「法科大学院在学中の司法試験受験」どこで議論して誰が決めたのか? 衆議院議員 きいたかし 福岡10区 (北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)
2019年4月26日 衆議院文部科学委員会
○亀岡委員長
次に、城井崇君。
○城井委員
国民民主党の城井崇です。
本日も質疑の機会をいただき、ありがとうございます。
法科大学院と司法試験の連携の閣法につきまして、文部科学大臣、そして法務副大臣にお伺いしてまいりたいと思います。
よろしくお願いします。
まず、先日からの続きということになりますが、今回の法律案が仮に成立した場合の法学部への影響について確認を進めたいと思います。
今回の政府案では、法学部生にとっては選択肢がふえるという点ではプラスだというふうに受けとめることができます。
しかし、法学部中心の制度となるため、多様性は後退するのではないかという内容の心配をしております。
更に言えば、法科大学院の司法試験予備校化が進んで、入学すれば受験生との実態となる懸念が強いという指摘があります。
法科大学院の司法試験準備中心に教育を編成し、学生が司法試験科目しか勉強しないという状況を促す心配があります。
参考人質疑、須網参考人からは、法学部教育への影響の懸念も表明されました。
司法試験の実施時期が、先ほどの質疑の答弁のように夏ということでございますと、法曹コースの学生にとって法科大学院の教育期間は一年三カ月から四カ月余りということになります。
つまり、司法試験にたどり着く手前までの間の教育の重点は、その時間の多くを法学部教育に譲るということになります。
学部にも相当な影響が生ずると懸念をされます。
多様で専門化した法曹を養成との理念の放棄になるのではないかと考えますが、文部科学大臣、この法学部への影響についてお答えください。
○柴山国務大臣
今回の改正案に規定する法学部の法曹養成基礎課程、今おっしゃった法曹コースにおいては、法科大学院既修者コースへの接続を前提として、三年間で法律の基本科目について、法科大学院の未修一年次の内容を修得できるカリキュラムを編成することが求められるようになります。
法曹コースは、法科大学院を中核とするプロセス教育を下支えするものとして、大学の判断のもとで開設するものでありまして、それができたからといって、法科大学院が引き続きプロセスとしての法曹養成制度の中核機関であることに変わりはありません。
法曹コースの開設を検討している大学においては、法学部全体のあり方や果たしている役割を考えつつ、未来ある若者を受け入れる責任ある立場を自覚していただいて、法案が成立した際には、速やかに対応できるようにしっかりと準備を進めていただく必要があると考えます。
文部科学省といたしましても、大学に対して、今申し上げた法曹コースの趣旨などについてはしっかりと周知をしていきたいと考えております。
○城井委員
大臣、今のお答えですと、私から提示をした心配というのは、早目に司法試験を受けられるようになるけれども、じゃ、その準備をいつやるのか。
学部とそして法科大学院とというふうにつながったときに、どの時期にどれぐらいの期間、司法試験の準備をするのかといったときに、結局、直前の期間、一年前後あたりは司法試験の準備に当てるというのが、司法試験に臨む受験生としての当然の心理になるのではないかという部分があるので、その部分以外の時期との関係はどうかと。
プロセスとしての養成の理念は理解をしてきているつもりなんですけれども、実態として、直前一年でやる準備を、じゃ学生はどこでやるのか、ここをどう考えているかというのを聞きたいんです。もう一回お願いします。
○柴山国務大臣
今の、例えば、わかりやすい例で申し上げますと、優秀な普通の大学の学部生が、ロースクールではなくて、かつて旧司法試験時代に大学四年生に在学中に司法試験に合格したという事例を考えていただければと思うんですけれども、大学三年の課程、つまり大学四年で受験をする場合には大学三年が直前一年間ということになると思うんですけれども、結局この大学三年次に、おっしゃる受験直前ということで一年間集中的に司法試験にもかかわる科目について勉強するということになることは間違いないと思います。
