海洋国会日本のこれからについて(スーパー中枢港湾政策など過去の港湾政策の総括、日本の港湾強化の方向性、国際戦略港湾、高速道路料金引き下げに伴う輸送機関(特に内航フェリー)への支援の必要性)、有線ラジオ放送事業の改善について
第174回国会 衆議院予算委員会会議録第12号(平成22年2月16日)より抜粋午前九時一分開議
○鹿野委員長 これより会議を開きます。
平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算、平成二十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。城井崇君。
○城井委員 おはようございます。民主党の城井崇でございます。
本日は、私にとりましては、初めて予算委員会での質問をさせていただく機会をちょうだいいたしました。本当にありがたいことだと思っております。ありがとうございます。
我が国日本のこれからに大きくかかわる我が国経済、この我が国経済においては、与党、野党ということで争っている場合ではない、対応を急ぐ課題が多くあると思っております。そうした課題の中でも、本日は、新しい民主党政権の中でもつくってまいりました新しい成長戦略、この中でも大きく位置づけられております、海にかかわる政策を中心に質問をさせていただきたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
まず、港湾強化の方向性、特に拠点港湾の重点整備化についてであります。
海洋国家であります我が国日本におきましては、船舶そして港湾が我が国の未来に果たす役割は極めて大きいと思っております。人の流れ、物の流れの大動脈としての役割、また、モーダルシフトを担う、環境に優しい輸送手段。あるいは、災害時、緊急時における陸上ルートの代替機能、特に船ということで申しますと、もう十五年がたちましたけれども、阪神大震災の折には、陸上ルートが使えなかったがためにということで、フェリーが、例えばおふろフェリーといった形で、災害に遭われた方々の生活を支援したという実績もございました。そうした多くの役割をこれからも担っていただくことを念頭にいたしまして、船舶の振興、あるいは港湾の強化を一層進めていく必要がある、そのように思っております。
しかし、旧政権の現行政策、例えば港湾で申しますと、スーパー中枢港湾政策、あるいは地方港に目を転じてみますと、地方港への投資は分散をしたままという状況があり、そうした結果、何が起こったかといえば、結果として、世界の各港と比べた場合には、周回おくれと言っていい状況になってしまっているのではないか、このように感じています。
きょう、皆様のお手元にも資料をお配りしております。資料の一をごらんいただければと思います。
この資料一にありますように、アジアの主要港におけるコンテナ取扱貨物量、あるいは我が国港湾とアジア主要港との欧米基幹航路寄港便数の比較というところを見ましたときに、我が国の港の地位は相対的に低下をしているということ、また、我が国に寄港する基幹航路の便数が著しく減少しているということ、一目瞭然であります。
この中で、二〇〇七年のコンテナ取扱量を見ると、日本の地盤沈下ははっきりとわかるわけであります。日本は、例えば東京港の二十五位というところを最高にいたしまして、首位のシンガポールと比べれば、ほんの七分の一にすぎないという状況にある。
海の現場の話をこれまでも政治浪人の四年間伺ってまいりましたけれども、こうしたこれまでの政策と、今、海の現場が置かれているその実感とが相当にかけ離れてしまっているということ。この厳しい実態を踏まえて、いかに将来像を描いていくかということが新政権に課せられた役割である、そのように思っています。
現行政策の検証、そして将来像の提示、また具体策の詳細な検討について、順次お伺いをしてまいりたいというふうに思います。
まず、現行政策の検証と将来像であります。
特にスーパー中枢港湾、この政策についていかに総括をしていくかということが非常に大事であるというふうに思っています。これまでもこの政策が実行されて以来、さまざまな問題点が指摘をされてまいりました。個別の港湾の整備にとどまっており、面としての対応がとられていないのではないか、あるいは、メガターミナルオペレーターが設立されたものの、結局、港、港で事情は違うものの縦割りが残っているんじゃないんですか、あるいは、いまだに箱物整備が中心で、本来の港そのものを取り回していく部分の工夫が足りないんじゃないか、あるいは、政策の一貫性に疑問が残るという声もあります。
