教職員の働き方改革、「定額働かせ放題」を是正するため、給特法は廃止すべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

2023年4月24日衆議院決算行政監視委員会第二分科会

○城井分科員

そこで、やはり給特法は廃止をして、厳格に勤務時間管理をきちんとすること、そして業務量を削減しつつ長時間労働を是正し、加えて、やはり学校で子供を囲む大人の数が足りない、教職員の定数改善を行いながら、もう既に労働基準法の下でやっている国立学校や私立の学校と同じように時間外勤務手当を支給する、こういう当たり前の仕組みにすべきだというふうに考えます。

我々からは、この考え方に立って、今、給特法の廃止それから教職員の働き方改革促進法案というものを準備をして、間もなく、国会提出に向けて最終調整をしているところであります。

大臣、国としての、先ほどからのゆがんだ解釈の源になっております給特法について、今後の取扱い、このままほっておくのか、変えるべきではないかと思うんですが、大臣の見解を具体的にお示しください。

○永岡国務大臣

先生、今後の給特法の取扱いについての見解をということでございます。

現在の給特法の仕組みは、公立学校の教師はその自発性とそして創造性に基づく勤務に期待する面が大きいことなどによりまして、どこまでが職務であるのか切り分け難いという教師の職務の特殊性等から、時間外勤務手当などではなくて、これは、勤務時間の内外を包括的に評価するものとして教職調整額を支給することとしているところではございます。

一方、給特法制定から半世紀が経過をしておりまして、教師に求められる仕事の内容も変化をしております。

また、法制定当時の想定を大きく超えます長時間の勤務の実態が明らかになっております。

文部科学省といたしましては、令和元年に法改正を行いまして、教師の勤務時間の上限等を定める指針を策定するなど、学校におけます働き方改革に取り組んでいるところでございます。

今後の給特法の取扱いにつきましては、5月までに速報値の公表を予定しております令和4年度実施の勤務実態調査におきまして、教師の勤務実態や、また働き方改革の進捗状況をこれはきめ細かく把握をし、その結果等を踏まえまして、教師の処遇を定めた給特法等の法制的な枠組みを含め、これを検討してまいりたいと考えております。

私といたしましては、実態調査の結果等を踏まえまして、教育の質の向上に向けて、働き方改革、処遇の改善、教職員定数の改善を含めます学校の指導、運営体制の充実、これは一体的に進めていきたい、そう思っております。

○城井分科員

今の3点を一体的に進めていくという点については大いに同意するところであります。

ただ、働き方改革そのものは、今日最初にお伺いしたように、道半ばであります。

また、自発性、創造性との言葉を実は逃げ道にしてきたのではないかというふうに思うわけであります。

50年たっているわけでありますし、何よりも勤務実態調査ということで申しますと、今度の5月の調査結果を待ちたいと思いますが、その前の結果でも随分とひどい状況が明らかになってきたわけであります。

そこはやはり先に手を打つべきだというふうに考えますが。

そこで、お伺いします。

この給特法の取扱いの議論をめぐっては、政府で、先ほど言及のあった教職調整額の増額ですとか、あるいは別の手当の創設が検討されているとの報道に接しています。

もし、大臣、この教職調整額そのものの仕組みが続く場合、教職員の疲弊の原因となった、やりがいの搾取あるいは定額働かせ放題という言葉が現場から聞こえてくるわけでありますが、こうした状況が改善されないということで、大変私は強い危機感を持っています。

大臣、この教職調整額の増額や別の手当の創設という、これぐらいの選択肢しか今政府では検討していないんでしょうか。

給特法の廃止そのものも含めての検討をもちろんしていただくということでよろしいんでしょうか。

お答えください。

○永岡国務大臣

文部科学省では、令和4年度に実施いたしました勤務実態調査の速報値公表後の円滑な検討に資するように、有識者等から構成されております調査研究会におきまして、給特法等の関連する諸制度ですとか、あと、学校の組織体制などに関する論点を整理したところでございますが、調査研究会は、情報収集、論点整理を目的とするものでございまして、これは、教職調整額の見直しというものは、前回の平成28年度の勤務実態調査を踏まえて、そして中教審での議論におきまして、給特法を見直した上で時間外勤務手当化すべきとの指摘がある一方、教師の職務の本質を踏まえますと、教育の成果というのは必ずしも勤務時間の長さのみに基づくものではないのではないか、また、給特法だけではなくて、一般公務員に比して優遇措置を定めた人材確保法によっても形づくられております教師の給与制度を考慮するなど、必ずしも処遇改善につながらないのではないかといった懸念も示されたところでございます。

なお、調査研究会のまとめました論点整理におきましては、教職調整額の在り方を含めます多岐にわたる論点が盛り込まれているところでございます。

給特法の在り方に関する今後の検討の具体的な方向性につきましては、現時点で決まっていることはございませんが、実態調査の速報値の公表後、調査研究において整理をされた論点を基に、教師の処遇を定めた給特法等の法制的な枠組みを含めまして、これは中央教育審議会においてしっかりと議論をし、そして速やかに着手したい、そういうふうに考えております。

○城井分科員

今御説明いただいた点で一点確認をと思います。

有識者会議で論点整理をされたということでした。

私が申した先ほどの教職調整額の増額や別の手当の創設はその中に含まれていると思うんですが、給特法の廃止による厳格な時間外勤務手当の支給というのは論点整理の中に当然入っているんですよね。

これが入っていないということはないですね。

大臣、確認をさせてください。

○永岡国務大臣

調査研究会では、情報収集や論点整理を目的とするものでありまして、何らかの結論を得るものではないというところでございます。

○城井分科員

大臣、私が聞いたのは、論点整理の中の論点の項目に、当然、給特法の廃止による時間外勤務手当の支給も入っていますね、論点整理の中の論点に。

結論ではなくて、論点に入っていますねというのを確認しているんですが、もう一回お答えください。

○永岡国務大臣

しっかりと議論をするということは盛り込まれております。

○城井分科員

この点、大臣、もし仮に、教職調整額の増額で仕組みが続いてしまいましたら、今までの仕組みがそのまま続いてしまうことになるわけであります。

これを今教育現場では大変恐れている。

給特法を廃止して、先ほどの人確法の話もありましたが、確かに重要なんです。

でも、教員の仕事の責務や専門性ということを考えますと、一般の公務員よりは優遇されてしかるべきというのはこれまでも法律でも保障されてきた、その部分は大事にしていくべきだというふうに思うわけです。

ただ、給特法があることで、先ほどの本来仕事なのに時間外勤務として計算していないようなことが、あれもこれもそれもと、今日挙げただけでも4つもあったわけです。

そうしたことを放置するわけにはいかない、しっかりと論じていただくということで、その点、今後も注視していきたいと思いますので、この点は是非お願いしたいというふうに思います。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)