ロースクールが結局、制度化され、これが要するにいわゆる未修時の一年目ということに該当することになるのかなというように思いますので、まさしく法曹コースの三年目、要するに大学三年次に、未修一年目と、先ほど答弁させていただいたとおりパラレルな形で基本的な科目の修得というものができるようにしっかりと学んでいただくというふうに言えばわかりやすいのではないかなというふうに考えます。
○城井委員
今大臣の答弁にもありましたように、人によって臨む環境、状況、その手前までにどんな準備ができているかというのは違うというのは確かにそうなんだろうというふうに思いますが、それも踏まえて次の質問をと思います。
いわゆる3+2とともに在学中受験を同時にやる、この影響について確認をしてまいりたいと思います。
政府案で実現を目指す改革の方向性の決まり方について、まずは確認をしたいと思います。
参考人質疑、三澤参考人によりますと、この政府案については、開かれた議論が全くされていなかったという指摘がありました。
3+2に加えての在学中受験の制度は、司法制度改革審議会や中教審法科大学院等特別委員会等の審議会等で全く議論されていないとの指摘がありました。五年一貫の議論しかしていないという指摘でございました。
さらに、参考人質疑、須網参考人によりますと、在学中受験は突然出てきた、寝耳に水だ、こういう御意見でございました。
では、大臣、これは一体誰が決めたんでしょうか。
これは、あわせて法務副大臣にもお伺いしたいと思います。
○平口副大臣
現行の司法試験法では、司法試験を受験することができる者として、法科大学院を修了した者、予備試験に合格した者の二種類が司法試験受験資格として定められているところでございます。
連携法の改正により、法科大学院教育の充実が図られることに伴い、法科大学院在学中であっても、司法試験受験に相ふさわしい一定のレベルの者が養成されることを前提として、さらなる時間的、経済的負担の軽減を図るため、法科大学院課程の修了を待たずして、早期の司法試験受験を可能とする法科大学院在学中受験資格を新たな司法試験受験資格として認めるものでございます。
これによりまして、現行では法科大学院修了……
(城井委員「誰が決めたか聞いているんですが」と呼ぶ)失礼しました。
そのような取組に関連して、司法試験制度については、昨年七月の与党文科、法務合同部会において、法曹志望者の経済的、時間的負担のさらなる軽減を図るための方策として、法科大学院改革を前提として、法科大学院在学中受験の実現を含む司法試験制度の見直しを早期に行うべきとの指摘がされたところでございます。
法務省において、この点について、法科大学院在学中受験を認める必要性、合理性や、それを実現する場合の具体的制度のあり方等の観点から、法科大学院に関する集中改革の取組を進める文部科学省と連携しながら鋭意検討を行い、大学院在学中の受験の導入を含む今般の改正法案を立案したものでございます。
○城井委員
法務副大臣、今の答弁、確認をいたしますが、与党の文科、法務の合同部会で出てきて、文科省と相談して法務省が決めた、これでよろしいですか。
○平口副大臣
そのとおりでございます。
○城井委員
となると、今回のこの在学中受験の決まり方には疑念を持たざるを得ないと思います。
ここまで、この法科大学院、そして司法試験、司法修習と、法曹養成の改革については、現場や専門家の声もしっかり伺いながら、相当に詰めた深掘りの議論をしてきているはずであります。
私が先ほど申し上げました司法制度改革審議会や中教審の法科大学院等特別委員会などの審議会での議論をくぐっていない中身が、今回、政府案として提示をされているということになるわけですが、法務副大臣、この認識でよろしいでしょうか。
○平口副大臣
文部科学省と連携しながら鋭意検討を行ってきたところでございますが、その過程では、日本弁護士連合会や法科大学院協会からも意見、要望を聞きながら、文部科学省と連携して、改正法案の具体的な立案作業を進めてきたところでございます。
○城井委員
