教育現場への不当介入問題について 衆議院議員 きいたかし 福岡10区 (北九州市門司区・小倉北区・小倉南区)

 

2018年4月4日 衆議院文部科学委員会

 

○冨岡委員長

次に、城井崇君。

 

○城井委員

希望の党の城井崇でございます。

本日の教育現場の不当介入問題での集中的一般質疑ということで、事実確認と政治家のかかわり、そして名古屋市の対応、反応というところを中心に質問を申し上げたいというふうに思いますので、大臣、どうぞよろしくお願いをいたします。

まず、ここまでの質疑で明らかになっていない点からお伺いを申し上げたいと思います。

どうして、この問題発生当初に文部科学省が政治家のかかわりを隠したのかという問題です。

文部科学省が名古屋市教育委員会に調査をする前の段階で、複数回にわたって、自民党議員の情報照会及びそれに伴う調査内容の修正というものがあったわけであります。

このことは、これまでにも明らかになってきたところでありました。

しかし、この政治家の関与が報道で出てくる、示される、その前の段階で、野党におきましては六党での合同のヒアリングを行ってきた。

特に、三月の十六日もそうでございましたけれども、この野党の合同ヒアリングの段階でもかなり丁寧に、政治家のかかわりはございますか、官邸の関与はどうですか、公安はどうでしたか、国会議員はどうですかということを、各野党からも随分と丁寧に確認をし、お聞きをしてきたところでございました。

そのヒアリングの後にも、私を含めて野党議員からの情報照会のときにも、この政治家の関与はわかっていたはずであります。

マスコミの取材にも幾度にもわたって答えてこなかったというのが実際でございました。大変残念なことであります。

文部科学省は、どうしてこの政治家のかかわりを隠したんでしょうか。これまでの公式の答弁ですと、調査内容に影響はない、こういう御答弁でありましたけれども、影響はあったというのが私どもの立場でありますが、仮に影響はないという説明をするとしたならば、事実関係の説明でありますから、きちんとお示しをいただき、答えていただけるはずだ、答えられたはずだ、このように考えます。

この政治家のかかわりを隠し続けた理由について、まずお示しいただきたいと思います。

 

○髙橋政府参考人

お答え申し上げます。

今回のケースにおいて、名古屋市教育委員会に事実確認を行う必要があると判断したのはあくまで文部科学省初等中等教育局であり、外部からの問合せ等はこれに影響するものではなかったことから、この問題が報道された当初においては、初等中等教育局として、その点に関する情報提供は控えるとの判断をいたしたものでございます。

 

○城井委員

局長、質問にお答えいただきたいと思います。

政治家のかかわりをなぜ隠したのか、この点、お答えください。

もう一回お願いします。

 

○髙橋政府参考人

文部科学省が種々の必要に応じて外部からの問合せを契機に調査を実施することはあり得るものであり、その契機が保護者からの問合せであったり報道等であったりする場合があると同様に、国会議員の問合せを契機とする場合もございます。

しかしながら、外部からの問合せが契機であっても、実際に調査をするかどうかは文科省の主体的な判断によるため、問合せが誰からあったかについては基本的に調査そのものと関係がないことから、その情報提供については、国会議員に限らず、抑制的に取り扱っているところでございます。

今回のケースにおいて、名古屋市教育委員会に事実確認を行う必要があると判断したのはあくまでも初中局であり、外部からの問合せ等はこれに影響するものではなかったことから、この問題が報道された当初においては、私の判断として、その点に関する情報提供は控えるとしたものでございます。

 

○城井委員

局長、行政監視が仕事の一つの国会に対して、そしてマスコミを通じて国民に対してその物言いで通ずるかということは、もう一回考えてほしいと思います。

行政監視が仕事の国会にその事実を伏せて出すということで、行政からの説明責任を果たしたとお思いですか。

そもそもが、この事実を隠すというのを決めたのは誰ですか。

 

○髙橋政府参考人

先ほど申し上げましたように、直接影響するものではないということから、控えるという判断をしたのは私、初等中等教育局長でございます。

 

