衆議院予算委員会で質問に立ちました 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

 

 

12月15日午前、衆議院予算委員会にて質疑に立つ機会をいただきました。

令和3年度補正予算案審議での締めくくり総括質疑でした。

質疑内容の狙いと振り返りを書きます。

(少し長文になります)

 

まず、新型コロナの自宅療養で亡くなった方の遺族会の皆さんとの面会・聞き取りについて内閣総理大臣を質しました。

12月13日衆議院予算委員会の長妻昭委員の質問に関連して、「新型コロナウイルス自宅放置死遺族会の皆さんのお話を直接総理に聞いてほしい」との訴えに岸田総理は直接お話を聞くとお答えいただけますか、自宅療養で亡くなった方々の検証委員会を政府で設けていただけますか、と私から岸田総理に投げかけ、総理は答弁で、「サンプルでの検証を含めどのような対応が可能か整理するよう指示した」と新型コロナウイルスに感染し自宅で死亡した人の実態の把握を厚生労働省に指示したことを明らかにしました。

私から合わせてコロナ対策の検証作業の中でもご遺族、当事者のご家族の経験も踏まえていただくようにお願いしました。

 

次に、困窮学生への対応について内閣総理大臣と文部科学大臣にお聞きしました。

新型コロナの影響で大学等を中退、休学している学生が増加しています。

厳しい状況にある学生等への支援については、私達立憲民主党から「学費の半額免除」「バイト減収学生への一時金支給」などを実現する議員立法案をすでに提案済みなことに触れたうえで、学生等の学びを継続するための緊急給付金(675億円)について質しました。

政府の緊急給付金の対象67万人の算出根拠を聞いた上で困窮する世帯の自宅生も必要に応じて支援対象に加えるよう文部科学大臣に訴えました。

大学の運用次第で自宅生も給付対象に入ることを大臣答弁で確認しましたが、制度を知らない学生にはそもそも支援が届かないことから、周知徹底を改めて要請しました。

 

また「私が深刻だと感じているのは、それでも支えが届いていない学生がいるということ」、と岸田総理に懸念を伝えました。

「新しい高等教育修学支援制度があっても、学生等の学びを継続するための緊急給付金があっても、新型コロナの影響による経済的困窮で退学する学生が増えています。

文部科学省によれば、令和3年4月から8月の大学等の中途退学者のうち経済的困窮が理由の人は20.7%。

このことにどう対応するか。

貸与型奨学金という「学生ローン」の手段があっても、現行の所得連動型返還制度があっても、経済的困窮を理由に中退せざるを得ない学生は存在しているのです。

政府与党で検討されている出世払い型奨学金も結局借金(学生ローン)であることには変わりありません。

こうした苦しむ学生に寄りそうためにも、給付型奨学金、授業料免除の拡充をすべきではないか。」と、支えが届いていない学生に手立てを届ける仕組みづくりを岸田総理に直接訴えました。

 

「税金を納め、保険料を支払い、教育費に介護費。手取りが残らず貯蓄もない。

そんな方々に少しでも豊かさを感じられる、普通の安心を届けるのが政治の仕事です。

可処分所得の向上につながる教育費の負担軽減をぜひ実現してもらうべく、私達からも今後政策提案を続けます。制度全体の議論の機会を改めていただければと思います」、と私から岸田総理に申し上げました。

 

 

 

 

続いて、オミクロン株への水際対策について内閣総理大臣、国土交通大臣に質問しました。

早めの対応をと政府がオミクロン株の水際対策として外国人の新規の入国を原則停止とした対応自体の狙いは理解できますが、問題点を2点指摘し質問しました。

 

一つは、外国にいた日本人の保護や配慮が足りなかった点です。

新規予約の停止要請の際に、邦人保護の観点はどのように検討され、取り扱われたかを国土交通大臣に質しました。

 

もう一つは、意思決定の混乱です。

航空会社への要請について国土交通省の事務連絡の内容については国土交通省航空局が原因ということにされていますが、航空局に1日あたりの入国者数の決定過程について聞いたところ、「内閣官房副長官補室にお問い合わせください」との回答があり、実質的な指示は内閣官房から出ていたと国土交通省から確認しています。

