北九州市は初代門司駅の都市遺構の価値付け確認を 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

北九州市の公共施設マネジメントによる門司港地域複合公共施設の整備に伴い、初代門司駅の遺構が新たに確認されました。

直近の北九州市議会における北九州市の説明によると、遺構の価値判断はしていない、国などの第三者に相談等はしていない、遺構の一部を移築して保存したいということでした。

市民や専門家、日本イコモスなどからは、都市遺構として現地保存すべき、遺構としての価値判断は必要、港と鉄道が同時に開発された事例であり都市のなりたちそのものが残されていることや江戸時代と近代の手法が融合されている点で珍しい、遺構の一部を切り取ると価値が下がってしまう、などの意見が寄せられています。

私も直接専門家の皆さんからのお話を伺いました。

世界遺産に登録されている鉄道遺構は珍しく山岳鉄道のみとのこと。

今回の九州鉄道初代門司駅の遺構は世界遺産に匹敵するという専門家が数名います。

そして何より、鉄道と港の融合した街並みは30年以上かけて地元民が守り育んできた門司港、レトロ地区の最も重要な財産です。

一部移築で遺構の価値を失わせることとなっては先輩世代が心血注いだ門司港の街づくりへの軽視だ、と誤解を生んではならないとも考えます。

これらを基に、文化庁からこの遺構をめぐる国の関わり、文化財保護法との関係について聞き取り確認しました。

今回の遺構については、文化庁は福岡県より現地説明会において配布された資料を預かったのみでした。

北九州市から直接の要請等はありません。

一般論として、建造物には文化財としての価値づけをしますが、埋蔵されたものについては価値づけをしません。

北九州市から重要であると申し出があって、初めて国として取り扱うとのことでした。

文化財保護法に照らしても北九州市が保存について主体となる、史跡指定されることとなれば国が現状保存を行うことも確認しました。

以上を踏まえ、公共施設の老朽化対策として複合公共施設の建設を進めていくにしても、住民を含めた建設の議論や設計時に前提として含まれていなかった初代門司駅の都市遺構の価値付けについて客観的な価値判断が必要であると考えます。

まず、北九州市は国や専門家の参画も得ながら有識者による第三者委員会を設置して初代門司駅の都市遺構の埋蔵文化財としての価値付けの確認について再検討を行うべきです。

その上で開発に賛同する立場の専門家や遺構として保存したい立場の専門家など、双方の意見を持つ専門家をもって構成される場をつくって、開発と保存のバランスを踏まえた意見集約を図るように北九州市に強く求めます。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)