そうしたスーパー中枢港湾についての指摘を踏まえての総括、その総括を踏まえてでありますけれども、これからの港湾整備のあり方、特に将来の我が国港湾の姿をいかに描いていくか。最近では、国際ハブ港湾を目指すことを我が政権として発信していくということを聞いております。
国際ハブ港湾を目指すにしても、近隣諸国からフィーダー船でコンテナ貨物を集積して基幹航路へ、その母船へと、中継地点を目指していくにしても、地政学的に不利な状況にある我が国ということを考えましたときに、この国際ハブ港湾を本気で目指していくときにどんな形で新しい戦略を描いていけるか。このことは、先ほどの厳しい現状を踏まえたときにはなかなかに大変な部分があるというふうに思っています。
そうした厳しい情勢認識を踏まえてのこれまでの政策の検証と、そして将来像の提示について、国土交通大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
○前原国務大臣 城井委員にお答えをいたします。
城井委員がお示しをされましたグラフでも明らかでございますけれども、一九八〇年には、日本の東京湾、大阪湾を含めまして、かなりのアジアの雄という地位でございましたけれども、今や完全に他国の港湾に抜かれているというのが現状でございます。
前政権の政策でございますが、スーパー中枢港湾というものを三つ指定しておりまして、目標は港湾コスト三割の削減、現在においては二割削減できると聞いておりますし、また、リードタイムにつきましても、目標が一日ということでほぼ達成できているということで、それなりの成果は上げられてきたのではないかと思っております。
しかし、さらに国際競争力を強化していかなければならないことがたくさんあります。例えば、パナマ運河がこれから拡張されますけれども、拡張されましたら、拡張されたパナマ運河を通れる船の大きさというのが世界標準になってくるわけでありますが、それが停泊できる港というのは、日本にはほとんどありません。そういったものをどうやって整備していくかということも大事でございますし、また、集中をさせるためには、三百六十五日二十四時間化というものが必要でございます。
そして、先ほど城井委員がおっしゃったように、先般、私も名古屋の港の視察に行ってまいりましたけれども、それぞれの埠頭でいわゆる運営主体が違うということで、ばらばらでございまして、効率的な運用が一体的にできていない、こういった問題点というのが指摘をされているわけであります。また、やはり荷物をどう集めていくか。先ほど委員がおっしゃったような内航フィーダー、こういったものも強化をしていかなくてはなりません。
そういう意味では、今、国土交通省の成長戦略会議で、五つの成長分野の一つに、海洋国家日本の復権ということで、港の強化というものを考えております。二つございまして、このスーパー中枢港湾を含めまして、国際コンテナ戦略港湾あるいは国際バルク戦略港湾、こういったものをさらに絞り込む形で集中的に投資をしていくということをする中で、日本全体の底が上がるような港をつくっていくということをやらせていただきたいというふうに思っております。
それと同時に、重要港湾というのが今百三ございますけれども、これを総花的にさまざま投資していくというのは、もはや、今の少子高齢化そして人口減少、莫大な借金を抱える等限界でございますので、四十程度までに絞らせていただいて、新規投資をやっていくというのはそういったものにしていく。
これから現政権では選択と集中というものを掲げさせていただく中で、国としての競争力をどう高めていくかという観点に立った港湾政策を進めてまいりたいと考えております。
○城井委員 ありがとうございました。
スーパー中枢港湾に関しては、先ほど、それなりの成果というところでの港湾コストの削減、リードタイムの一日化ということに触れられました。この点は、海の現場から申しますと、スーパー中枢港湾というのは主要港の中でも一部じゃないか、つまりそこの成果だけでとどまるわけにはいかないというところをやはり厳しく指摘させていただかねばならぬというふうに思っています。
では、続きまして質問させていただきたいと思います。今のお話を踏まえてになります。国際戦略港湾の選定についてお伺いさせていただきたいと思います。