今私が確認したのは、政府における正式の審議会等の諮問機関などでの議論をきちんと経ましたかということを確認したわけです。
文部科学大臣、中教審もかかわっております。
中教審の関係の会議でかからずにここで出てきているというプロセス、疑義があると思いますが、文部科学省でも、そういう審議会などを経ずに、今回我々に、この政府案の中に在学中受験というものを提起しているという認識でよろしいんでしょうか。
○柴山国務大臣
今おっしゃるとおり、中央教育審議会法科大学院等特別委員会において、法学部三年と法科大学院二年のルート、3+2の制度化や、法科大学院教育の改革について議論が行われ、方向性が取りまとめられた段階では、在学中受験そのものについては議題に上がっておりません。
ただ、法科大学院教育改革の検討状況を踏まえて、今法務省から説明があったとおり、法科大学院在学中に受験を認める必要性や合理性、そしてそれを実現する場合の具体的制度のあり方等々のさまざまな観点を、問題提起をもらったということから、私ども文部科学省と法務省が連携をしつつ鋭意検討が行われ、決定がなされたものでありまして、この過程において、今お話があったとおり、法科大学院協会とか日弁連等々関係者の意見を聞きながら検討を行ったところでありまして、法科大学院協会としても、昨年九月に、大学院としての教育が維持されることを条件として御了承をいただいたというふうに認識をしております。
文部科学省としても、この在学中受験の導入は、法曹資格取得までの時間的、経済的負担の軽減に資すると考えており、かつてですと、大学四年の場合には四年生在学中の受験になりますが、さっき私が申し上げたとおり、3+2になりますと大学五年次の在学中受験ということになるわけですから、バランス的にも今回の改正案は支持できるというふうに考えています。
○城井委員
大臣、今申し上げているのは、内容がよいものになったかどうかの手前の話であります。
決まり方の問題であります。
行政府として、関係者に意見を聴取して最終的に決めるというプロセスはあるんでしょう。
ですけれども、この法曹養成に関しての仕組みの変更のところでは、政府としての正式な審議会を経て行政府での決定というのがプロセスじゃないんですか。
3+2のところは議論が通りました、でも、在学中受験の部分は通っていないというこのアンバランスな状況で、問題点も含めて課題も掘り下げをきちんとしてということが確信を持って言えるか。
この決まり方の正当性は疑義があるというふうに思いますが、この在学中受験の部分について、審議会での審議は不要だというふうにお考えなんでしょうか。
○平口副大臣
今般の在学中受験資格の導入については、近年、法曹志望者の激減が喫緊の課題となっており、法曹志望者数の回復に向けて迅速な対応の必要性が高かったことに加え、法務省といたしましては、文部科学省と連携して、法科大学院の集中改革期間の最終年である平成三十年度中に、文部科学省の進める法科大学院改革とあわせ、それを踏まえたパッケージの改革として、司法試験制度についても必要な見直しを行うことが必要だと判断したところでございます。
○城井委員
法務副大臣、そういたしましたら、急いでいるので審議会の議論は在学中受験についてはパスしましたというふうにおっしゃったというふうに聞こえるわけですが、今の認識でよろしいんでしょうか。
○平口副大臣
繰り返しになりますけれども、検討の過程では、文部科学省はもちろん、法科大学院協会や日弁連といった関係機関の意見を聴取し、その意見等を十分に踏まえた上で具体的な立案作業を行ってきたところでございます。
○城井委員
聞いていることをきちんと答えていただきたいと思います。
今確認しておりますのは、3+2の議論は、審議会も含めて、法務省側も文部科学省側も審議会をきちんと経て議論をやってきたという経緯じゃないですか。
でも、在学中受験の部分は、幾ら与党の側の提案だからといって、政府で決めるときに、では、その審議会をすっ飛ばして、行政が関係者の一部から話を聞いたからそれでもって変える、こんな軽い決め方でよろしいのかと聞いているわけです。
審議会をパスして、今回、在学中受験を出して問題ないということで、法務副大臣、お認めになるんですね。
