知床遊覧船事故、船舶の検査等に当たったJCIに事故に関する責任はないのか 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
2022年11月2日国土交通委員会
○城井委員
10月28日の御家族向けの国土交通省の説明会の後に、事故被害者の家族会の方々から、私、お話を伺いました。
家族会の方々が少し心配をされて連絡をくださったからであります。
何の心配だったかと申しますと、今回の質問に当たって、私も国土交通省の担当の方に、これまでの対応状況、今後どうするか、資料でくださいと言って、直近の御報告をいただきました。
ただ、その資料を見つつ、家族会の方のお話を聞いたときに、家族会の方からは、もしかして、国会議員に対しての国土交通省からの報告と家族会に対しての各種行われている説明会での報告内容に少し差があるのではないかということを心配している、こうしたお話もございました。
実際に、28日の説明会の後に伺ったお話しでいただいた意見は二つ。
一つは、船舶の検査等に当たったJCIは内規の運用の不備を認めているが、なぜJCIからの遺族への謝罪がないのか。
二つ目には、被害者の電子機器の取扱いが適正だったか疑問だ。
この二点です。
そこで、以下、大臣に伺います。
まず、一つ目の意見。事故を起こしたのはあくまで事業者でありJCIではないとの立場をJCIが取っているとの家族会の受け止めに端を発しています。
携帯電話の届出を受け付ける内規に不備があって、知床遊覧船の事業を許可したことに問題があると家族会は思っています。
実際、JCIも同様に内規の運用の不備を認めているため、事故後、改定をしています。
国は、チェック不十分だったJCIには事故に関する責任はないとの見解でしょうか。
大臣からお聞かせください。
○斉藤国務大臣
日本小型船舶検査機構、JCIによる無線設備の検査については、事故の際に実際には通信できなかったと推測されることから、機構の内規で定められていた検査方法は十分ではなかった、このように考えております。
機構の森理事長からも、御家族に対し、事業者の虚偽と思われる申告を防ぐことができなかったことから、機構が内規で定めた検査方法は十分でなく、重く受け止めています旨の発言があったとの報告を受けております。
国土交通省としては、知床遊覧船事故対策検討委員会における検討を踏まえ、機構の検査方法の見直しを行い、その強化を図ったところでございます。
私自身も、機構の船舶検査の現場を訪問し、森理事長に対し、適切に検査を実施するよう指示したところでございまして、今後とも、機構に対する監督をしっかりと行っていきたいと思っております。
○城井委員
大臣、事業者に直接の責任があるということは、これまでも、この委員会の場でも何度もやり取りさせていただいていますが、今問いましたのは、では、検査に当たって見逃したJCIにも事故の責任の一端があるのではないかということについてお答えいただきたい。
もう一回お願いします。
○斉藤国務大臣
先ほど申し上げましたように、通信方法について虚偽の報告を見逃したということについては重くJCIが受け止めているということでございます。
責任ということになりまして、事故原因がいまだ明らかになっていない現状において、責任の所在についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
このような痛ましい事故が二度と起こることのないよう、知床遊覧船事故対策検討委員会における検討を踏まえ、機構への国の監督強化を含め、小型旅客船の総合的な安全対策を責任を持って進めてまいります。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)