森林環境税の多重の税負担の可能性に関する質問主意書 衆議院議員 きいたかし 福岡10区 (北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

 

 

平成三十年二月一日提出
質問第四二号

森林環境税の多重の税負担の可能性に関する質問主意書

 

提出者  城井 崇

 

森林環境税の多重の税負担の可能性に関する質問主意書

平成三十年度税制改正で導入が決定した森林環境税について以下質問する。

 

一 政府は森林環境税と同様に森林環境の保全や整備を目的とする税金をすでに独自導入している都道府県及び市町村を把握しているか。

 

二 導入済みで同趣旨の都道府県及び市町村独自の税金とこの度の森林環境税が同時に課税されれば納税者にとって二重三重の税負担となりかねない。使いみちの重なるこれらの既存の税金とこの度の森林環境税との調整は具体的にどのように行うのか。

 

三 森林環境税は具体的にどのような項目に使えるか。具体的な使いみちを示されたい。またムダづかいを防ぐ観点から同税の使いみちが際限なく広がっていかぬようにすべきと考えるが、森林環境税の使途の限定について政府の見解を示されたい。

 

右質問する。

 


平成三十年二月九日受領
答弁第四二号

内閣衆質一九六第四二号
平成三十年二月九日

内閣総理大臣 安倍晋三

衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員城井崇君提出森林環境税の多重の税負担の可能性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

 

 

衆議院議員城井崇君提出森林環境税の多重の税負担の可能性に関する質問に対する答弁書

 

一について

総務省の調査によると、平成二十九年四月一日現在で、三十七府県及び一市において、森林の有する公益的機能の維持増進等を目的として、道府県民税又は市町村民税において、標準税率を超える税率による課税(以下「超過課税」という。)が行われている。

 

二について

超過課税は、地方団体が財政上その他の必要があると認める場合に行うものであるが、「平成三十年度税制改正の大綱」(平成二十九年十二月二十二日閣議決定。以下「大綱」という。)において、「次期通常国会における森林関連法令の見直しを踏まえ、平成三十一年度税制改正において、・・・森林環境税(仮称)及び森林環境譲与税(仮称)を創設する」、「森林環境譲与税(仮称)は、平成三十一年度から譲与する」、「森林環境税(仮称)は、平成三十六年度から課税する」としているところであり、森林の有する公益的機能の維持増進等を目的として行う超過課税については、当該超過課税を行っている地方団体において、必要に応じて、財政上その他の必要があると認める場合に該当するか否かについて検討されるものと考えている。

 

三について

森林環境譲与税(仮称)については、大綱において、「市町村は、・・・間伐や人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備及びその促進に関する費用に充てなければならないこととする」、「都道府県は、・・・森林整備を実施する市町村の支援等に関する費用に充てなければならないこととする」としているところであり、平成三十一年度税制改正に係る法律案において、森林環境譲与税(仮称)の使途を定めることを検討している。

衆議院議員 きいたかし 福岡10区