○平口副大臣
法務省といたしましては、文部科学省の法科大学院改革に関する検討に最大限協力しつつ、在学中受験資格の導入を含む司法試験制度の見直しの検討を鋭意進めたところでありますが、時間的制約もあり、審議会等での議論を経ることなく立案作業を進めたものでございます。
○城井委員
今の御発言は相当に問題だと思いますよ。
時間的制約といっても、そのスケジュールを組むのは政府の側であります。審議会を経ずに出しても、時間的制約と政府が言えば構わないんだ、審議会など要らないんだ、通らなくていいんだ、副大臣、こういうことでしょうか。
今回の在学中受験の件は、審議会を通らずに出したけれども、全く問題がない、このまま進める、こういう御認識なんですね。副大臣、もう一回お願いします。
○平口副大臣
審議会等を経ないことにつきましては御指摘のような点もあろうかと思いますけれども、文部科学省など関係機関とも連携して速やかに検討して、会議体に関する具体的事項をしっかりと詰め、円滑な進行に努めてまいりたいと考えております。
○城井委員
副大臣、拙速に過ぎるということを申し上げざるを得ません。
政府が準備したスケジュール、そして審議会も含めて、政府での正式な手続はあるはずです。
今回のこの在学中受験の部分を審議会を経ずに出すということで決めていいというような認識であるのかということ、もう一回確認したいと思います。
ここで、もし時間的制約ですとかそういう政府の手前勝手なことでプロセスを曲げていい、決め方を曲げていいということならば、この国のルールは一体どうなってしまうのか。審議会の必要性がないということでよろしいんですか、副大臣。
審議会でもう一回この在学中受験についてきちんとお諮りをして、そして我々に示していただく、立法府に示していただくということをやっていただけますか、副大臣。
○平口副大臣
近年の法曹志望者数の回復ということは喫緊の課題でございますので、そのように御理解をいただきたいと思います。
○城井委員
全く理解ができません。
審議会を通らずに決めてきたものを立法府に示して。
立法府をばかにしているんですか。
このことを言わざるを得ませんよ。
文部科学大臣、文部科学省も同様の問題を抱えています。
この在学中受験の部分を含めた議論についてきちんと審議会で詰めていないと私は認識しておりますが、この在学中受験の部分を文部科学省に係る審議会でもきちんと議論をしてから立法府に政府案を提示すべきと考えますが、文部科学大臣、御認識はいかがですか。
○柴山国務大臣
先ほど来お話があったとおり、今の法曹希望者の急激な激減というのは、その対応が喫緊の課題であることから、法科大学院制度の集中的改革期間を平成三十年度まで、いわばさきの三月までにとにかく集中的に検討するということで審議会が開催されておりました。
おっしゃるとおり、その中で、3+2についての議論以外に、この在学中の受験の有無というのは確かに議題にはなっておりませんでしたけれども、それは私に言わせれば、それは漏れていた、だからこそ、与党の方々から指摘を受けて、それを改めてこの集中的改革期間にきちんと決着ができるように関係の各方面と調整をして議論をさせていただいたということから、それは、私は、代替的な措置としてやむを得ない運びではなかったのかなというように考えております。
○城井委員
在学中受験を認めるということが法曹になろうとする学生や受験生の生き方、人生にどれほど大きな影響を与えるかということを考えますと、時間もかけ、そして関係者を含めて議論を深掘りするというのは当然重要だ。
この内容自体が全くだめだと言っているわけじゃないんですよ。
与党の指摘があって、御意見を頂戴しました。
あると思います、政府と与党の議論のやりとりではあると思うんです。
ですけれども、そのいただいた御意見を受けとめるということと、実際に政府案へ反映させて、そして立法府へ提示をしていただく、この過程を経るときには、その時間の設定も含めて、政府案ですから、政府側に期間の設定の権利、権限はあるはずです。
集中期間が、もし最終盤に出てきた御意見で、もうちょっと検討期間が欲しいということならば、そのことを相談するというのがまず筋なんじゃないか。