○城井委員

局長が隠せということで決めたと。審議官や担当課長が野党の合同ヒアリングに来て説明をするときに答えなかったわけですけれども、そこも局長の指示で答えさせなかったということでよろしいですね。

 

○髙橋政府参考人

報道の当初の時点におきましては、外部からの問合せ等はこれに影響するものではなかったことから、どなたからの問合せかについては差し控えるという判断は私がいたしましたので、審議官や課長がそのような答弁をしたのは私の指示によるものでございます。

 

○城井委員

その局長が決定するまでの間に、政務三役や与党からの指示や相談はありましたか。

 

○髙橋政府参考人

私が決定をするに当たっては、与党なり三役からの指示はございませんでした。

 

○城井委員

局長の決定ということで確認をさせていただきましたが、大臣、今回の件は極めて深刻だと思っています。

どういうことかと申しますと、調査内容そのものに影響を与えた、そのきっかけともなった自民党議員の関与を、当初、国民にもマスコミにも、そして国会にも隠し続けたというのは極めて問題だというふうに思うんです。

国民への説明責任を果たせていないということ、そして、国会の行政監視機能をないがしろにされたと言っていい事態だというふうに思っています。影響ないなら、事実は事実としてきちんと示すというのが筋だというふうに考えます。

その国会の機能も考えますと、局長の責任は重大だと。

大臣から注意ということでございましたけれども、この国会の行政監視機能をないがしろにしたことを考えますと、注意では済まないというふうに思いますけれども、大臣、この点、いかがでしょうか。

 

○林国務大臣

今、局長から答弁がございましたように、一般的に、外部からの問合せ等は、端緒としてはなったということであろうと思いますが、判断については影響することではなかったということで、今局長から答弁いたしましたように、情報提供は控えるという判断をした。

そのときに、私からは、問合せについての事実関係が十分整理していないようなので、いつ、どのように、誰から問合せがあったのかについて速やかに事実関係を整理するという指示をしておりまして、その後、事実関係の報告を受けまして、私から三月二十日の火曜日に説明をした、こういう経緯でございます。

 

○城井委員

大臣、これは注意では済まないということは、これからの質問でも、また別口の観点からも申し上げたいと思いますけれども、これは深刻に受けとめていただいて、処分については再検討いただきたいと思いますが、続いての質問を申し上げたいと思います。

この文部科学委員会の三月三十日の質疑でもございましたし、また、野党の合同ヒアリングの折にもございましたけれども、文部科学省から、この間の調査の法的根拠として示された地教行法に基づく調査の事例として示した過去三回の調査の内容が、事例については示されましたけれども、調査の内容の具体的な部分が我々に示されておりません。

実際に教育現場等に向けてメールなどで具体的な質問を投げかけたか、その内容がどうだったかということ、その三つの事例それぞれに具体的にお示ししていただきたいと思います。

 

○髙橋政府参考人

お答え申し上げます。

お尋ねの具体的な事例については、これまで三件の事例を既に御答弁申し上げているところですが、一件目については、平成二十八年十月に、高校の数学の学習評価が不適切に行われているとの匿名の保護者の方からの情報提供を受け、これまでの経緯や今後の対応等について確認をした事例です。

これにつきましては、匿名の情報提供についての事実確認を行うため、初等中等教育局から教育委員会に対して複数回確認を行いましたが、この教育委員会のやりとりについてはどのような方法を用いていたのかについては、現在確認を進めているところでございます。

二件目は、平成二十九年二月に、高校の特別活動の授業で使用した教材の内容に偏りがある旨の報道機関からの情報提供を受け、教材の内容等について確認した事例でございます。

これにつきましては、初等中等教育局から教育委員会に対して電話にて事実関係の問合せを行い、教育委員会からはメールで資料の提供を受けております。

三件目は、平成二十九年五月に、中学校の理科の実験中に複数の生徒が体調不良を訴えて病院に搬送された旨の報道を受け、授業の内容や生徒の状況、学校の対応等について確認をした事例でございます。

これについては、授業の内容、生徒の状況や学校の対応等について確認するため、初等中等教育局から教育委員会に対して電話とメールによりまして問合せを行い、教育委員会からはメールで情報提供を受けている、このような状況でございます。

