空き家の管理・利活用・予防、筆界(境界)の確定に国は支援を行うべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
2023年5月10日衆議院国土交通委員会
○城井委員
私、今回の質疑に当たって、関係団体や、あるいは地元、北九州市内の不動産業者さんたちに、法改正について随分丁寧に意見を聞いて回ってきたんです。
そのことについて質問を、踏まえてやろうと思っていたんですが、残り時間が何分かも分からない状況です。
まず、一問だけ聞きます。
空き家の管理、利活用、予防を進めるために、国としての筆界、いわゆる境界の確定への支援を行ってほしいという現場要望があります。
これは2018年5月23日の衆議院国土交通委員会の附帯決議でもこの点については触れられておりました。
「政府は、本法の施行に当たり、隣地所有者との土地の境界紛争を未然に防止するとともに跡地の利活用の推進を図る観点から、空家を取り壊し更地にする際には事前に空家が所在する土地の境界を明確にする手続を設けることについて、必要な検討を行うこと。」こうしたことでありました。
この部分を受けての検討対応状況について、大臣、教えていただけますか。
○斉藤(鉄)国務大臣
政府におきましては、先ほど城井委員御指摘の附帯決議、空き家法制定時の附帯決議を踏まえまして、空き家の敷地に係る境界を明確化する観点から、土地の境界の専門家である土地家屋調査士に専門的知見を生かして空き家対策に積極的に協力いただく枠組みを構築いたしました。
具体的には、空き家法に基づく基本指針において、関係省庁と調整の上で、土地家屋調査士が空き家対策の推進に積極的に協力する枠組みを設けたところでございます。
これを踏まえて、土地家屋調査士は、1つに、市町村の設置する法第七条の協議会に構成員として参加すること、2つ目に、市町村長からの委託を受けて特定空き家に法第九条に基づく立入調査を行うことが可能になっている、このようになりました。
こうした空き家の敷地を対象とした措置以外にも、令和2年の土地基本法、不動産登記法等の改正により、地方公共団体が筆界特定を登記官に申請できる措置の導入等について進めてきたところでございます。
○城井委員
筆界確定敷地に関する地積測量図が法務局に備えられていることは、空き家等並びに空き家になる前の住宅を流動性の高いものにして、利活用や予防に資するために最も必要なことだというのが現場の声であります。
具体的には、空き家の多い地域に対して積極的に地籍調査を行って筆界を確定する、空き家予防のための筆界確定を推奨する、既に空き家になっている敷地の筆界確定のために自治体が補助金を出す仕組みをつくるといった方策を行うべきというのが現場の声であります。
やるべきだと思いますが、大臣、見解をお願いします。
○斉藤(鉄)国務大臣
空き家等の活用時に土地の筆界が不明瞭であることが支障とならないよう、筆界確定を進めることは非常に重要でございます。
国土交通省では、地方公共団体が実施する地籍調査による筆界確定を効果的に進めていくため、中心市街地の活性化等の効果が期待できる都市部や、所有者不明土地にもなり得る空き家等が多く存在する地域において地籍調査を行う場合に、重点的に予算上の支援を行っております。
また、筆界の未確定が空き家を活用しようとする際に支障となり得ることを踏まえまして、空き家対策の基本指針に筆界確定の重要性等を明記することで、空き家対策に必要な筆界確定の推奨などを図ってまいりたいと思っております。
○城井委員
今ほどの提案は、これまでの仕組みを踏まえて、こういうことがあったら更に頑張りやすいという現場の声でありますので、是非積極的に取り入れていただくことをお願いしたいというふうに思います。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)