そこを、漏れていました、やむを得なく代替措置というわけにはいかないんじゃないんですか。
この行政のプロセス、そして立法府に対しての政府案の提示の過程をここまで軽んじてしまうのはおかしい。
漏れていたならば、きちんと政府の中で所定の議論、手続を経て立法府へ出していただくべき、これが行政府と立法府の本来の形、あり方じゃないですか、大臣。
○柴山国務大臣
議論を整理させていただくと、まず、立法府を軽んじているということは全く、私はないと思います。
というのは、今申し上げているように、我々はこの間どういうことが起きたかということについては、真摯に行政府として説明をさせていただいております。このことも含めて、ぜひきょう御出席の委員の先生方にその妥当性というものを御判断をいただき、御審議をいただきたいというように考えております。立法府は決して軽視をさせていただいておりません。それがまず一点。
そして、行政の手続についてのことでありますけれども、我々としては、確かに順序の後先はあるかもしれませんけれども、今後、法務省において、文部科学省のほか、大学関係者や法曹実務家等を構成員とする会議体において必要な検討を行わせていただきたいというように思っております。
もちろん、中央教育審議会法科大学院等特別委員会においても、その検討状況をしっかりと注視しながら、法科大学院における具体的なカリキュラムなどについて具体の検討を詰めさせていただければというように考えております。
○城井委員
大臣、順番が違うということを申し上げております。
国会の仕事の一つは、行政の監視であります。
プロセスがちゃんと進んでいるか、審議会でどんなふうに諮ったのかな、そして与党とのやりとりはどうだっただろうか、その一つ一つを見ていくというのが我々の仕事じゃないですか。
それで照らしたときに、ここで問題にしておりますのは、今回の政府案を出していただく前に、在学中受験という極めて大きな議題について審議会をくぐらずに出したということ、それでいいんですかということを申し上げているわけであります。
そのことをお認めになるんですね。
これは問題ないということでよろしいんですか。
我々からは、審議会で改めて議論した上で、政府案をまとめ直して立法府に提示いただくというのが筋じゃないかと申し上げているんです。審議会での再議論、お願いできますか、大臣。
○柴山国務大臣
先ほど申し上げた今回のプロセスについては、率直に御説明をさせていただいたつもりであります。
プロセスとしては中教審でありますけれども、今回のこの問題については、我々はあくまでも、法曹養成、司法試験制度というものがどうあるべきかというのを、この今の非常に危機的な状況を踏まえて平成三十年度中にとにかくしっかりとした結論を出す、そして法案を提出させていただくということを一義的な目的としておりまして、そして、その中で具体的な、司法試験制度については、これは法務省の所管でありますので、今後法務省で今御指摘の部分についてはしっかりと検討をされるというように私は確信をしております。
○城井委員
大臣、プロセスの進み方の理解はここまでのやりとりで大分理解をできてきているというふうに思うんですが、急ぐという部分で、では、所定の手続を飛ばしてしまっていいんですね、そんな物の決め方をするんですね、そういう政府なんですねということになってしまう。
文部科学省だけではありません。法務省も同様だと。先ほどまだお答えをいただいていません。
審議会を飛ばしたままで今回の在学中受験を、司法試験に関して、認めてよい、審議会の議論をくぐらずに政府案として我々に示して決めてよい、こういう認識でよろしいですね、副大臣。
○平口副大臣
これまでの必要な議論は行ってきたと認識しております。そして、
委員御指摘の点を踏まえて、制度の円滑な実施に向けては、文部科学省など関係機関と十分連携し、しっかり検討してまいりたいと思っております。
(城井委員「時計とめてください。速記とめてください」と呼ぶ)
○亀岡委員長
平口法務副大臣。
○平口副大臣
今後、必要な会議を継続してやってまいりたいと考えております。