 

○城井委員

確認中の分については後ほど御報告いただきたいと思います。

続いて、せんだっての私の質疑でも取り上げさせていただきましたメールの送信について、細かい確認をと思います。

二〇一八年三月一日の十七時台に、二度の、文部科学省の課長補佐から名古屋市の教育委員会へのメール送信がございました。この至る経緯の詳細について確認をいたしたいと思います。

一度目の池田議員へのメールの後、約四十分後に二通目のメールが送られております。

余りにも短い期間、時間帯であります。この短い時間の間で、文部科学省内でどのような作業や確認、そして承認があって二通目に至ったのか。

調査内容の修正にかかわる大きな部分であるというふうに思いますけれども、短時間でこれは可能かどうかということ、誰が最終確認したのかを含めて、状況を教えてください。

 

○髙橋政府参考人

お答え申し上げます。まず、一通目のメールにつきましては、三月一日の午後、教育課程課の職員が、まず質問状を紙で事務所にお届けして、その際、事務所の方から、後でよいので電子媒体でも送ってほしい旨の依頼があったことを踏まえて、十七時四分ごろにメールでも送付をしたものでございます。

そして、多分時間的には十六時半から十七時の間ぐらいだったと記憶しておりますが、議員会館を訪れた私に対して、池田議員より二点コメントがあり、その内容について私から電話で担当課に連絡をして、私の判断で修正を指示をいたしました。

したがいまして、修正自体はそれほど大幅なものではございませんでしたので、その修正を受けて課長が確認したものを二通目のメールとして担当課から十七時四十四分ごろに池田議員事務所にまたメールで送った、そのような経緯でございます。

なお、この修正は、池田議員から二点コメントはございましたが、あくまでも私の判断で最終的に修正を判断したものでございます。

 

○城井委員

メールにはそのようには書いておりませんでしたので、その点は改めて指摘を申し上げたいというふうに思います。

続いて、名古屋市教育委員会の調査についてお伺いします。

調査の中で、再質問を文書にてお送りをしておりますが、この理由は何か、そして誰が決めたのか、この点をお示しください。

 

○髙橋政府参考人

お答え申し上げます。本件は、初等中等教育局において、新聞報道の内容を確認した結果、調査の必要性があると判断し、今回の授業の趣旨や前川氏を招いた理由や経緯、授業の狙いの内容などの事実関係について、私が最終的に判断した上で質問を行ったものでございます。

そして、この質問に対する回答を踏まえて改めて質問を行ったことは、十分に確認できなかった事項について事実関係を確認するためのものであり、これも最終的には私の方で判断をして行ったものでございます。

 

○城井委員

その再質問で確認をしたかった内容を、具体的に教えてください。

 

○髙橋政府参考人

一度目の質問で必ずしも十分でなかった前川氏を招いた理由や経緯でありますとか、その他関連の事項について再質問をさせていただいております。

 

○城井委員

続いて、池田議員の要求に従って修正した内容について何点か確認をしていきたいというふうに思います。

先ほど山花議員さんの質問の中でもございました謝金についての部分であります。

この謝金の確認の意図は何か、そして、その謝金の手続まで踏み込んで質問をしているのはなぜか、この点についていま一度お答えください。

 

○髙橋政府参考人

まず、謝金関係の質問をした趣旨でございますが、二月十九日に名古屋市教育委員会から提供のあった資料において、本授業を名古屋市教育委員会が経費を支援する事業で行っていたという事実が明らかになったものの、必ずしも当該事業から前川氏の謝金が支出されたかどうかは明確でなかったため、その確認を行ったものでございます。

教育委員会の事業の中から経費が支出されたということが明確に確認できれば、その事業の趣旨に基づいて行われた授業であったということが明らかになると考えたものでございます。

それから、三月一日に池田衆議院議員事務所に情報提供を行いましたが、その後、私に対して池田議員より、交通費や謝金の支出について、出どころを聞いているのに金額がないのはなぜですかねというような趣旨のコメントがございました。

