教員の働き方改革、教職員の業務削減や定数改善により定額働かせ放題を是正すべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

2024年5月13日 衆議院決算行政監視委員会第2分科会

○城井分科員
続きまして、教員の働き方改革について伺います。
令和6年4月19日、中央教育審議会初等中等教育分科会の質の高い教師の確保特別部会において、「「令和の日本型学校教育」を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について(審議のまとめ)(素案)」が示されました。
この中で、注目する点がございました。それは、「教職調整額の率については、少なくとも10%以上とすることが必要であり、その水準を目指していくべきである。」とございました。これまでは、教職調整額は給与月額4%でございましたが、10%へ引き上げるという提起、提案であります。
この10%の根拠についての大臣の認識、そして、仮に10%へ引き上げた場合に公費負担が増えますが、どれぐらい増える見込みとなるか。
その財源の確保はできるか。
大臣からお答えください。

○盛山国務大臣
申し訳ありません、今の答弁の前に、先ほどの答弁でちょっと一言、忘れましたので、追加をさせてください。
先ほど、同条が適用され得る、著作権法30条の4ですね、と申し上げたところでございますが、アイデアにとどまらず創作的表現が共通する作品を生成することを目的とするような場合には、享受を目的としない場合には当たらず、同条は適用されないということでございますので、併せて御理解賜りたいと思います。
そして、現在の教職の話でございますけれども、教師不足等の課題も指摘される中、人材確保法の趣旨や教職の重要性を踏まえ、教師の処遇改善は喫緊の課題であると認識しております。
現在、教職調整額を含め教師の処遇改善については中央教育審議会において御審議いただいているところであり、近々にその取りまとめを頂戴することとしております。
また、仮に教職調整額を10%へ引き上げた場合、現状の義務教育費国庫負担金に係る予算額を踏まえて試算をしてみますと、追加的な所要額は国費として約720億円程度になるのではないかと見込まれます。
当省としては、中央教育審議会での議論を踏まえ、教育の質の向上に向けて、教師の処遇改善を含め学校における働き方改革の更なる加速化、学校の指導、運営体制の充実、教師の育成支援を一体的に進めていきたいと思っております。
そしてもう一点、併せて財源の確保についての御質問もございましたが、これにつきましては、まだちょっと要求する段階になっておりません。
今後、財政当局の方と丁寧に予算折衝、あるいは予算折衝に向けて議論していきたいと考えております。

○城井分科員
追加の予算で、試算ですが、720億ということでございました。
これは、教員の残業を減らすためのコストも結構かかっていると思うんですね。
それ以上に、亡くなられている現職の教員も数百名に上っていますので、こうした教員の命はやはり金額に代えられないというふうに思いますので、実際に10%へ引き上げるだけで済むか、給特法の廃止を含めた検討が必要だというふうに私は考えます。
続いて、なぜ必要と思うかという点に関わる点についてお伺いいたします。
私立高校の教職員と公立高校の教職員の時間外勤務労働に対する手当の差について伺います。
私立高校の教職員には教職調整額の適用がなく、時間外勤務手当が支給されています。一方で、公立高校の教職員には時間外勤務手当が支給されず、時間外勤務労働が重なっても教職調整額の分しか受け取れないということになります。
この私立高校の教職員、公立高校の教職員の時間外勤務労働に対する手当の差は、何が根拠で生じるのでしょうか。
大臣よりお答えください。

○盛山国務大臣
御指摘の点についてでございますが、給特法制定時の経緯についてちょっと触れさせていただきたいと思いますが、当時、公務員である公立学校の教師の給与等の勤務条件が法律や条例などに基づいて決定されていたのに対し、私立学校の教師については、学校の設置者と教師との契約に基づいて決定されていたという背景がございます。
こんな中で、公立学校の教師について、教師の自発性、創造性に基づく勤務に期待する面が大きく、どこまで職務であるのか切り分け難いといった一般行政職の公務員とは異なる職務等の特殊性を踏まえ、時間外勤務手当を支給しない代わりに、勤務時間の内外を問わず包括的に評価をして処遇する仕組みを給特法で構築し、その一方で、私立学校の教師について、契約に基づく決定方法に変更を加え、教職調整額として法令で定めて、給与内容を拘束するということは適用されなかったものであると考えております。

