生成系AIの活用、著作権者を守るための新たな規制が必要だ 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

2023年4月24日衆議院決算行政監視委員会第二分科会

○城井分科員

続いての質問に参ります。

今日、もう一つ、生成系のAIについて伺おうと思って今日は来ました。

著作権の保護と教育現場への活用の2点から伺いたいんですが、今日、資料をお配りしています。

御覧いただければと思います。

お時間も限られてまいりますので、事実確認だけ。

大臣、この表の右側にある、日本法で丸が4つついている部分ですね、これが通告しておった4問分になるわけですが、これは事実として正しいということでよろしいでしょうか。

つまり、非営利目的でのものも、営利目的のものも、複製以外の行為のものも、そして違法サイトなどから取得したコンテンツも、日本の法律の下では情報解析のための作品利用をしてよいと法律で認めているという、この理解でよろしいか、まず聞かせてください。

○永岡国務大臣

お尋ねの、非営利目的での情報解析につきましては、著作権法の第30条の4によりまして、著作物に表現されている思想又は感情の享受を目的としない利用である場合においては利用することが可能でございます。

○城井分科員

大臣、4つ一遍に聞いていまして、営利目的のもの、そして複製以外の行為並びに違法サイトなどから取得したコンテンツについて、情報解析のために作品利用ができるかと。

残り3つもお答えいただいてよろしいですか。

○永岡国務大臣

営利目的の場合でございますけれども、これは、著作権法の第30条の4におきまして、情報解析について、営利目的か否かを問うものではないため、著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない理由である場合においては利用が可能でございます。

そして、複製ですね、これは、著作権法第30条の4におきましては、いずれの方法によるかを問わず利用することができることとされておりまして、要件を満たす場合には複製以外の方法による利用も可能ということになっております。

そして、あともう一つですね。

違法サイトなどから取得したコンテンツについてですが、違法にアップロードされました著作物が利用できる状況、状態は問題でありまして、違法アップロード行為につきましては、著作権の侵害として損害賠償請求、差止め請求や、刑事罰を受けることとなります。

他方で、インターネット上の著作物を情報解析に用いる場合、大量に収集される著作物がそれぞれ適法なものであるかどうかを確認することは現実的に難しく、これを要件としてしまいますと、ビッグデータを用いた情報解析が困難になる実態が考えられます。

また、情報解析のために著作物を利用する行為というのは、著作物に表現されております思想又は感情の享受を目的としないものであり、このような行為がされたとしても、著作物の本来の利用市場とは衝突せず、著作権法が保護している著作権者の利害を害することはないと考えられます。

このような観点から、著作権法第30条の4におきまして、著作物が適法なものであることは要件とされておりません。

以上です。

○城井分科員

大臣、今ほどの4つのケースについての説明で、結局、その場合に、権利者、著作権者の意向に反して利用されるケースというのがやはり防げていないというのが最大の問題だと考えています。

この点については新たな規制が必要だと思いますが、著作権を守るための新たな規制について、検討いただけるでしょうか。

○永岡国務大臣

御指摘の著作権法の第30条の4でございますが、著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用と規定をしているわけでございますが、著作物に係る対価回収機会を損なわず、著作権法が保護する著作権者の利益を通常害しない行為と考えられるものを対象としているものでございます。

また、同条では、必要と認められます限度に限るとともに、著作権者の利害を不当に害する場合につきましては適用されない旨定めているところでございます。

このように、我が国の著作権法は、利用実態ですとか権利者を含みます関係者の意思を踏まえまして、著作権者の利益に配慮した規定としています。

いずれにいたしましても、文部科学省といたしましては、AIなどの新しい技術の進展を踏まえまして、著作物の保護と利用のバランスを取りながら、引き続きまして、著作権との関係について研究を進めていくことが大変重要だというふうに考えております。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)