このコメントをいただいて、改めて文科省としては、事実関係をより正確かつ詳細に把握する必要があると判断して、この問題、この点を追記したのでございます。

しかしながら、池田議員からのコメントは、修正を指示するようなものではなく、あくまでこれらを参考に文科省の主体的な判断で修正を行ったものでございます。

 

○城井委員

今回のこの謝金の一件で、名古屋市長は記者会見で、前川さんには五万円払われていて、市長は教育の予算調製権を持っていると発言されておりまして、この今回の謝金は名古屋市の支出の範囲内であるということが明らかであります。

また、角度を変えますと、名古屋市の税金の使い道の問題は、名古屋市議会や市民の監視の範囲内である。

そういたしますと、文部科学省が口を出すのは明らかな越権行為だというふうに考えます。

先ほど、名古屋市長は怒っているという感情的な話がありましたが、感情の話はこの際横に置かせていただいて、名古屋市における支出に関しての権限の確認として、ここは権限を越えているぞというふうに考えますけれども、大臣、この点いかがでしょうか。

 

○林国務大臣

本件につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第四十八条に基づく指導、助言又は援助を行うかどうかを判断するために、同法第五十三条に基づいて調査を行ったということでございますので、具体的には、本件の謝金等が名古屋市教育委員会の事業として支出されたものかどうかも含めて、あくまでも事実関係について内容を確認したということでございまして、確認した内容に対して何らかの対応を求めたりしたものではないということだということで、そういう御指摘は当たらないのではないかというふうに考えております。

 

○城井委員

そこは、大臣、認識が違うと思います。

後ほどこの点についてはただしたいというふうに思いますが、もう一点、池田議員の要求に従って修正した内容、動員の部分についてお伺いしたいと思います。

わざわざ動員という二文字を加えることになった、なぜ質問変更したのかという点について、局長、お答えください。

 

○髙橋政府参考人

池田議員より、授業に参加した保護者の数に関して、二百人と書いてあるけれども、動員とかなかったんですかねといった趣旨のコメントがございました。このコメントをいただいて、そのような見方もあるのかということを気づいた上で、事実関係を多角的に確認する観点から追記をしたものでございます。

先ほども申し上げましたが、池田議員からのコメントは修正を指示するようなものではなくて、あくまで文科省の主体的な判断で修正を行ったものでございます。

 

○城井委員

一回目の調査の質問で内容を確認できたのではないでしょうか。

なぜ再質問までしたんですか。

 

○髙橋政府参考人

二回目の再質問では、動員についての再質問ではありませんが、名古屋市教育委員会より、保護者が約三十人、住民が約百人、教育に関心のある方が約四十人、いわば大人が約二百名参加したという回答がありましたので、そういった幅広い参加があったことから、その周知について、より詳細な経緯を確認するために行ったものでございます。

 

○城井委員

文部科学省は、学校や市の教育委員会がいわゆる動員をする力があるというふうに考えての質問だったんでしょうか。

 

○髙橋政府参考人

お答え申し上げます。

この調査はあくまでも本事案の客観的状況を確認するために行ったものでございまして、学校や教育委員会が動員する力があるかないかといった点について、文科省として特段の考えがあったわけではございません。

 

○城井委員

客観状況の確認でしたら、まず一番最初に確認をすべきことがあるというふうに思いますし、その確認すべき内容は何かということを申し上げますと、それは、そもそもが、調査に入る前に、名古屋市教育委員会に、講師の前川氏について事前了解をしているか、実際にしていたわけでありますけれども、この点について確認をすべきだというふうに思うわけですが、講師の前川氏について事前了解を名古屋市の教育委員会がしていたという点については確認をされましたか。

 

○髙橋政府参考人

お答え申し上げます。

二月の十五日に、まず電話によりまして初中局から名古屋市教育委員会に対して、前川氏の講演の内容や対象学年、総合的な学習の時間の年間指導計画の位置づけ等について電話での確認を行っております。

その際、名古屋市教育委員会において前次官が管下の中学校の授業において講演を行うことについて事前に把握していたかどうかについてもお尋ねし、名古屋市教育委員会からは、事前に把握していたとの回答をいただいております。

 

