出世払い型奨学金は単なる授業料の後払いではないか 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

令和四年六月九日提出
質問第一〇〇号

いわゆる出世払い型奨学金の検討に関する質問主意書

衆議院議員 城井 崇

教育未来創造会議の第一次提言で示された出世払い方式の奨学金の創設について、「現行では年収三百二十五万円以下の返還者が月々の納付額を減らせる減額返還制度の年収要件を緩和し、より広い層で返還額を調整できるようにする。現在、奨学金を返還している人でも利用可能な仕組みを検討する。また、大学院生向けには在学中は授業料を徴収せず、修了後に所得に応じた額を返還してもらう制度を設けるとした。中間所得層については、海外に比べ入学者の少ない理工系の学部生や、子どもの多い世帯を、給付型奨学金の対象に加えるとした。」と報じられている。
これまでも議論があったが巨額の財源を確保するのが難しいため、実現には至っていない。返済の開始時期は、年収三百万円以上に達した段階とする案が検討されているとしているが、所得が低ければ返済が猶予されるため、就労意欲をそぐと指摘されている。今も苦労しながら返済を続けている卒業生との不公平感をどのように解消するかという課題もある。そもそも、子どもに借金を背負わせることに変わりはない。
そこで、いわゆる出世払い型奨学金の検討に関して、以下質問する。

一 いわゆる出世払い型奨学金とは、単なる授業料の後払いではないか。政府の認識を明らかにされたい。

右質問する。

 

 

内閣衆質二〇八第一〇〇号
令和四年六月二十一日

内閣総理大臣 岸田文雄

衆議院議長 細田博之 殿

衆議院議員城井崇君提出いわゆる出世払い型奨学金の検討に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員城井崇君提出いわゆる出世払い型奨学金の検討に関する質問に対する答弁書

一について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、令和四年五月十日に教育未来創造会議で取りまとめられた「我が国の未来をけん引する大学等と社会の在り方について(第一次提言)」において、「ライフイベントに応じた柔軟な返還(出世払い)の仕組みの創設」が提言され、現在、具体化に向けた検討を行っているところであり、お尋ねの「いわゆる出世払い型奨学金」の在り方について、現時点においてお答えすることは困難である。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)