先ほどの海洋国家日本の復権という政策のど真ん中に位置するのが、この国際戦略港湾の選定になろうかと思います。二月の十二日の公募開始、六月をめどにということで、報道によりますと、最大二つの港を重点整備港としてというふうに伺っております。恐らくは、これを東アジアの物流の拠点としての国際ハブ港ということで位置づけしていこうということであろうかと思います。
先ほどの御答弁にありましたように、選択と集中ということでは理解をするわけでありますけれども、そのやり方、選定方法というところで現場からも懸念が出ております。港湾管理者それぞれに手を挙げていただきたいということを、これまでも大臣も繰り返しおっしゃっておられましたけれども、スーパー中枢港湾あるいはその前の政策のときにも、例えば私の地元であります北九州市もそうでありました。港の整備に関しては、環太平洋という構想を持ちながらということで国際ハブ港湾を目指すという取り組みがあったわけでありますが、結果として、これまでの施策の中では、その成果実らずという形で半端な形になっているのではないか、そんなふうに思っています。
その意味では、地域の自治体側の努力はあるというふうに思いますけれども、国の主体的なかかわりは一体どこにあるのかというところはやはり地域に対してしっかり示していかねばならぬと思いますし、また、具体的な選定基準ということで申しますと、先ほど、パナマ運河を通る船舶について言及がありました。恐らくそれが念頭にあってのことかと思いますけれども、水深が十八メートル級のターミナルあるいは航路の整備ということかと思いますけれども、そうした、ある意味でハードの部分での基準をかなり強く押し出されているように感じております。
このハードに偏り過ぎているような印象が今現場にあるとするならば、いかがするか。本来でしたら、例えば規制の改革やあるいはコストの低減などといった、ある意味でソフトの面、施設整備以外の面で、既存の施設を活用しながらいかに工夫ができるか、国の面でも工夫ができるところがあるのではないか、そんなふうに感じています。そうした部分を踏まえて、選定方法や具体的な選定基準、もう既に十二日段階で公開をされているものもありますけれども、その点について多くの声が上がっております。そうした部分を踏まえての御見解をお伺いしたいと思います。
○前原国務大臣 先ほど言及をいたしましたが、先般、名古屋港に行ってまいりました。名古屋の港湾関係者の方とお話をしておりまして、若干あきらめムードみたいなものが初めはございました。つまりは、既存の量からすると東京湾や大阪湾にはかなわないということで、手を挙げても無理なんじゃないかというお話がございました。
もちろん、今の規模というものも一つの判断材料にはさせていただきますけれども、それだけではない、私が重視をしているのはこれからの伸び代だということを申し上げたわけです。
城井委員が、ハードの面に重きが置かれているのではないかという御指摘がありました。もちろんハードも大事だと思いますけれども、私は、ハード以上に大事なのはソフト、運営主体やあるいは経営方法、これが極めて大事だと思っております。
例えば、ポストパナマックス級の船が泊まれる港に整備というのは、集中していたところを、それは例えば国がお金を入れてやればいい話であって、それが条件ではないと私は思っているんです。つまりは、どれだけの荷物を集められますかということとか、あるいは、今でもやはり基幹航路というのは豪州とか北米なんですね、そういったところの航路がどれだけありますか、あるいはこれから発展可能性のあるアジアについてどれだけの営業努力や量を見込んでいるのかということ。つまりは、日本のコンテナの集約、今コンテナのお話をされているので、集約と、基幹航路をどれだけ維持し、また成長のかなめになっていくアジア航路でどれだけのものを見込めるかということ。
それともう一つは、先ほどお話をしました、港の運営の仕方を変えてくださいと。私は、民の力を入れてもらいたいということを申し上げています。民営化の視点というのは大事ですね。ばらばらな運営主体ではなくて、統一された民の力をどう活用していくか。そして、三百六十五日、二十四時間化というものに本当に努力をしていただけるんですかというようなことを踏まえて、大事なことは、民の視点による戦略的な港湾の運営をする意思がその港を統一してあるかどうかということが極めて大事だと思っております。
したがって、今の量、規模に安住をして手を挙げて、自分のところは大丈夫だろうと思っていたら、それは選定をされない。むしろ、これからどういう、前向きな経営の中で飛躍的に伸ばしていって、アジアの拠点港湾となり得るのかということが大事なポイントだということを改めて申し上げたいと思います。