○城井委員

その事前の把握は、市教育委員会が了解していたという認識でよろしいですか。

 

○髙橋政府参考人

そのように認識をしております。

 

○城井委員

三月十九日の名古屋市長の会見での、名古屋市長からの見解について、次にお伺いしたいと思います。

特に、今回の調査に関して、国が教育への関与と捉えるかというふうに記者から問われました。

この質問に対し名古屋市長は、はっきり価値判断を示しているし、圧力を超えているんじゃないの、一つの価値判断を示したことだと思う、そう受けとめますと答えております。

四月二日の名古屋市長の記者会見でも、道徳にまつわる一定の価値観を示されたと思いますので、お上がと発言されております。きのう四月三日のぶら下がり記者会見では、思想統制につながっていくとの受けとめも市長から示されております。

これらの一連の市長からの御発言を見ますと、受けとめる側が圧力を超えるともおっしゃっておりまして、これは大変重たい認識だというふうに思うんです。大臣、この点、いかがでしょうか。

 

○林国務大臣

まず、一般論として、文部科学省が必要に応じて教育委員会等に対して問合せや事実関係の確認等を行うことは通常のことであるというふうに考えております。

本件については、担当の初等中等教育局において、新聞報道の内容を確認した結果、調査の必要性があると判断して、事実関係を把握するために行ったものでございます。

ただ、このような事実関係の確認を行うに当たっては、教育現場において誤解が生じないよう十分に留意すべきことは当然であって、そのような観点から、今回の書面についてはやや誤解を招きかねない面もあったと考えられるために、今回確認を行った担当の初等中等教育局に対しては、こういう事実確認を行う際には表現ぶり等について十分に留意する必要がある旨を注意したところでありまして、また、このことにつきましては、先日、長島委員からの御指摘も受けて、四月一日月曜日、名古屋教育委員会に対して、質問に対する回答の中で、私からこういう注意があったということも伝えさせていただいたところでございます。

こうした今回の事案の経緯も踏まえて、今後、省内の報告、連絡、相談をより密なものとするとともに、教育現場等に対して、より一層丁寧な対応を行うように努めてまいりたいと思っております。

 

○城井委員

今、大臣からもございましたけれども、文部科学省初中局長名で名古屋市教育委員会へお送りしたメールがあったということは、私も伺っております。

その上で、三月三十日付で、メールにて名古屋市教育委員会から調査の趣旨を問う質問状が文部科学省に送られているということを名古屋市長が四月二日の記者会見で明らかにしております。

その後、四月の二日に初中局長名でメールにて回答を送ったとの報道に接しております。

この名古屋市教育委員会側からの質問と回答について具体的にお示しください。

 

○髙橋政府参考人

お答え申し上げます。

委員御指摘のように、去る三月三十日に、名古屋市教育委員会教育長から初等中等教育局長に対してお問合せをいただいたものと承知しております。

そのお問合せの具体的な内容は大きく二点でございますが、一つは、二月十六日に行われた前文部科学事務次官による授業について、二月十九日以降、数回にわたって問合せを行った意図は何であるのか、二点目は、文科省として、今回の授業についてどのような考えを持っているのか、こういった点でございました。

このお問合せに対しまして、月曜日に、初等中等教育局長から名古屋市教育委員会教育長に対して文書にて回答を行いました。具体的には、今回の調査は、名古屋市立中学校で授業を行った前文部科学次官が、いわゆる天下り問題等にかかわって、単に監督責任だけでなく、本人自身の違法行為により停職相当とされた方であり、こうした背景も踏まえ、授業の狙いや内容、前文部科学事務次官を招いた理由や経緯など、今回の件が適切な教育的配慮のもとで行われたものであったか等について確認する必要があると考えて行ったものであること、それから、二点目としましては、名古屋市教育委員会を通じて確認できている情報によれば、今回の名古屋市立中学校で行われた総合的な学習の時間が何らかの法令に違反するというような事実は承知していないこと、一方で、今回、学校が外部講師として招いた前文部科学事務次官は、いわゆる天下り問題等にかかわって、単に監督責任だけでなく、本人自身の違法行為により停職相当とされた方であるという事実関係を十分に調べることなく学校の授業の講師として招いたことについては、必ずしも適切であったとは言えず、もう少し慎重な検討が必要でなかったかと考えていること、こういった内容について回答いたしたものでございます。

