学問の自由を保障する、憲法23条に抵触するのでは  衆議院議員 きいたかし 福岡10区 (北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

 

2019年11月20日 衆議院文部科学委員会

 

○橘委員長

次に、城井崇君。

 

○城井委員

国民民主党の城井崇です。

きょうも大臣に集中して御質問をというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

まず、英語民間試験について確認をせねばならぬニュースが昨晩飛び込んでまいりましたので、大臣に確認をさせてください。

二〇一九年十一月十九日十九時のNHKニュースで報じられた、英語民間試験、下村氏、東大に活用するよう指導を、党内会議でについてであります。事実関係の確認を、まず大臣に認識を問いたいと思います。

こういう発言でした。やらないですよ、東大はそもそも、東大はこれはやっぱり問題だと思いますよ、文部科学省はよく東大に指導していただきたい、やるということは、やるということを前提にぜひ指導していただきたい、この発言の録音音声が報じられました。

大臣、この発言はございましたか。事実でしょうか。認識をお聞かせください。

 

○萩生田国務大臣

御質問の下村議員の発言については、正式な議事録を持ち合わせていないため、また、私もその会議に同席をしていないため、正確な発言について回答することは困難ですが、今御披露いただいたように、昨日の報道で承知をしております。

 

○城井委員

その場に文部科学省の官僚は同席をしていたはずで、このよく指導していただきたいという発言を聞いたというのは間違いないでしょうか。

 

○萩生田国務大臣

正式な議事録もございませんし、私もその会議に同席していませんので、文科省の誰がそこに同席していたかは承知をしておりません。

 

○城井委員

自民党内の会議でありますし、参加者の記録も含めて文部科学省にあるはずですが、そのあたり確認をいただけますか、大臣。

 

○萩生田国務大臣

確認してお答えします。

 

○城井委員

委員会に御報告をしていただきたいと思います。

報道で知ったということでございましたが、この発言、録音音声でありまして、発言があったことは事実であります。

この発言は極めて問題だということを大臣にぜひ御認識いただきたい、対応をお願いしたいというふうに思います。

なぜか。

それは、大学入試の方法や内容は、憲法二十三条が保障する学問の自由に基づいて、大学の権限で決めることになっているからであります。

今回のこの発言は、憲法二十三条に抵触しているおそれが大きいと考えます。与党の会議で、強い影響力を持つ文部科学大臣経験者が文部科学省の担当者を集めて事実上の指示をしており、大学に対する介入と受け取れる、一線を越えた発言であります。

大臣、東京大学に対して英語民間試験を強要したことは、更に言えば、教育基本法が禁じている教育への不当な支配に当たります。教育への不当介入であります。

この二年の間も、この文部科学委員会において、教育現場への不当な介入の問題については、愛知県の中学校であったり北海道の高校であったり、そこは厳に慎むべきだということを一つ一つ確認しながら進んできたというとても大事な内容であります。

今回のこの大学入試への不当介入は極めて問題だ。憲法違反に大きく当たる可能性がありますし、教育基本法の禁止している教育への不当な支配に当たるというふうに考えております。

大臣は、こうした個別大学を名指しした教育現場への不当介入を許すのでしょうか。お答えください。

 

○萩生田国務大臣

文部科学省では、東京大学のみならず、全ての大学に対して、この自民党の会議より前から、大学入学者選抜実施要項により、英語四技能をはかることのできる資格検定試験等の結果の活用を促してきたところであり、昨年四月の自民党の会議における議員の発言を受けて活用を働きかけたということではありません。

今先生御指摘がありましたように、確かに文部科学大臣経験者ではありますけれども、党内のさまざまな会議で自由闊達な意見を申し上げることは、私はそれぞれ保障されるべきだと思います。

他方、大学に対して直接やはり物を言うということになれば、これは少し考えなきゃならないと思いますけれども、直ちに憲法二十三条を超越しているという指摘には当たらないのではないかと思います。

 

○城井委員

では伺いますが、関連して、週刊新潮二〇一九年十一月十四日号に掲載をされました、下村氏が東京大学に圧力をかけたという話の事実認識についてはいかがでしょうか。

五神東大総長を呼びつけたということはあったのかなかったのか。大学に何らかの圧力をかけたということが一切ないと言えるのか。

あれば、これも憲法が保障する学問の自由の侵害に当たる可能性が極めて高い、そして、教育への不当介入にも当たるというふうに考えます。

大臣、この点はいかがでしょうか。

 

○萩生田国務大臣

御質問の、下村議員が東京大学と自民党本部で面会した件についての事実関係については、文部科学省としては承知をしておりません。

また、東京大学に問い合わせたところ、御質問の週刊誌で指摘されているような事実はなく、文部科学省や政治家からの指導などはなかったと聞いております。

 

○城井委員

そもそも、英語民間試験を使うか否かは各大学の判断に任されているというのがルールであります。

大臣、先ほどのNHKニュースでの報道内容部分の文部科学省内での調査も含め、そして、先ほど私が指摘申し上げた部分も含めて、改めてきちんと調べた上で当委員会に大臣から御報告いただきたいと思いますが、お願いできますでしょうか。

 

○萩生田国務大臣

文部科学省とかかわりのある部分については、お調べして報告します。

 

○城井委員

憲法二十三条が保障する学問の自由に抵触するおそれがあるということ、そして、教育基本法が禁じている教育への不当な支配に当たる可能性があるということ、この二つをもって十二分に、文部科学省として、文部科学大臣としてこの点はきっちり調べて、私どもに報告していただくべきだというふうに考えます。

大臣、やっていただけますね。

 

○萩生田国務大臣

報告させていただきます。

(後略)

衆議院議員 きいたかし 福岡10区