決算行政監視委員会分科会質疑を振り返る 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

4月24日、衆議院決算行政監視委員会第2分科会での質疑の機会をいただき、永岡文部科学大臣と直接議論させていただきました。

以下、質疑を振り返ります。

今回は教職員の働き方改革と生成系AIについて。

まず教職員の長時間労働の実態は改善されていないことについて永岡文部科学大臣が認めました。

しかし、授業準備にかかる時間をどのくらい時間外労働として認めるか明言せず、「時間外の保護者対応」も「ドリル・プリント・小テストの採点」も「児童の作文の添削」も「公務であるが時間外労働としては認めない」と大臣は繰り返し答弁しました。

どの大臣答弁も給特法と関連する超勤四項目に当てはまらないからとの理由からでした。

公務、すなわち公的な職務であると認める一方で時間外勤務とは認めない矛盾を永岡大臣が理解されているのか最後まで分かりませんでした。

私からは、「給特法を廃止して、厳格な勤務時間管理の下、業務量を削減しつつ長時間労働を是正し、教職員の定数改善を行いながら、国立学校や私立学校と同様に時間外勤務手当を支給すべき。この考え方に立って、「給特法廃止・教職員の働き方改革促進法案」(通称)を準備、国会提出に向けて最終調整している。」と給特法廃止と教職員の働き方改革の促進を訴えました。

私から「政府有識者会議における給特法の見直しの議論は教職調整額の増額や別の手当の創設が検討されているとの事ですが、教職調整額そのものの仕組みが続く場合、教職員の疲弊の原因となった「やりがい搾取」「定額働かせ放題」と言われる状況が改善されないと考えます。

政府での論点整理に「給特法廃止の上での時間外勤務手当支給」という論点は含まれているか」、と何度も問いましたが、議論するというだけで論点として給特法廃止が含まれていると永岡大臣は明言しませんでした。

給特法廃止の議論が政府内で進むか極めて心もとない大臣答弁でした。

生成系AIについては著作権の保護と教育現場での活用の2点から質問しました。

まずAIによる情報解析についての我が国の法制度について確認したところ、我が国において、非営利目的であろうと、営利目的であろうと、複製以外の行為であろうと、違法サイトなどから取得したコンテンツであろうと、方法を問わず情報解析のための作品利用はできると永岡大臣が明言しました。

私からは著作権者の意向に反する場合にも利用できるのは権利保護の観点から問題があり、著作権者を守る新たな規制が必要だとの趣旨の意見を訴えました。

最後に教育現場での生成系AIの取り扱いについて質しました。

国が予定する教育現場への指針を出すめどの明確化について、子どもたちへの影響を考えて夏休み前を念頭に行うべきと求めましたが、永岡大臣は「早急に」と答弁するものの、時期については具体的な答弁はありませんでした。

教職員の働き方改革の改善についても、生成系AIの取り扱いについても、文部科学大臣の姿勢はとても重要なのに、政府方針の肝心なところが具体的に答弁いただけず、残念でした。

今後の文部科学委員会一般質疑での出番を仲間にお願いして、この質疑の続きをやりたいと思います。

質疑の振り返りは以上です。

議事録や質疑ダイジェスト動画は完成次第共有します。

(様々なご意見やアドバイスを踏まえて補足説明いたします 2023年4月28日)

質疑内容への様々なご意見やアドバイスに感謝します。

短時間の質疑かつ発言趣旨を端的にまとめたため、誤解させる部分があれば言葉足らずですみません。

生成AIについて、解析・学習の段階で、著作権法上、元データの作者や権利者の皆さんの権利を守れるかを大臣答弁で確認する趣旨でした。

詳しくは議事録のやりとりを確認いただければ幸いです。

生成系AIの活用、著作権者を守るための新たな規制が必要だ (衆議院議員きいたかしホームページ)

教育現場における生成系AI、活用方法や注意点をまとめた指針を夏休み前に作るべき(衆議院議員きいたかしホームページ)

AIによる解析・学習についての現段階の日本の著作権法上の見解を確認、権利侵害の懸念も政府に訴えた一方、生成・出力段階での出力自体の著作権の扱いや元データの著作権の扱いが未確認ですので今後質疑等で確認する予定です。

以上補足でした。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)