国土交通委員会質疑(5月19日)の振り返り 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

 

 

5月19日、衆議院国土交通委員会において質疑の機会をいただきました。

質問内容に従って質問の狙いや答弁内容を振り返りたいと思います。

長いのでご関心のところをご覧いただければと思います。

 

【新型コロナ対策について】

まず新型コロナ対策として、公共交通・運輸に関わる3つのエッセンシャルワーカー(タクシー運転手、海事労働者、港湾労働者)の新型コロナワクチン優先接種について各業界からの現場要望を赤羽国土交通大臣に直接伝えながら質しました。

 

【タクシー運転手のワクチン優先接種について】

地域によっては軽症患者・中等症患者を移送する業務に当たる可能性があるハイヤー・タクシー運転手について、ワクチンの優先接種など、いのちと健康を守る具体的な手立てを国としてきちんととるべきだと訴えました。

大臣からは、「一部自治体でタクシー会社に軽症コロナ患者の病院搬送を委託している例があり、こうした業務に従事する運転手に限り、医療従事者等と位置付けたうえで優先接種を行っていると承知しており、厚生労働省からも確認答弁あった。タクシー運転手を感染リスクから守る立場からこうした事例を各自治体に周知することで新型コロナ対応への貢献を後押ししたい」という旨の現場支援に前向きな答弁をいただきました。

 

【海事関係者のワクチン優先接種について】

次にエッセンシャルワーカーとして事業継続に努めている船員や国内旅客船関係者への希望者全員の早期ワクチン接種について、現場から強い要望があり、国土交通省として政府内で働きかけて実現すべきと訴えました。

大臣からは、「公共交通や物流業界から一様に要望をいただいている。今回のワクチン接種は国民全員の早期かつ円滑な接種の方針であり、自治体ごとに職種指定すると事務手続きに作業がとられる。それよりとにかく早期かつ円滑な接種完了を優先したい。」という旨の答弁でした。

内航海運における船員の就労パターン(一般的には3ヶ月乗船、1ヶ月休暇)も踏まえて優先ワクチン接種を行うべきとの現場要望にどう応えるか、との私の問いに対しては、「地方自治体の考え方だが、内航海運の特殊な就労パターンについては、厚生労働省と連携して具体的な手続きや留意点の周知を行った上で事業者の問い合わせに個別対応している」との旨の答弁がありました。

 

【港湾関係者のワクチン優先接種について】

港湾労働者のPCR検査の充実及びワクチン優先接種の実施体制整備に関する港湾現場からの要望を伝えながら、国土交通省として政府内で働きかけて実現すべきと私から質した部分に関しては、大臣からは「ワクチン優先接種について業界からの要望は聞いている。政府の方針は先ほどの答弁のとおりだ。PCR検査については、感染源や感染拡大の兆候を把握するために、比較的感染リスクの高い作業所などの場所において、定点的、定期的にPCR検査を行う、内閣官房の感染再拡大の早期探知のためのモニタリング検査事業の実施場所の一つとして、京浜港、阪神港等の港湾現場についても選定する方向で、現在、地元関係者との調整を進めている」という旨の答弁をいただきました。

 

【エッセンシャルワーカーへのワクチン優先接種、自治体への支援を】

また私から、「政府方針は理解していますが、それでは公共交通の担い手も現場の海事や港湾の労働者も、これからも高い感染リスクにさらされることになります。公共交通や運輸に関わるエッセンシャルワーカーへの優先接種について、地方自治体の取り組みへの迅速な対応をしてほしい」という旨を大臣に要望しました。

 

 

 

 

【コロナ禍における船員交代について】

次に船員交代について、国際航海に従事する外航船員や遠洋漁船に乗り込む船員の乗下船(交代)はコロナ禍における各国の入国規制や移動制限により船員交代が円滑に行われず、多数の船員が長期乗船を余儀なくされるなど大きな問題となっていて、日本人のみならず我が国へのロジスティックスを担うために入出国する外国人船員に対して乗下船が円滑に行えるようにすべき、と私から法務副大臣と国土交通大臣に訴えました。

 

【港湾政策決定過程における労働者代表の関わりについて】

国土交通省交通政策審議会港湾分科会の委員に2001年の分科会設置以降これまで港湾労働者の代表が選ばれたことがないことを私から指摘し、港湾で働く当事者である港湾現場の労働者の声も直接反映するために、港湾労働者の代表を委員に選定すべきと大臣に訴えました。

大臣からは「中央省庁再編で委員数を簡素化、政策的議論に特化した。物流や産業が専門の有識者に入ってもらった。港湾労働については港湾労組からの申し入れや懇話会で対応している。」との答弁でした。

私からは「政策的議論に特化と言いながら、委員の中には港湾労働の専門の方はいない。同業種でも企業側は時に労働者側と対立する場面もある。当事者代表を聞き取りのみならず分科会の議論に加えるべき」と改めて訴えました。

 

【港湾の自動化政策・制度導入の港湾労働者雇用への影響について】

港湾の自動化政策・制度導入の港湾労働者雇用への影響についても質しました。

私から生産性の向上は大事ですが、現場の実情をよく見て雇用の公正な移行にも配慮してほしい旨を訴えました。

 

【そのほかの港湾政策・港湾労働政策について】

この他、港湾運送事業における「適正料金」への取り組みや港湾運送事業と倉庫業との線引きの問題を取り上げました。

 

以上が質疑の主な内容です。

今後も現場の声にもしっかり耳を傾けながら、必要な改善を政府に求めてまいりたいと思います。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)