャルワーカーは、バス運転手が110位で1,971円、営業用大型貨物自動車運転者が113位で1,908円、タクシー運転手が118位で1,847円、大型車を除く営業用貨物自動車運転者が125位で1,746円となっています。
前年の令和4年の調査結果でも、ほぼ同じです。
このように、国の調査で見ても、公共交通機関や物流等を支えるエッセンシャルワーカーの給与は高くありません。
大臣、どのようにお感じになりますか。
大臣の受け止めと認識を聞かせてください。

○斉藤(鉄)国務大臣
改めてこの表を見させていただいて、エッセンシャルワーカーと言われる人たちの給与が低い。
ここにはありませんが、長時間労働という面もございます。
改善していかなくてはいけない、国が後押ししていかなくてはいけない、このように心から思いますし、そのために、今回、法案を提出させていただき、御審議をいただき、衆議院を通過させていただいたところでございます。
しっかり頑張っていきたいと思います。

○城井委員
今、長時間労働是正についても大臣から言及いただきましたが、労働時間と年収について比較したデータもございます。
資料2枚目を御覧ください。
国による調査、この令和5年賃金構造基本統計調査に基づいて、145の職業別の労働時間と年収を比較したところ、営業用大型貨物自動車運転手や大型を除く営業用貨物自動車運転手は、推定年収が平均よりも低く、月の労働時間が145の職業の中で最も長い。
これは、令和5年、令和4年のデータを比較しても、変わっていない傾向でした。
業界や国土交通省、それぞれの取組は理解をしておりますし、先ほどの、今後の、法案の取組ということも理解をしながらなんですが、業種間の格差はこの時点では改善していないという深刻な状況です。
営業用大型貨物自動車運転手や大型を除く営業用貨物自動車運転手などの人手不足と言われるエッセンシャルワーカーの待遇を改善するためには、いわゆる賃金そのものを上げる取組も重要なんですが、ほかの業種と比較した場合の推定年収も月の労働時間も、できる限り平均に近づけるための取組が必要であるというふうに考えます。
国が行うべき取組について改めて検討すべきだと考えますが、大臣の考えをお聞かせください。

○斉藤(鉄)国務大臣
御指摘のように、労働時間とそして適正な賃金、これが両立する社会をつくっていかなくてはならないと思います。
そのために、特に、この表では物流事業者の例を取られましたけれども、例えば、物流事業等では、トラックGメンによる荷主等への是正指導の強化、業界ごとの自主行動計画の作成、実施、元請事業者に対する多重下請構造の是正に向けた取組の義務づけなど、先日公布された物流の改正法による規制的措置なども組み合わせて、適正な労働時間と年収の増加が両立する環境をつくってまいらなければならないと決意しております。

○城井委員
大臣、数字は正直だと思っています。
こうした収入分、労働時間との比較を含めたこのデータ、引き続き注視をしてまいりたいというふうに思います。
選ばれる仕事になるように、引き続きの改善、処遇改善の努力をお願いしたいというふうに思います。
よろしくお願いします。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)