○城井委員
副大臣、今回の政府案の提示に関して、手続が欠けています、手続に瑕疵があると申し上げているんです。
今回議論している政府案に必要な手続がとられていない部分があるということを申し上げているんです。
この部分をきちんと正して、我々に改めて政府案を出していただけますねということを申し上げているんです。
この一点、お答えください。
○平口副大臣
法曹教育について緊急な事態が予想されましたので、このようなこととしたものでございます。
○城井委員
緊急だ、急ぐというお話を先ほどからおっしゃっておられますけれども、急ぐにしても確認すべき中身がある、急ぐなりにきちんと準備をして持ってきていただけるものだと思って我々は受けとめて、こうやって今回、特に連合審査も必要だ、質疑の時間も十分に、申し上げながらやっているわけであります。
ところが、先ほどより法務副大臣は、手続をすっ飛ばしても急ぐから認めてくれ、こう言っているのと同じです。
審議会を通らずに今回の政府案を押し切る、そういう認識でよろしいんですか、副大臣。審議会を経て、もう一回、政府案を出し直していただくということ、確約いただけますか。副大臣に言っています。
○平口副大臣
緊急性ということで御理解をいただきたいと思います。
○城井委員
緊急性という言葉で、行政のプロセスや立法府に対しての信義を曲げてもいい、そういうことですね、副大臣。
曲げるということですね。
お答えください、副大臣。
○平口副大臣
審議会の議論も重要でございますけれども、他方、今回の検討の過程では、文部科学省はもちろん、法科大学院協会や、弁護士、日弁連といった関係機関の意見を聴取し、その意見を十分に踏まえた上で作業を行ってきたところでございます。
その点を御理解いただきたいと思います。
○城井委員
法務副大臣、そういたしましたら、今回のケースですと、日弁連や法科大学院協会などに話を聞けば、審議会は重要であるが要らないと言っているのと同じですよ。
要らないんですね。
お答えください、副大臣。
○平口副大臣
審議会の議論というのは必要不可欠なものでは必ずしもございませんので、今回はこのような手続をとらせていただいたということでございます。
○城井委員
審議会、要らないんですね。
議論、要らないんですね、副大臣。
そんないいかげんな物の決め方で立法府に対して案を示すんですね。
国民に対して示すんですね。
文部科学大臣、文部科学省で例えるならば、中教審の議論をすっ飛ばして、急ぐときは文部科学省が決めていいと法務省が言っています。
文部科学省も同じ見解ですか。
○柴山国務大臣
諮問機関として大切な議論をしてくださるということは、私も委員と思いは同じであります。
ただ、総合的に判断をして、結局、今回の法科大学院の教育改革の検討状況ですとか、あるいは緊急の提言を平成三十年度中に行うという状況、それらを総合的に勘案し、その上で必要なプロセスについてこういう形で代替をさせていただいて、その上で立法府に判断をお示しをし、そしてさらに、今後、法務省と文部科学省、そして大学関係者や法曹実務家を構成員とする会議体において必要な検討を行い、また、中央教育審議会法科大学院等特別委員会等においてもそうした検討状況をごらんいただき、法科大学院におけるカリキュラムについて具体的な検討をしていただくということについて、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○城井委員
大臣、私から聞いていますのは、まさかあの文部科学大臣が中教審の議論をくぐらなくても決めていいとおっしゃらないと思うので、その一点を確認をしているんです。その点を確認させてください。
○柴山国務大臣
本来しっかりと検討すべきなのに、頭からそれをすっ飛ばしていいなどとは私は全く考えておりませんので、中教審が大切な諮問機関であり、そして、そのプロセスを経た上で行政府として判断をし、そして立法府にお示しをする、これが通常のプロセスであるということは、ぜひ、私も認識は全く同じですので、そのことは御理解をいただきたいと思います。