○城井委員 ありがとうございました。
今るるお話をいただいた部分、いわゆるハブを目指してというところ、極めて重要だというところはよく理解をしたところでありますが、そのハブがハブとして機能するためには、やはりハブ・アンド・スポーク、つまり、そこからつながる船、航路、そしてその先にある、国内で申しますならば地方港ということになろうかと思います。そのスポークの部分について、幾つか伺おうと思います。
今、地方港に対しては、先ほどのハブを目指してというお話に比較いたしますと、その整備の方針というところでは、国からまだ、新しい政権のもとでは明確な方針が示されていないのではないか。だからこそ、この年末にかけての各地域からの、港にかかわる要望の部分の中身を見たときには、旧来と変わらない形でしか出てきていなかった。優先順位が見えないからではないか、そのように思っています。
総花をやめるというところには賛同するわけでありますが、では、そうしたこれからの、国際ハブというところを念頭に置きながら、地方の港をいかにして整備していくかというところ、その地域とのかかわりの部分について、一言お答えをいただければと思います。
○前原国務大臣 これから分権の時代になります。今回の公共事業におきましては、二・二兆円の社会資本整備総合交付金という形にして、地域がより使い勝手のいいものにさせていただくという仕組みを取り組ませていただきました。一括交付金への過渡期の施策と考えていただいたら結構であります。
そして、港を抱えておられるところについては、道路もあるでしょうし、ほかのインフラもあると思いますけれども、そういったものを使っていただいて、いかにみずからが主体的に整備をしていくかということも大事な点だと私は思っております。
先ほど申し上げましたように、重要港湾だけで百三ございますけれども、今までのように、すべて国がそれについてお世話をしていくということはもうほぼ無理だろうと私は思っています。公共投資がそれだけできない。今御審議いただいている予算案の半分以上が社会保障という現状を考え、また莫大な借金があるということを考えれば、相当選択と集中というものをやっていかなくてはならない。
これも繰り返しになって恐縮ですが、百三の重点港湾のうち、新規事業を継続する港は四十程度を絞り込んでいきたいというふうに思っております。そのときに、やはり、地域が本気でこの港を活用して、先ほど城井委員がおっしゃった、日本海側に面しているのであれば、アジア経済圏というものをしっかりにらんだ施策を地域としてもやってもらえるかどうか。すべて国頼みではなくて、地域自身がやはり荷物を集めて、そして企業誘致も含めて、工場誘致も含めて、戦略的にその港を活用していくという視点が大事でございます。
そういったことをやはりしっかりやっていただくということが大事でございまして、社会資本整備総合交付金、そして地方の港も、百三から重点港湾四十程度に新規事業継続は絞らせていただくという中で、地域がいかにアピールをしていただくかということが大事でございまして、これからそういうものを見させていただく中で絞り込みをさせていただきたい、このように考えております。
○城井委員 ありがとうございました。
先ほど大臣の御答弁にもありました、貨物を集める、荷物を集めるということをする場合には、地方港は極めて大事だというふうに思っています。その意味では、真の地域主権が実現するまでの間は、国とのかかわりはやはり大きなものがあると思っておりますので、その点、目配りいただければというふうに思います。
続いて、お伺いをさせていただきます。
高速道路料金の引き下げ並びに上限制にかかわる輸送機関への影響についてお伺いさせていただきたいと思います。
これまでも、委員の皆様にも多く御要望等来ておると思いますけれども、トラック、バス、鉄道、旅客船、多くの輸送機関への大きな影響を与える政策であります。この中でも特に、本日は、内航フェリーの対策の必要性について一言御質問したいというふうに思います。
先ほど海の重要性については申し上げました。フェリーはその中心を担っているというふうに思っています。しかし、業界からは悲痛な叫びが上がっております。
資料をごらんください。資料の二と三であります。実際に、これまでのいわゆる一律千円という政策でもそうでありましたし、また、現在検討中と聞いております上限五千円ということになりますと、その経営自体が成り立たないという声が多く伝わってきております。大臣のもとにも要望が伝わっているというふうに思っています。