また、今回の調査は法令に基づき行ったものですが、その書面についてはやや誤解を招きかねない面もあったとして、文部科学大臣から初等中等教育局長に対し、このような事実確認を行う際には表現ぶり等について十分に留意する必要がある旨の注意があったことについても、あわせてお知らせをしております。

回答においても触れているところでございますが、今後、文科省としては、今回の事案を踏まえ、教育現場に対し、より一層丁寧な対応に努めてまいりたいと考えております。

 

○城井委員

大臣、名古屋市長がたびたび記者会見での発言でおっしゃっておりますが、今回の件はやり過ぎだったということを言っていただけると期待しているというふうな発言がありました。

やり過ぎた部分があったということをこの場でお認めいただけないでしょうか。

 

○林国務大臣

重ね重ねの答弁になってしまうかもしれませんが、調査自体は法令に基づいてやったことであったということは再々申し上げてきたとおりでございますが、表現ぶりについてはやや誤解を招きかねない部分があったという注意をしたということは、この間答弁申し上げたとおりでございますし、城井先生からこの間確認をいただいて、あらかじめそういうことがないということが確認できた場合はこういう調査は当然行わないということも確認をさせていただいたところでございまして、長島委員からの御指摘も受けて、この注意をした部分については、名古屋市教育委員会にも御回答の中で触れさせていただいたところでございます。

 

○城井委員

その点はぜひ丁寧な対応をお願いしたいというふうに思いますけれども、実際に、各地域の教育委員会が名古屋市教育委員会と同様の疑問や懸念を持っている部分が出てきているのではないか。

うちの地域ならどうか、うちの学校ならどうするかということを、この新学期の準備に向けても今進んでいる。そのことを懸念して、先ほど大臣からもお触れをいただきましたけれども、三月三十日の質疑で私から、学校現場への基本姿勢と、そして外部講師の選定についての今後の方針を確認をさせていただきました。

この確認をさせていただいた内容について全国の各教育委員会に周知をすべきだというふうに考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。

 

○林国務大臣

「教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。」とされておりまして、地方の自主性と現場の創意工夫を前提としつつ、適切な役割分担が重要であるというふうに考えております。

その上で、今後は、外部講師の選任に当たって、授業の狙いや内容、講師を招く理由や経歴などについて学校や教育委員会において十分に検討され、適切な配慮がなされており、文部科学省においてもその確認がとれているという場合には、今回のような文書で問合せをすることはしないという方向で対応してまいりたいと考えております。

こうした考え方は、文科省が行う教育委員会や学校現場とのかかわりについての従来からの基本的な考え方でございまして、文書等の形で改めて周知するということまでは考えておりませんが、文科省としても、今後とも、機会があれば、またそういうお問合せがあれば、このことをしっかりとお伝えをすることを含めて、教育委員会や学校現場に対して適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

 

○城井委員

基本姿勢を貫いていただくということで、その点はぜひ徹底をいただきたいというふうに思いますが、今回のこの一連の問題の核心の一つは、適法であっても教育の不当な支配に踏み込み得るというその実例の一つだという、この部分が大変重たい部分だというふうに考えております。

この点を重々心得ていただきながら当たっていただきたいというふうに思います。

続いて、文部科学省の元次官、その経験者について、幾つかお伺いをというふうに思います。

まず、前川氏についてであります。

教育現場での言動を今回以外でも文部科学省としてチェックをしていたのかどうか、教えてください。

 

○髙橋政府参考人

お答え申し上げます。

今回の名古屋市立中学校の件につきましては、新聞報道を契機として私どもがその情報を知り、必要な調査を行ったものでございます。

初中局といたしましては、前川氏が本件以外で公立小中学校等において授業を行ったという情報は承知しておりませんので、名古屋市教育委員会に対する本件調査以外で前川氏に関して調査を行っているということはございません。

 

