1月31日予算委員会質疑の振り返り 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
1月31日、衆議院予算委員会集中審議にて質疑に立つ機会をいただきました。応援いただいた皆様ありがとうございました。
以下質疑の狙いと振り返りを書きたいと思います。
まず週末に経済産業大臣が発動を否定しないと語った報道があった、ガソリン税を下げるトリガー条項の凍結解除・発動について岸田総理の見解を質しました。
岸田総理からは、今現在は検討せず、との答弁でした。
北国はもちろん、国民の関心は高く、立憲民主党でも議員立法案を提案済みです。実効性あるガソリンや灯油の値下げ対策を実現できるよう、引き続き政府に働きかけます。
先週の予算委員会で「矛と盾」に関する岸防衛大臣の怪しげな答弁があった「敵基地攻撃能力」については、まず政府統一見解を確認し、議論の前提として、第一撃を日本が担う可能性を含むのか、を防衛大臣に問いました。
従来の政府見解なら、専守防衛による反撃のみが許されるはずで、内容にかかわる大事な視点の確認です。
岸防衛大臣からは、第一撃が先制攻撃を意味するものなら含まない旨の答弁を確認しました。
専守防衛に照らしてどうか、我が国を現実的に守れるかとの観点から引き続き国会で取り上げていきます。
新型コロナの濃厚接触者の待機期間について岸田総理に問いました。
10日から7日間に短縮された濃厚接触者の待機期間。
それは、感染者と最後に接触した”最終接触日”からカウントされます。しかし、基準となる「最終接触日」の考え方が、自治体や保健所によってまちまちで国民の中に混乱がある。「陽性者と部屋を分けることが可能であれば、隔離を開始した日を最終接触日にする」ところもあれば、同じ隔離であっても「同居者が患者の看護を行う必要がない時」に限られ、この場合、食事の運搬などの看護をしていた方の最終接触日は伸びる可能性もあります。
「隔離状況によって待機期間が変わるのであれば、同じ地域であっても、自宅に隔離できる個室がある方とそうでない方で待機期間が大きく変わる。
待機最終日なら家族に陽性者がいたら17日間以上の待機となる可能性が高い。
岸田総理、濃厚接触者の最終接触日を国民はどう判断したらよいですか。
陽性者が確認された日か、隔離開始日か、陽性者の待機最終日か。
それとも自治体に丸投げか。
どれですか。と岸田総理に率直に問いました。
後藤厚生労働大臣からは、それぞれで対応いただく旨の答弁で最終接触日についての明確な基準を政府から確認できませんでした。
濃厚接触者の自粛増加で医療や介護、保育、教育のみならず、製造業や運輸業も止まる勢いであり、新たな変化に先んじた対応を政府に求めました。
エッセンシャルワーカーである教員の支援についても岸田総理に質しました。
教員の長時間労働の実態が元々あり、学校現場へのコロナ対応支援の予算などあってもコロナ対応でさらに多忙になった現実、ただでさえ教員志望者が減少している現状です。
教職を選ばれる仕事にするためにも待遇改善する必要があります。子どもを守ること、教育の質を上げることにもつながります。
教育現場の待遇改善について岸田総理に実行を求めました。
中小企業への新型コロナ対策については、まず事業復活支援金についても岸田総理に質しました。本日1月31日申請スタートの事業復活支援金の申請においても、他に手立てがない当事者の立場で迅速・確実な対応をお願いしました。
ただ、持続化給付金と比べると事業復活支援金は支援額が小さくなり「焼け石に水」との厳しい意見があります。
実際に個人への給付額は半減、法人も給付対象のボリュームゾーンである「売上高5億円以下」は50万から100万円の減となっています。
そこで本日、立憲民主党から「事業復活支援金・給付額倍増法案」を衆議院に提出しました。
コロナの影響を受けた中小企業への支援拡充のため、事業復活支援金の倍増や給付回数増などを実現する議員立法です。
立憲民主党案を踏まえた岸田総理の受け止めと今後の支援拡充・対応徹底について質したところ、政府案の説明はあったものの、立憲民主党の「事業復活支援金・給付額倍増法案」については見ていないのでコメント差し控える旨の答弁でした。
金曜日にすでに質問通告しており、この総理答弁はあまりにいい加減だとさすがに頭に来ました。
中小企業にとって先の見える、経営の安心につながる仕組みにしてもらわなければなりません。
中小企業による新型コロナ対策の支援金申請の「不備ループ」問題についても、岸田総理に質問しました。
先日は私から新型コロナ対策の不正受給について質したので、今回は中小企業に必要な支援が届いていないケースを取り上げました。
「持続化給付金などの時も同様の例がありましたが、月次支援金の「不備ループ」、申請をして不備を指摘され、再提出してまた不備の指摘という堂々巡りに悩む中小事業者が相当数おられます。
マニュアル通りの答えに終始するケース、事務局から連絡が来ないケースもあるとの現場の声です。理由がわからず不毛なやり取りの繰り返し、連絡を待つ間の焦りなどで心身ともに疲弊する方がおられる現実があります。
いまだに同様のご意見が多い状況ですが、一義的には政府・事務局が適切に対応して改善すべきです。
「不備ループ」の相談を受けた弁護士の方から具体的な問題点を以下のように整理いただきました。
・事務局(中小企業庁から委託を受けた民間事業者)が指摘する「不備」の内容及び追加提出を要求される資料が、本来必要と思われる範囲を超えているように思われる。別の言い方をすれば、既に提出した資料だけでも売上要件等を充足していることが明らかであるにもかかわらず、なぜか追加で資料提出を求められる。また、その量もきわめて多く、準備に時間がかかる。