○城井分科員
大臣、自発性などに任せて、そして包括的にということで切り分けてこなかったことで、今の教職員のかなりの厳しい勤務実態は続いてきているというふうに思うんです。
少し視点を変えまして、教職員の業務削減について伺いたいと思います。
教職員の業務削減が進まなければ、結局は、定額働かせ放題とやゆされる教職員の働き方改革の現状は変わらないというふうに考えます。
文部科学省による教員の勤務実態調査を基に、日本教職員組合が業務ごとの労働時間を積み上げて整理をいただきました。
お手元に資料があるかと思いますが、御覧いただければと思います。
小学校では、一日当たりの労働時間の合計は10時間33分でした。
一日の所定労働時間は7時間45分、これに照らしますと、主担当の授業、補助の授業、そして授業準備、学習指導、成績処理、朝の業務、ここまでを合計いたしますと7時間16分です。
中学校では、一日当たりの労働時間の合計は10時間47分でした。
一日の所定労働時間7時間45分に照らしますと、主担当の授業、そして補助の授業、そして授業準備、学習指導、成績処理、朝の業務、生徒指導集団一、生徒指導集団二、生徒指導個別までを足し合わせると7時間43分でした。
そういたしますと、どんな仕事がこぼれてくるかと申しますと、児童会、生徒会活動や学校行事、職員会議、研修、保護者、PTA対応、事務、部活動、クラブ活動などは含まれておりません。
教員の業務削減について、具体的にどのような業務の削減を行う考えでしょうか。
業務時間の積み上げ表、お手元にお示ししている資料でありますが、業務の時間が縮まるのはどれか、どれが縮まる見込みか、大臣の認識を教えてください。

○盛山国務大臣
この資料を拝見して、小学校、中学校共に教師の皆さんの勤務条件がなかなか厳しいものであるという感を新たにするわけでございますけれども、我々の方でやっております文科省での令和4年度教員勤務実態調査におきましては、令和4年度のものはそれまでのものよりも全ての職種で在校等時間が減少しつつある、学校における働き方改革の成果が出ていると思いますが、でも、依然として長時間勤務の教師も多いということで、今回、先生が御提出の資料を見ましてもそうでございますけれども、取組の加速化というのは必要であると我々も考えております。
また、我々の調査によりますと、持ち授業時数が多い教師の在校等時間が長い傾向にあります。また、教員業務支援員は事務その他等に教師が従事する時間を縮減している傾向、こういったことも確認されたところであります。
このため、文部科学省としては、調査結果等を踏まえて、令和6年度予算に、教師の持ち授業時数の軽減にも資する小学校高学年における教科担任制の強化等のための教職員定数の改善や、教員業務支援員の全ての小中学校への配置を始めとする支援スタッフの充実などに必要な予算を盛り込んでおります。
学校における働き方改革は、何か一つやれば解決できるというものではないと思います。
国、都道府県、市町村、各学校等、それぞれの主体がその権限と責任に基づいて、あらゆる取組を推進することが重要であると考えます。
今後も、中教審、中央教育審議会からお示しいただく考え方も踏まえ、教師の在校等時間を縮減し、子供たちに対してよりよい教育を行うことができるよう、環境整備の取組を進めてまいりたいと考えます。

○城井分科員
前回調査から少し減ったというのはおっしゃるとおり。
ただ、まだまだだと思っています。特に、過労死レベルの働き方が小学校で1割ちょっと、中学でも3割、こういう状況がまだありますので、これは当たり前と思ってはいけないというふうに思います。
永岡元大臣ともこの議論をしたことがありますが、こうした、先ほど指摘した、ほかの仕事はどうするのかと聞きましたら、勤務時間内で扱うことが望ましい、こうおっしゃって、目を向けていただけませんでした。
ただ、ここは、やはり物理的に具体的に減らしていかないことには、今の教員の数やあるいは業務自体の量ということを照らしますとなかなか厳しいというふうに思っています。
さて、残り5分弱となりまして、少し質問を飛ばさせていただきたいと思います。
教科担任制の推進のところについて、まいります。
文部科学省は教科担任制を推進するということを申しておりましたが、全国の小学校2万校に見合う人数の配置にはなっていません。
そして、その効果が地域によってもまちまちになるのが避けられない状況です。
全国2万校全ての小学校で教科担任制を実施できるのはいつからか、国は具体的にどんな支援を行うかということを大臣からお聞かせください。

○盛山国務大臣
小学校の教員定数については、学級担任外の教師も若干名配置できるよう基礎定数が算定されており、従前から音楽や家庭などの教科を中心とした専科指導が行われているところです。
加えて、小学校高学年の教科担任制の推進については、骨太方針2023を踏まえ、当初予定していた令和6、7年度の2か年分の改善数を1年前倒して令和6年度予算に盛り込み、令和4年度から3年間の改善総数3,800人を計上しているところです。
このほか、既存の小学校専科指導加配として措置している5,600人と合わせて、9,400人分の定数を充てることができると考えております。
その上で、教科担任制の更なる充実を含む学校の指導、運営体制については、今後、中央教育審議会からお示しいただく考え方も踏まえ、更なる学校における働き方改革等と一体的に検討していきたいと考えています。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)