○城井委員

ないということで確認をさせていただきました。

それではということでありますが、前川氏以外にも、歴代の、例えば事務次官の方、おられるわけでして、文部科学省ということになりますが、その元幹部の教育現場での言動を逐一チェックしているのか。

ここでは、例えばということで、歴代の事務次官、ここ最近五人ということに絞ってということでお伺いしたいと思いますが、この教育現場での言動を調査しているんでしょうか。

○髙橋政府参考人

今回の事案は、前文部科学事務次官という文科行政の事務方の最高責任者であり、いわゆる天下り問題にかかわって、単に監督責任だけでなく本人自身の違法行為により停職相当とされた者が公立の中学校で授業をしたという事案であることから、事実関係を確認したものでございます。

直近、歴代の、前川前次官も含めた五人の次官について、停職相当とされて、なおかつ公立の中学校で授業をしたという事案については、私ども承知しておりません。

したがいまして、歴代次官についても調査をしているという事実もございません。

 

○城井委員

そこがちょっとひっかかるんですよね。

ダブルスタンダードではないかというふうに考えるんです。

少し具体的に申し上げたいと思います。先ほど、山花委員さんの質問のときに、天下りの事件のとき停職相当になった元次官が三名、清水さん、山中さん、前川さん、こういうお話でありました。

では、この清水さんと山中さんが、例えば、教育現場やその内容に影響力があるような立場にいるなら、そういうかかわりがあるならば、そこは調査対象に入るという認識になってしまうんではないかというふうに思うんですが、この清水元次官と山中元次官は、教育現場にかかわりがある部署に今役職等でおられますか。

 

○髙橋政府参考人

お答え申し上げます。

清水次官については、現在そのような役職についていることは承知をしておりません。

それから、山中元次官につきましては、参議院の方での審議の中で、広島県の教育政策全体に対する助言を職務とする特別参与についているというような御指摘がありまして、確認したところ、現在、広島県の特別参与ということを確認をさせていただいております。

 

○城井委員

今、山中元次官についてお話がありましたが、その広島県の特別参与というのは、教育現場に対して影響がある立場ではありませんか。

 

○髙橋政府参考人

山中氏は、繰り返しになりますが、広島県の特別参与として、広島県の教育政策全般に対する助言が職務であるということでございますので、教育にかかわっておられるということと承知をしております。

 

○城井委員

教育現場への影響力があるという形でよろしいですね、今のお話は。

助言をするという立場にあるということでよろしいですね。

 

○髙橋政府参考人

広島県からは、広島県の教育政策全般に対する助言が職務であるということを伺っております。

 

○城井委員

それでは、清水元次官について伺いたいと思いますが、これまでに清水元次官が、退官後ということになりますけれども、例えば、明治大学研究・知財戦略機構特任教授でありますとか、早稲田大学教職研究科客員教授でありますとか、京都工芸繊維大学顧問でありますとかということで、教育現場にかかわりがある役職を経ておられますけれども、この点は認識されておりますか。

 

○髙橋政府参考人

もう退官された方の個人情報にかかわることでございますし、直接、初等中等教育局の所管ではございませんので、大変恐縮でございますが、答弁は控えさせていただければと思います。

 

○城井委員

今私が申し上げた立場は、教育現場に影響を与え得る立場という認識でよろしいでしょうか。

 

○髙橋政府参考人

仮に大学の教官であられたということと仮定すれば、まあそれは教育現場におられますので何らかの影響はあると思いますが、ただ、中学校と大学において大きく違うのは、中学校においてはまだ発達の途上の段階にある子供を、児童生徒を対象にしているところが大学とは違うのではないかと私どもとしては考えているところでございます。

 

○城井委員

大学で一人前になっていればいいんですけれども、そこは成長の途上だという考え方は十分にあると思いますよ。

大臣、今の元次官の取扱いのダブルスタンダードはやはり違うというふうに思うんですが、この点、大臣、いかがお考えですか。

 