・何度も不備通知を繰り返す一方で、事務局側がどのような不備通知を出し、それに対してどのような資料が提出されたのかを正確に把握できていない。それによって、例えば、5回目の不備通知で提出を求められた資料は既に1回目の不備通知への対応で提出済であるということがある。
・電話の問い合わせ先と、審査部とで、担当者が別である。しかも、連携が取れていないように思われる。そのため、問い合わせ先の担当者には個別具体的な話が通じず、申請者としては具体的に何を対応すればよいのかが分からないことがある。
・不備ループに陥っている事業者が、ほぼ同様の要件、趣旨である別の補助金・給付金(家賃補助や持続化給付金等)は受けられていることがある。月次支援金についてのみ認めない理由が不明である。
・結論として、申請者に対して過大な負担を負わせている。
本来、新型コロナ禍による被害を被った事業者を迅速に救済するための制度である。
それにもかかわらず、事務局の担当者次第で不当な不備ループに陥ってしまうのは、事業者間の公平の観点からも、また制度趣旨にも反するように思われる。」
岸田総理に以上の問題点の指摘をしました。
合わせて「不備なし放置」のケースも多数あるとの意見も伝えました。
「支給されるべき者に対して不支給決定を行うことは、より一層、許されるべきではありません。政府・事務局の対応改善をお約束いただけますか」、と岸田総理に直接迫りました。
岸田総理からはこれまでの審査が適正であるという説明とともに、問題があれば改善させるので経済産業大臣に直接言ってほしい、との総理答弁を確認しました。
事前に通告を申し上げていたので岸田総理から現場で困っている事業者の元気が出る改善対応をお約束いただきたかったです。
指摘した問題点を中心に経済産業大臣に届けて改善を促したいと思います。
水道管の腐食防止の塗料の問題については、質疑時間の関係で厚生労働大臣に問題指摘を申し上げました。
ある民間会社が製造する水道管の腐食防止の塗料に不正な物が使われていたことが年明けに発覚。
多くの水道管がこの会社が作った塗料を使っていたことから、この問題が明るみになった1月11日からおおよそ1週間、全国の多くの水道管の工事が止まったとの事。
水道工事業者の経営面での影響を懸念します。
何より、水道水の安全性への影響可能性について厳しい指摘があります。
昨日1月31日にはこの企業が水道管塗料の品質試験データを偽装していたとの報道もありました。
この件について、政府としてきちんと対応いただきたい旨を要請しました。
令和4年度国土交通省所管一般会計歳出予算各目明細書の誤りについても質しました。
各目明細書という国の予算関連書類にミスが続出した問題です。
1国会で総務省、法務省、文部科学省、国土交通省の4省でミスがありました。
過去に例がないミス続出の事態です。
ここで打ち止めにしたい、と政府の皆さんに猛省を促しました。複数担当者による突合、つまり数字やデータの突合せ作業を行った、との事ですが、項目と項目、数字と数字の突合せであるので、やっていたら数字や項目名は一致するはずでズレるはずはないのではないかと困惑しています。
一次資料と各目明細書の突合、積算内訳と予算書の突合、いずれの場合でもそうです。
なぜズレたのですかと国土交通大臣に率直に尋ねました。
岸田総理にも、予算書や予算関連書類が整うのは国会審議の大前提、今後の改善と信頼回復をと今後の取り組みを促しました。
国土交通省の建設統計改ざんについても取り上げました。
「統計は社会を映す鏡。しかし歪められてしまい、歪んでいることに気が付いても見ぬふりをした。この国土交通省主導での建設統計改ざんと隠ぺいは本当に許すことができない違法行為と認識しています。人員不足や専門知識不足を理由にしているが、二重計上に気づきながら報告も公表もしなかった「改ざんの握り潰し」はそのようなことの言い訳にはならない。2019年の毎勤統計の改ざんを受けての一斉点検すら欺いたのもあり得ない。あの時の統計改革は機能していないのは明白です。統計を扱う公務員の意識を切り替える手立てが必要です。」と今回の統計改善問題について見解を述べたうえで、今後の対応について岸田総理に質問しました。
国会でも議論になっています「影響は軽微か」問題。
そもそも正しい統計データの裏付けがないのに軽微だと断言できないはずです。
「伸び率」を活用するから影響がないような意見がありますが年度によって影響が異なる点を見逃しています。
統計をできる限り復元するよう、政府で試みていただいていますが、失われた元のデータは相当数あり、推計方法で補うのが現実だと考えます。調査票が確認できない2000年度から2015年度を含めて、建設受注統計をできる限り復元した後、不正があった建設受注統計を基に作られる建設総合統計の結果見直し、および、GDPの再算定を政府として行う事を確約いただけるか、と岸田総理に何度も迫りましたが、改ざんのあった建設受注統計の遡及復元については言及してもGDPの再算定及びその計算に使われる建設総合統計(建設受注統計も使って作られる)の結果見直しについて岸田総理から「やる」との答弁はいただけませんでした。
ここで時間切れ。
統計改ざんの問題については次回に持ち越しとなりました。
統計法違反の疑い、公文書管理法違反の疑い、公用文書毀棄罪の可能性、総務省のチェックルールの再構築など具体的に政府に質していきます。
振り返りは以上です。
応援いただきました皆様に重ねて感謝申し上げます。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)