ただ、今回は、今私が申し上げているように、総合的な状況について、我々としてベストを尽くした上で立法府に御判断をいただき、そして、今おっしゃったさらなる審議会で、必要な部分というのを、そのお示しをいただいた御判断をもとに再度詰めさせていただくということをぜひお許しをいただきたいというように思います。
○城井委員
在学中受験というのは、それほどに軽い中身なんでしょうか。
審議会を含めてきちんとくぐるだけの大きな中身じゃないでしょうか。
3+2の部分も、そういう意味では重みが大きいので、これまでの慎重に慎重にくぐってきた経緯は理解ができると思っているんです。
なのに、在学中受験のこの中身の重さを考えたときに、みずから設定した日程締切りでもって急ぐのでというのでは、じゃ、審議会は要らないというのと同じということになってしまうんですよね。
今回のこの在学中受験という、法曹を目指す受験生にとって人生を大きく揺るがすような中身を、審議会でもう一回諮って出すべきじゃないんでしょうか。
そこを、総合的にといっても、その総合的な中で、在学中受験を選ぶかどうかという人たちにとって、政府での検討は、行政で一部行うだけだ、審議会を通っていないというような中身で責任を持って出せますか。
今回の在学中受験、もう一回、審議会を含めてくぐった上で政府案を出し直してくれませんか、大臣。
○柴山国務大臣
おっしゃるとおり、在学中受験を認めるかどうかというのは学生にとって大変大きい事柄であるというのは、おっしゃるとおりだと思います。
ただ……(発言する者あり)そう、今ちょっと待ってくださいね、初鹿さん。
まず、在学中受験を認めるということは、学生にとってのオプションをふやすということです。ですので、そのこと自体が、オプションをふやすということ自体が学生にとって不利益になるわけではない。
ただ、今おっしゃったように、それがカリキュラムに影響するというのは、それは事実であります。
だからこそ、そのカリキュラムにどういう影響を及ぼし、ではカリキュラムをどうしたらいいかということも含めて、我々は、例えば日弁連とか法科大学院の皆様に御意見をお伺いして御理解をいただき、今こういう形でお示しをしているとともに、今後、今おっしゃったことも含めて、きちんとしたプロセスでもう一度詰めさせていただきたいというように考えています。
○城井委員
中教審の関係の部会と、日弁連や法科大学協会の人のお話を聞くというのは、必ずしも全てが重なるわけではないというのは、大臣、当然御承知の上でおっしゃっているというふうに思います。
審議会にかわる代替的な措置として、行政としても、手続プロセスに問題はない、瑕疵はないということを本当に言い切れますか。
今回の件、審議会を抜きに決めてしまう、政府案として我々に示して、そして議論をするということで、これでよろしいんですか、本当に。
○柴山国務大臣
先ほど法務省からも答弁があったとおり、中教審の法科大学院等特別委員会、大事なプロセスだと思います。
大事なプロセスだと思いますけれども、この在学中受験そのものについて議題に上がっていなかったということが、必ずしも必須の、法案提出のための、では要件と言えるかというと、さまざまな、総合的に……(発言する者あり)
○亀岡委員長
不規則発言はお慎みください。
○柴山国務大臣
総合的に判断をさせていただき、我々として、喫緊の課題である法科大学院改革集中的検討期間の平成三十年度の中に国会にお示しをするのに必要な手続を経たというように我々としては判断をしているということで御理解をいただきたいと思います。
○城井委員
大臣、在学中受験の件は、つけ加えで、プラスアルファでつけてくるような、そんな軽い中身じゃないですよ。
今、大臣御みずからもカリキュラムに影響というお話をおっしゃいましたけれども、私もこの後伺おうと思っていたのは、この在学中受験は、カリキュラムに、法曹に必要な部分と必要でない部分と出てくるような線を引いてしまう形になりませんか。
だって、出口となる司法試験を受ける時期が違うんですから。
どの時期に司法試験に間に合うような勉強をするかといったときに、では在学中受験以降のものは要らないんだねということになってしまいかねないという懸念の声がもう既に現場にはあるわけであります。受験生の特性というものは、そういうことなんじゃないか。
