地方交付税の必要額の確保と適切な算定に関する質問主意書 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

令和五年十二月七日提出
質問第一一〇号

地方交付税の必要額の確保と適切な算定に関する質問主意書
衆議院議員 城井 崇

地方交付税の必要額の確保と適切な算定に関する質問主意書

北九州市において地域社会に必要不可欠な一定水準の行政サービスの提供を行うための地方交付税の必要額の確保と適切な算定に関して、以下質問する。

一 北九州市は、産業集積等に伴う都市インフラ整備など大都市特有の財政需要に加えて、今後も、こども・子育て支援をはじめとした社会保障関係費や、地域社会におけるデジタル技術活用のための取組、脱炭素社会の実現のほか、エネルギー価格等の物価高騰による内部管理経費の増大など、追加の財政需要が見込まれている。今後も、地域社会に必要不可欠な一定水準の行政サービスの提供を行うために、財政需要を反映した地方交付税の必要額の確保について、政府において必要な措置を講ずるべきと考える。政府の認識と具体的な取り組みについて明らかにされたい。

二 臨時財政対策債については、相対的に指定都市への配分割合が大きいため、市債発行額の抑制や市債残高削減の支障となっていることから、地方の財源不足の解消は、地方の固有財源である地方交付税の法定利率引上げなどにより対応し、臨時財政対策債は廃止することについて、政府において必要な措置を講ずるべきと考える。政府の認識と具体的な取り組みについて明らかにされたい。

三 事業所税は、人口や企業等が集中することによる都市環境の整備及び改善に必要な財政需要を賄うために課している大都市等の固有財源であることから、他の目的税と同様に、地方交付税算定における基準財政収入額への参入にはなじまない。特に、北九州市は産業構造の特徴から事業所税参入による影響が大きく、財政運営に支障が生じており、事業所税を本来の目的である都市環境の整備及び改善のための事業に適切に活用するために、基準財政収入額への見直し、もしくは、需要額への同額算入することについて、政府において必要な措置を講ずるべきと考える。政府の認識と具体的な取り組みについて明らかにされたい。

右質問する。

令和五年十二月十九日受領
答弁第一一〇号
内閣衆室二一二第一一〇号
令和五年十二月十九日
内閣総理大臣 岸田文雄

衆議院議長 額賀福志郎 殿

衆議院議員城井崇君提出地方交付税の必要額の確保と適切な算定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員城井崇君提出地方交付税の必要額の確保と適切な算定に関する質問に対する答弁書

一について
「経済財政運営と改革の基本方針二〇二一」(令和三年六月十八日閣議決定。以下「骨太方針」という。)において、令和四年度から令和六年度までの間、「交付団体を始め地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額について、二〇二一年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保する」こととされていることを踏まえ、令和六年度においても、地方公共団体が様々な行政課題に対応しつつ行政サービスを安定的に提供できるよう、骨太方針に沿って、地方交付税を含む必要な一般財源総額を確保してまいりたい。
その上で、地方交付税の算定については、財源調整機能と財源保障機能が適切に発揮されるよう今後も適切に対応してまいりたい。

二について
臨時財政対策債は、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)第六条の三第二項に規定する「地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正」として、地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)第五条の特例である同法第三十三条の五の二第一項の規定に基づき発行されている、臨時的かつ例外的な地方債であり、その解消に向けて取り組んでいくことは必要であると考えているが、地方の財源不足の解消方策や臨時財政対策債の具体的な在り方については、今後の地方財政対策の中で検討していくこととしている。

三について
御指摘の「基準財政収入額への見直し、もしくは、需要額への同額算入すること」の意味するところが必ずしも明らかではないが、事業所税については、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第七百一条の三十一第一項第一号に規定する指定都市等において必ず課税することとされていること、税収規模が大きいことなどから、地方交付税法第十四条の規定に基づき、基準財政収入額に算入するとともに、都市環境の整備等に要する経費を基準財政需要額に算入しており、今後も適切に対応してまいりたい。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)