柳瀬唯夫元総理秘書官と加計学園関係者との三回にわたる面会に関する質問主意書 衆議院議員 きいたかし 福岡10区 (北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

 

 

平成三十年五月十一日提出

質問第二八五号

 

柳瀬唯夫元総理秘書官と加計学園関係者との三回にわたる面会に関する質問主意書

 

提出者 城井 崇


 

柳瀬唯夫元総理秘書官と加計学園関係者との三回にわたる面会に関する質問主意書

平成三十年五月十日の衆議院予算委員会において、柳瀬唯夫元総理秘書官は、「総理に御一緒した際に、加計学園の方とお会いしたことがございました。その後、平成二十七年の二月から三月ごろに一度、官邸にアポイントをとって来られましたので、そのときにお話を伺いました。そして、同じ平成二十七年四月に、今話題になってございます面会をさせていただきました。それで、その後、今治市が戦略特区の提案を出すということをお話しに一度来られたという記憶がございます。以上です。」と発言し、加計学園関係者と三回にわたり面会したことを明らかにした。

また、柳瀬唯夫元総理秘書官は、「二十六年の九月に、特区諮問会議で総理が獣医学部の新設の解禁を含めて早急に検討していきますとおっしゃったのは、私はまさに政府の中に対する指示だと理解をしてございました。その指示はもう既にいただいていましたので、その枠の中でいろいろお話を伺って、それが二十七年の六月の閣議決定になっていったということで、それについて個別の案件がどうだこうだということを総理に御報告する必要はないと考えてございました。」と発言し、加計学園による獣医学部新設は内閣総理大臣の指示であること、加計学園関係者との三回にわたる面会について内閣総理大臣に報告していないことを明らかにした。以下、質問する。

 

一 内閣法第二十三条第三項は「内閣総理大臣に附属する秘書官は、内閣総理大臣の、国務大臣に附属する秘書官は、国務大臣の命を受け、機密に関する事務をつかさどり、又は臨時に命を受け内閣官房その他関係各部局の事務を助ける。」と定めているが、柳瀬唯夫元総理秘書官と加計学園関係者との三回にわたる面会は、「機密に関する事務」又は「内閣官房その他関係各部局の事務」に該当するのではないか。政府の認識を明らかにされたい。

 

二 柳瀬唯夫元総理秘書官と加計学園関係者の三回にわたる面会が、内閣法第二十三条第三項に定められている「機密に関する事務」又は「内閣官房その他関係各部局の事務」に該当する場合、柳瀬唯夫元総理秘書官は「内閣総理大臣の(中略)命を受け」て行われた事務について、内閣総理大臣に対して、報告する必要があるのではないか。報告しないのは、法律の趣旨に反するのではないか。政府の認識を明らかにされたい。

 

三 柳瀬唯夫元総理秘書官と加計学園関係者との三回にわたる面会が、内閣法第二十三条第三項に定められている「機密に関する事務」又は「内閣官房その他関係各部局の事務」に該当しない場合、柳瀬唯夫元総理秘書官と加計学園関係者との三回にわたる面会は、どのような法的根拠、権限に基づいて行われたのか。柳瀬唯夫元総理秘書官は、法的根拠、権限に基づかず、首相官邸で加計学園関係者と三回にわたり面会することができるのか。政府の認識を明らかにされたい。

 

右質問する。

 


 

内閣衆質一九六第二八五号

平成三十年五月二十二日

 

内閣総理大臣 安倍 晋三

 

衆議院議長 大島理森 殿

 

衆議院議員城井崇君提出柳瀬唯夫元総理秘書官と加計学園関係者との三回にわたる面会に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

 

衆議院議員城井崇君提出柳瀬唯夫元総理秘書官と加計学園関係者との三回にわたる面会に関するに対する答弁書

 

一から三までについて

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、一般論として申し上げれば、内閣総理大臣秘書官が、内閣法(昭和二十二年法律第五号)第二十三条第三項に規定する事務を行うに当たり、平素において、関係者との面会を通じ、情報収集等を行うことは、同項に規定する事務の一環であると考えられる。また、栁瀬元内閣総理大臣秘書官は、例えば、平成三十年五月十日の衆議院予算委員会及び参議院予算委員会において、参考人として、「前の年の九月に、総理から明確に、獣医学部新設の解禁を早急に検討していただきたいという大きい御指示が出ておりましたので、その枠の中でどうしていくかというのは当然秘書官としての業務の一環だと思ってございます」、「総理に必要な判断を仰ぐ必要なタイミングで必要なことを上げます。そこをセレクトするのが秘書官の業務だと思います。」等と答弁しているところであると承知している。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区