フェリーの運賃収入の約七割はトラックからの収入であります。特に大型車や特大車であり、トラックの運賃収入が失われますと、航路の維持存続はできません。もう既に赤字の料金で経営に突入しているところが多くある中で、そうした状況をかんがみ、フェリーとの競争条件にも配慮したきめ細やかな上限設定というものが必要だというふうに思っています。
そのあたりを踏まえての御見解をお伺いいたします。
○前原国務大臣 前政権で行われておりました高速道路の割引、料金体系は極めて複雑でございまして、わかりにくい。そしてまた、ETC土日千円、また、ETC限定による不公平感、いろいろな課題がございます。
きのうも、城井委員からフェリー業界の方々に会わせていただきまして、現場の厳しいお考えを聞かせていただきました。貴重な経験をさせていただきましたことを御礼申し上げたいと思います。
そういった声も踏まえて、そして、我々が目指す、高速道路の料金を下げることによって物流コストを下げていくということの整合性をどのようにとっていくかということを、今後、委員からも御指摘いただいた点も踏まえて検討をさせていただきたいと考えております。
○城井委員 事は既にかなり切迫をいたしております。失われる雇用の確保等も含めて、迅速な対応をお願いできればというふうに思っています。
最後に、有線ラジオ放送事業の改善について総務大臣にお伺いをさせていただきます。
特に本日お伺いしたいのは、有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律の届け出義務に違反をし、本来国庫に入るべき道路占用使用料あるいは税金が何十年にもわたり未納のまま放置されている件であります。
資料の四をごらんください。この有線ラジオ放送事業、現在大手二社、具体的にはUSENという会社とキャンシステムという会社、一〇〇%近いシェアを二社で占めております。四十年前から長らくにわたって違法状態が続いておりましたけれども、平成元年に違法状態にあった両社に対して正常化の要請がなされました。その後、USENにおいては平成十三年四月にすべての届け出をし、正常化を終えておりますけれども、一方、問題なのは、キャンシステムの方であります。資料にあるとおり、正常化要請からは二十年余り、現在に至るまで正常化は行われてはおりません。
総務省から伺いましたら、百六十二万本の電柱や電話柱を使っていると報告されているんですけれども、実際には八万本しか届け出がない違法状態となっております。しかも、国道の占用使用料の未納分は、単年度と過去五年の精算分を加算して四千三百五十万円、また、本来電柱や電話柱を所有するところが上げるべき使用料による売り上げに対する法人税の未納は、過去精算分、単年度を含めて十四億三千万円にも上っています。
こういう状況を四十年間も放置して多大な損害を与えている行政の不作為とも言える責任は極めて大きいと思いますし、また、それを見逃してきた旧政権の責任も重いというふうに思っています。この会社については、政治家の影も見えております。
総務大臣、この違法状態を今後どのように是正されるおつもりか、伺いたいと思います。
○原口国務大臣 城井委員にお答えいたします。
業界大手二社のうち、大阪有線放送、現株式会社USENについては、平成十二年に正常化を完了というふうに聞いております。
他方、もう一社のキャンシステムについては、大阪有線放送の正常化後、総務省において定期的に同社の正常化の進捗について報告を受けてきたものの、いまだに正常化が完了していません。
政権をとって、さまざまな今までの行政について再チェックを指示いたしました。その中で浮かび上がってきたのがこの部分についての早期正常化に向けた総務省の対応でありまして、この対応は極めて不十分であったと私は考えておりまして、問題があったことは事実だと思います。
省内に調査チームをつくりまして、なぜこのような違法状態を長きにわたって続けさせてきたのか、そして同社の違法状態の早急な解消に向けて、有線ラジオ放送の運用の規正に関する法律に基づき厳正に対応していく。これはダブルスタンダードがあっては、城井委員、だめだと思います。
そして、政治家の影というお話がございましたが、特定の方からの総務省に対する働きかけ、これもあったのではないかということで、今調査をしているところでございます。
○城井委員 徹底した調査と是正、正常化への努力をお願いして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
(後文略)