安全保障の観点からも船舶の自国建造技術を維持・発展させるべき 衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
2021年4月16日 衆議院国土交通委員会
(造船業と日本の安全保障について)
○城井委員
続いて、造船業と日本の安全保障について伺います。
国内造船の衰退により、軍事転用可能な技術が海外流出する懸念が高まっているとの指摘があります。
安全保障の観点からも、国内造船業の競争力強化が必要との意見です。
日本造船工業会からの聞き取りによりますと、自国防衛のための船舶を、世界の船舶建造シェアの約52%を占める中国、韓国に発注する状況にしてよいか、一方で、官公庁発注の造船だけでは日本の造船業は立ち行かない現状にある、こうした意見でございました。
この造船業の衰退による安全保障上の具体的な懸念について、大臣の認識、そして今後どのように対応するお考えか、大臣からお示しをいただけますでしょうか。
○赤羽国務大臣
これは安全保障の観点から、造船業を衰退させないということは大事でありまして、現在、我が国造船業は、艦艇や巡視船の全てを建造、そして修繕をしておりまして、我が国の安全保障上欠かせない社会基盤であるということが、皆さんが認識をしているところだというふうに思っております。
他方で、近年の国際造船市場の低迷ですとか、国内官公庁の船の市場も極めて限りもありますので、仕事の量の確保が困難となって、その産業基盤の維持が危ぶまれているということでございます。
ですから、ここは何とかしなければいけないということで、今回の本法案の提出と、これに絡む予算、税制、財政投融資の活用に取り組みながら、関係省庁を含めた官民連携の強化によりまして、官公庁船の分野の海外展開も推進していくということに考えておるところでございます。
いずれにいたしましても、我が国造船業の基盤強化を図るということ、これは、引き続き我が国安全保障を支える大変重要な観点ということで、しっかりと取り組んでいきたい、こう考えております。
○城井委員
海洋立国日本として、その力の根幹たる造船技術、安全保障の観点からも、是非、しっかり磨いていくべく、高めていくべく、取り組みをお願いしたいというふうに思います。
大臣、国土交通省の部分で申しますと、海上保安庁の船舶の老朽化の対応も、こうした文脈から、取組をきちんとすべきだというふうに思いますが、この点も含めての取組をいただけるという認識でよろしいでしょうか。
○赤羽国務大臣
海上保安庁の体制強化ということ、大変重要なテーマでございまして、かつて、平成28年だったと思いますが、これをしっかり競争力を強化していこうということで、艦船等々の具体的な増加、ちょっと今、質問通告がありませんでしたので、手元に具体的な数字は持っておりませんが、中長期的な計画の中で図られているわけでございまして、それはしっかりと、海上保安庁の体制強化とともに、我が国の造船業をしっかり、ペアというかハーモナイズして対応していきたい、こう考えております。
○城井委員
大臣の思いとその方向性を確認させていただきました。
ありがとうございます。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区(北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)