つまり、在学中受験を認めるというのは、法曹養成プロセスの前提そのものを変えてしまう、それぐらいの大きなインパクトがあるものだからこそ、その決め方、手続でちゃんと審議会を含めてくぐってきていますよね、関係者は、寝耳に水だと言っている。
だから、こうして申し上げているんです。
これだけの大きなインパクトがあるというのはお認めになりますね、大臣。
○柴山国務大臣
先ほどからの答弁でも、決して、在学中受験を認めるということが簡単な内容、軽い内容ということで言っているわけではない。
私もさっき申し上げていますけれども、学生にとってそれを認めるか認めないかは非常に大きな問題である
。ただ、その在学中受験というオプションを追加することは、それは学生にとって必ずしも不利になるものではない。
ただ、今お示しになったように、それがカリキュラムに影響するというのは、それはおっしゃるとおりです。
そして、ただ、申し上げたいことは、司法試験に合格した後、さまざまないわゆる派生的な、例えば知的財産権法ですとかあるいは国際公法ですとか、司法試験の選択科目以外の、要するに受験科目ではないとても重要な法領域を司法試験受験後に学ぶことが想定され、そして、それを履修して修了したことが要するに司法試験合格の要件になっているわけですから、そういうことも含めて、今回、判断をさせていただいたということです。
○城井委員
在学中受験そのものの影響と、今おっしゃったように、その後の学びの多様性の分の議論はまた別な話だと思います。
今申していたのは、大臣もオプションだというふうにおっしゃっている、つまり、影響する人数が少ないから、選ぶ人の人数が少ないから、これぐらいはという感じで、もしかして受けとめているんじゃないですか。
実際に、法科大学院に向き合ったときに、今申したカリキュラムの大きな影響があるというところだけでも十分、オプションとして横に置くようなことではなくて、法曹養成の中でも大きな位置を占める制度の変更だというふうに思うからこそ、こうして申し上げているわけであります。
この制度の前提そのものが変わってしまうという点についてはお認めいただけますね。
○柴山国務大臣
先ほど来申し上げているとおり、在学中受験について、これが学生にとって影響が大きいということそのものは、再三答弁をさせていただいております。
それとあと、法律のたてつけから申し上げますと、司法試験の受験資格を有する者というのは、今回の法改正のうち司法試験法及び裁判所法の一部改正という形になりまして、これはまさに法務省において検討する問題で、在学中受験が仮になされるとしても、これは四年後からというのが今回の法のたてつけであります。
ですので、その間、先ほど来申し上げているとおり、丁寧なプロセスを経て、ではそれに対応するカリキュラムをどうするかということについては検討をぜひさせていただければというように考えております。
○城井委員
時間がなくなりましたので発言でとどめさせていただきますが、審議会をくぐらない内容で、しかも制度の根幹の前提にかかわるような仕組みを持ち込もうとしているということ、そして、審議会は必要でない、くぐらずともいいんだ、理解してくれというふうに押しつける先ほどからの答弁は本当におかしい。立法府に対して出す政府案として我々はないがしろにされたというふうに受けとめております。
きょうは、二十二問準備しておりましたが、三問しかできませんでした。しかも、最後、文部科学大臣がくしくもおっしゃいましたように、法務省、法務大臣が所管する部分が相当なところを占めております。法務副大臣からも、ついぞ、審議会をやはりもう一度くぐってから出し直しますという言葉はいただけませんでした。連合審査を含めて、法務委員会とも連携しながら、そうした政府案に欠落している部分をきちんと我々からもただしていくということ、ぜひやらせていただきたいということ、委員長に改めて、連合審査の申入れを理事会で協議をいただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。
衆議院議員 きいたかし 福岡10区