政府において検討されているプロバイダに対する著作権侵害サイトの接続遮断要請に関する質問主意書

政府において検討されているプロバイダに対する著作権侵害サイトの接続遮断要請に関する質問主意書

平成三十年四月十二日提出
質問第二二七号

政府において検討されているプロバイダに対する著作権侵害サイトの接続遮断要請に関する質問主意書

 

提出者  城井 崇

 


政府において検討されているプロバイダに対する著作権侵害サイトの接続遮断要請に関する質問主意書

政府において検討されているプロバイダに対する著作権侵害サイトの接続遮断(以下、「サイトブロッキング」という。)要請について、以下質問する。

 

一 菅官房長官より「サイトブロッキングを含めて可能性を検討している」との発言があった。サイトブロッキングについて、現時点で政府が検討している具体的内容について明らかにされたい。

二 憲法第二十一条は「通信の秘密は、これを侵してはならない」と定めている。電気通信事業法第四条は「電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない」と定め、同法第百七十九条は通信の秘密の侵害に対して罰則を科している。
サイトブロッキングは、問題のあるサイトへ接続しようとした利用者だけでなく、全ての利用者の通信の秘密を知得し、窃用することで接続を遮断するものであり、通信の秘密の侵害に該当する恐れがあると考えられる。
刑法第三十七条に定められる緊急避難によって、サイトブロッキングの違法性が阻却されるとの見解があるが、現在の危難、補充性、法益権衡などの要件を満たさない場合には違法性は阻却されないため、通信の秘密の侵害に該当する恐れがあると考えられる。
現時点で、政府において検討されているサイトブロッキング要請の、法的な根拠について、政府の認識を明らかにされたい。

三 サイトブロッキングは、通信の秘密や通信の自由を侵害し、憲法第二十一条の定める「検閲は、これをしてはならない」に該当する恐れがある。法治国家原理から逸脱しないためにも、政府は、サイトブロッキング要請を行う場合には、そのための要件や手続きについて法令による慎重な制度を整備することが必要であると考えるが、政府の認識を明らかにされたい。

四 現在、児童ポルノに関するサイトブロッキングで多く用いられているDNSブロッキング方式は、利用者に知識があればサイトブロッキングを回避することができるとの指摘がある。そのため、DNSブロッキング方式によるサイトブロッキングを実施した場合の効果は十分ではないことが懸念される。電気通信事業者に生じる運営面の負担や、サイトブロッキングに関する訴訟提起や刑事告訴、刑事訴追の恐れなども踏まえ、サイトブロッキングにおけるDNSブロッキング方式の有効性について、政府の認識を明らかにされたい。

五 サイトブロッキングの対象は、どのような基準によって選定されるのか。また、緊急避難を理由に、政府の要請でサイトブロッキングの対象範囲を拡大し、遮断を求められる事態が起きかねないとの指摘がある。緊急避難を理由に、政府の要請で、サイトブロッキングの対象範囲を拡大し、遮断を求めることがあるのか。政府の認識を明らかにされたい。

右質問する。

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平成三十年四月十二日受領

答弁第二二七号

 

内閣衆質一九六第二二七号

平成三十年四月二十日

 

内閣総理大臣臨時代理

国務大臣 菅 義偉

 

衆議院議長 大島理森 殿

 

衆議院議員城井崇君提出政府において検討されているプロバイダに対する著作権侵害サイトの接続遮断要請に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


 

衆議院議員城井崇君提出政府において検討されているプロバイダに対する著作権侵害サイトの接続遮断要請に関する質問に対する答弁書

 

一から三まで及び五について

御指摘の「サイトブロッキング要請」及び「政府の要請」の意味するところが必ずしも明らかではなく、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、本年四月十三日の知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議で決定した「インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策」において、「特に悪質な海賊版サイトのブロッキングに関する考え方」、「著作権侵害サイトブロッキング対象ドメインについての考え方」、「国民レベルでの海賊版対策の著作権教育の重要性」等について整理し、また、いわゆる「ブロッキング」について「極めて重大な被害を拡大させている特に悪質な海賊版サイト以外の、違法・有害情報一般に関する閲覧防止措置として乱用されることは避けなければならない」と整理することにより、現下の特に悪質な海賊版サイトによる著作権者等の権利の深刻な侵害の更なる拡大を食い止めるため、法制度整備が行われるまでの間の臨時的かつ緊急的な措置として、民間事業者による自主的な取組が実施され得るよう、その環境を整備したところである。

 

四について

いわゆる「ブロッキング」の方法を含め、その実施については、民間事業者において自主的に判断されるものと考えており、お尋ねの「サイトブロッキングにおけるDNSブロッキング方式の有効性」について、政府としてお答えする立場にない。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区