子どもコミッショナーを設置して政府から独立した立場でいじめなどの重大な事案の調査 、提言、勧告を可能にする 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

 

2022年4月27日 衆議院内閣委員会

 

○櫻井委員

そこで、ちょっと私の地元の事例なんですが、兵庫県の川西市というところでは、子どもの人権オンブズパーソンという制度、これはもう20年以上前です、20世紀に既につくっております。
1998年頃に、いじめの問題など子どもの問題を解決するために、市の条例を制定してこの制度をつくりました。
子どもの権利条約に基づいての条例でございます。
国内初の条例、取組ということでございました。
当時、市長さんが中学校の先生出身ということもありまして、こどもまんなか政策に取り組もうということで取り組まれたというふうに聞いております。
毎年100件前後、始まった当初は100件を超えるような相談件数というかケースがあったわけなんですが、最近はちょっと減ってきてはいるんですけれども、やはりそれぐらいのケースがございます。
1回のケースについて1回の相談で終わることはほとんどなくて、やはり何回も来て相談をしたり、関係部署と調整をしたりということもやっております。
これは川西市の条例に基づく設置ですので、川西市内のいろいろな部署とは連携が取れる、場合によっては勧告を出したりということもできます。
ですが、例えば、兵庫県ですとか、ほかの、川西市以外のところになってくると、なかなかそうしたことが難しい、要請とか協議とか相談ということになってしまうということで、限界もあるというのが現実でございます。
例えば、子供でも、中学校までは川西市立の小学校や中学校ということになりますけれども、高校になると、川西市内には川西市立の高校というのはございませんので、すべからく兵庫県立の高校に行くことになるわけでございまして、そうすると、県立の学校に行っていて、そこで例えばいじめの問題があっても、市の窓口で、このオンブズパーソンのところで相談を受けても、なかなか、踏み込んでということが若干難しかったりするケースもあるようでございます。
あともう一つ、何といっても、やはり予算、財源の問題です。
これは川西市独自でやっているものですから、市の単独事業としてやっている。
ほとんどは人件費なんですけれども、職員の人件費も含めますと毎年3,000万円以上かかっているというところでございますので、これは国家予算、100兆とかそういう規模で議論している国会からすると、何だ3,000万円かというふうに思われるかもしれませんけれども、やはり、一般市において3,000万円というのは、市の単独事業としては結構大きなものでございますから、なかなかこの負担も大きいというのもございます。
そうしたことを考えますと、やはり、誰一人取り残されず、抜け落ちることのない支援ということのためには、声を受け止める機関、川西市であれば子どもの人権オンブズパーソン、これは弁護士の先生がオンブズパーソンとなっていて、そのサポート役として相談員というような方も雇って、スタッフとして配置されているわけなんですけれども、こういった事例を、地方自治体に任せてしまうというのではなくて、やはり国も率先してやるべきではないのかというふうに思うところです。

そこで、今日はちょっと、立憲民主党の法案提出者の方にも来ていただいております。
城井先生に来ていただいております。
ありがとうございます。
立憲民主党が提案した子ども総合基本法案では、子どもの権利を擁護する機関、子どもコミッショナーを設置することを規定しておりますが、これにより、先ほど申し上げたような課題は解決できるのかどうなのか。
子どもコミッショナーを設置することの意義について、御説明をお願いいたします。

 

○城井議員
お答え申し上げます。
結論としては、解決できる仕組みをつくることを法案に盛り込んだということを申し上げたいと思います。
子どもコミッショナーを国に設置する場合に、政府の外側から、独立した立場でまずチェックができること、いじめなどの重大な事案があったときに調査ができること、そして、再発防止などで提言や勧告ができる、こうしたことが重要だというふうに考えています。
地域の窓口との指摘がありましたが、そこを念頭に置きまして、国に置くとともに、各地域においても、合議制の機関を全ての都道府県に設置することを義務づけるとともに、市町村にも設置することができるという形にいたしました。
相互に連携、そして協力するように努めなければならないということといたしております。
川西市のように、一部の自治体では権利擁護機関をつくっているケースもありますが、個別の活動ですし、あるところ、ないところで差が出てくるというのはどうかという点に配慮したということでございます。
我々の法案に基づいて、そうした、国のみならず、各自治体で設置した機関が主体となって、特定の自治体にとどまらず、子どもの権利を図ることが全国的にできるようにしていくべきだということで、仕組みを盛り込んだところです。
費用面についても、立憲民主党案では、その費用の全部又は一部を補助することができるといたしております。
財政面からも、しっかり子どもの権利擁護に自治体が取り組んでいけるように支えていきたいというふうに考えています。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)