今後、今回の事案の反省を踏まえ、政策判断を行う際の政府内における意思疎通や判断ルートの見直し、要請を受ける航空会社との連携も含めたシミュレーションを行うべきと岸田総理に強く提案しました。

 

そして、観光関連産業から要望が強い経済活動再開基準の明確化について内閣総理大臣に質しました。

この約2年間、コロナ禍の影響を受け、打撃を引きずり、苦境が続く観光関連産業は、感染予防策を業種別ガイドラインに従い感染拡大防止に努めています。

これまでも観光関連産業の現場から9回にわたり対策要請をいただき、政府にも都度伝えてきました。

この度の10回目の緊急要請では、医療提供体制の整備強化、ワクチン接種・検査体制の強化、ワクチン接種者・陰性証明書取得者の行動緩和の推進、海外渡航の再開へロードマップの明示と世界共通のワクチンパスポートの整備、雇用調整助成金の特例措置延長などが求められています。特に現場が悩んでいるのは、業種別ガイドラインに基づいて営業しても、そもそも国民は移動することによる感染拡大に不安を覚えており、移動そのものをためらっている、という現状です。

感染対策と日常生活の両立へ、改めて政府が、旅行、宿泊、飲食、会合等における科学的根拠に基づくガイドラインの策定を行い、条件や基準を明確にしたうえで国民が安心して移動できる環境整備を求める声が観光関連産業の現場から届いています。

政府による科学的根拠に基づくガイドラインの策定を行うべきとの現場の声に応えていただけますか、と内閣総理大臣に促しました。

 

観光関連産業の現場では、人件費を限界まで削り、借金をギリギリまで重ねています。

苦境に耐えきれず人材流出も始まっています。

先ほどの要望を一つでも多くかなえて、現場で踏ん張るための具体的な手立てを政府からもぜひ届けてください、と岸田総理に念押ししました。

 

 

続いて、「賃上げ税制」について内閣総理大臣、財務大臣に質問しました。

長らく続いた実質賃金の上がらない状況を打破する意味でも給与・賃金を上げていく政策には私も賛成です。

我々立憲民主党からも「中小企業への支援を前提にした最低賃金の引き上げ」を提案済みであり、社会保険料負担軽減という具体策も示しています。

 

今回の「賃上げ税制」は、与党税制改正大綱によれば、継続雇用者の一人当たり給与の増加が要件となっており、非正規も含めて全雇用者の給与総額の増加を対象としていますが、この「賃上げ税制」がその意図とは異なる方向で脱法的に使われる可能性があり、以下政府に具体的に4つのケース、賃上げ税制の適用となるも給与賃金が上がらないと想定されるケースを質しました。

 

まず当該年度で心配な2つのケースとして、「一部社員だけ給料を挙げて給与総額を引き上げる」ケースと「退職金を前払い退職金に置き換える」ケース。

次年度以降に心配な2つのケースとして、「外部発注を非正規雇用などで内部に取り込む」ケースと、「毎年小さな会社を経営統合して給与総額を増やす」ケースを具体的に財務大臣に示して政府としての賃上げ税制適用の可否を聞いたところ、4つのケースどれも「適用となる」との答弁でした。

私からは、「やるべきは格差の是正であること。給与総額や給与の平均値を上げるのではなく、実質的に社員一人一人の給与や賃金が上がる、処遇改善できることが必要だと考えます。そのためには、今回の「賃上げ税制」で以上のような抜け道を使わせないことが必要だと考えます」と、制度運用に当たり給与賃金アップにつながらない抜け道を許さず、一人一人の実質的な給与賃金の引上げにつながる取り組み徹底を行うように岸田総理に訴えました。

 

準備していた半導体国内立地推進やGIGAスクール運営支援センター整備事業についての質問は改めての機会にさせていただこうと思います。

今後も現場の声を基に改革を促す仕事を引き続き頑張っていきます。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)