○林国務大臣

今局長から答弁がございましたように、今回の件につきましては、みずからの違法行為もあって処分をされておられて前事務次官であったという方が、中学の、公立の、義務教育だったということでございますので、それは、この方にとどまらずに、同じようなことがあって、そして同じような端緒があって、事実を知り得るようになったということであれば、この方だからということでなく、一般的に言ってそういうことは当然あり得るということで、一般論としてはそういうふうに考えておりますので、特に何かダブルスタンダードを用いたということではないというふうに認識をしております。

 

○城井委員

ダブルスタンダードになってしまっているのが事実なので、困るなというふうに思って、この質問をしているわけであります。

先ほど山花委員さんからも御質問にありましたけれども、佐藤優氏の例もそのことに当たると思っています。影響力がある点からいえば、例えば、ロシア外交に独自の人脈があり、そして知見もある元外務省分析官で文筆家の佐藤優さん、教育現場で講演などに立つことがあるということでしたけれども、この佐藤優氏について調査をしたことがあるか、そして、今後調査をするのかという点についてお答えください。

 

○髙橋政府参考人

御指摘の佐藤氏については、前川氏とは背景や立場が異なり、また、佐藤氏が小中学校で授業を行ったという事例も、現時点においては私どもは把握をしておりません。

仮に明らかになった場合については、調査実施の可能性は一概には申し上げられませんが、一般的には、授業の狙いや内容等の兼ね合いでその必要性を判断することになると考えております。

 

○城井委員

違法行為の有無で、先ほどの調査をするかしないかというところにダブルスタンダードが生じてしまっているというのは、やはりおかしいというふうに思うんですね。

この違法行為のあった人の教育現場での取扱いについて、大臣、もう一回お話ししていただけませんか。

 

○林国務大臣

必ずしも違法行為があった方は授業をしてはいけない、こういうことではないということは申し上げておきたいというふうに思います。

例えば、そういう経験があっても、その経験を生かして、その経験から自分はどういうふうに更生したかというようなお話を聞くというのは意味のあることだ、一般論でございますが。したがって、そういうことではなくて、今回は、先ほど来局長が説明しているような幾つかの要素を考えて、最終的には初中局で判断したということだと思っております。

 

○城井委員

教育現場での創意工夫に萎縮をさせるようなことがないように、運用をぜひお願いしたいというふうに思います。

最近も、テレビ番組でも、「しくじり先生」という人気番組がありまして、私はあれを見ながらみずからを振り返ることが多いわけでありますが、そうした機会が各学校現場でもつくられていくという部分になるのではないかというふうに考えますので、ぜひそういった御認識をいただきたいというふうに思います。

では、最後に、今回の調査の法的根拠についてお伺いいたしたいというふうに思います。

先ほど、謝金や動員についての指摘を申し上げました。これは調査内容としては違うのではないかというふうな趣旨で申し上げたわけでありますが、これを法律に照らしてみた場合に、素直に法律を読むならば、こうなるのではないか。

法に照らすと、謝金や動員に関して、指導、助言、援助を行う前提として市教育委員会に必要な調査を文部科学省が行ったということになってしまいます。

教育内容の確認のはずだったわけですが、目標、違うんじゃないか。

そもそもが、調査対象とすべきこの部分が内容なのかどうか。実際には、不正や不公正もなかったわけであります。

教育内容とはおよそ関係のない、謝金や動員という個人的な金銭への執着や、参加者数へのいわば邪推に近いもので調査を行うのが教育基本法や地教行法の趣旨にかなうのかということ、この点は大変懸念をいたしております。

大臣、この点についての御見解をお述べいただきたいと思います。

 

○林国務大臣

それぞれの部分については、今質疑の中でお聞きいただいて、局長から答弁をしたところでございまして、今回の事実を確認するという意味では、四十八条、五十三条に基づいて行われた正当な調査であるというふうに認識をしております。

 

○城井委員

教育への不当な支配を恐れ、そしてその介入を許さないようにしていこうという戦後の努力は、それまでの経緯があったからこそ、慎重に慎重に、歴代の文部科学省の政務三役や職員の皆様が取り組んでこられたはずであります。

今後の運用についても、基本姿勢を貫いて、厳に慎重にということでお願いしたいというふうに思います。

質問時間が終わりましたので、これで質問を終わります。

ありがとうございました。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区