暴力団対策の推進に関する質問主意書

平成二十九年十一月二十二日提出
質問第五二号

    • 暴力団対策の推進に関する質問主意書

 

提出者  城井 崇

 


暴力団対策の推進に関する質問主意書

    •  平成二十二年七月、北九州市では、市民が安心して暮らせる社会の確保、社会経済活動の健全な発展等を目的に、「北九州市暴力団排除条例」が施行された。警察等と連携しながら、公共工事をはじめ、市の全ての事務・事業から暴力団の徹底排除や、市民及び事業者等が進める暴力団排除活動への支援及び青少年を暴力団から守る取り組みを推進するなど、官民一体となり暴力団排除が積極的に展開されている。

 

    •  平成二十六年には、「北九州市安全・安心条例」が施行されるとともに、防犯カメラが増設された。平成二十九年一月には、暴力団離脱者の就労支援対策として暴力団離脱者を雇用した企業に対する建設工事の競争入札参加資格審査において加点する制度が開始され、平成二十九年四月には、暴力団事務所として事務所を使用させないための市民運動・住民訴訟等の実費費用を補助する制度が開始されている。

 

    •  そこで、厳しい暴力団情勢に対応するため、以下質問する。

 

一 暴力団事件に従事する福岡地方検察庁検察官等を増員すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
二 暴力団による犯罪を抑止・検挙し、暴力団を壊滅するためには、その犯罪の組織性を立証することが有効である。暴力団対策に限り、「会話傍受」や「おとり捜査」などの有効な捜査手法を国として導入すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
三 暴力団関係者への課税強化を図るため、暴力団に対する税法違反捜査や、暴力団の所得に関する税務調査及び徴収が徹底されるための制度導入を国としてすべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
四 暴力団対策の観点からの警察による防犯カメラの増設及び自治体が設置する防犯カメラの維持管理についての継続的な財政支援を国として行うべきと考えるが、政府の見解を示されたい。
五 暴力団組織からの離脱者が増加していることに鑑み、離脱者を広域的に就労させることを目的として、平成二十八年二月に福岡県が提唱した社会復帰対策協議会による広域連携協定のさらなる拡大、及び福岡県が導入している離脱者を雇用する事業者に対する奨励制度や身元保証制度等の財政支援を国においても導入すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

     右質問する。

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平成二十九年十二月一日受領
答弁第五二号

内閣衆質一九五第五二号
平成二十九年十二月一日

内閣総理大臣 安倍晋三

衆議院議長 大島理森 殿

    • 衆議院議員城井崇君提出暴力団対策の推進に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

 

 


衆議院議員城井崇君提出暴力団対策の推進に関する質問に対する答弁書

一について

    •  法務省としては、犯罪情勢等に適切に対応していくため、検察官等の増員を含め、必要な検察の体制の整備を行っているところであるが、福岡地方検察庁についても、犯罪動向を含む諸般の事情を考慮しつつ、その体制の整備について検討してまいりたい。

 

二について

    •  平成二十八年五月二十四日に成立した刑事訴訟法等の一部を改正する法律(平成二十八年法律第五十四号)により、暴力団犯罪を始めとする組織的な犯罪に的確に対処するとの観点から、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(平成十一年法律第百三十七号)による通信傍受の対象犯罪が拡大されるとともに、組織的な犯罪の全容解明に資する供述等を得ることを可能にする、証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度等も導入されることとなったところである。政府としては、暴力団犯罪の実情を踏まえつつ、更なる法整備の在り方を含め、暴力団犯罪に的確に対処するための方策について検討してまいりたい。

 

三について

    •  御指摘の「暴力団に対する税法違反捜査や、暴力団の所得に関する税務調査及び徴収が徹底されるための制度」の具体的な内容が必ずしも明らかではないが、暴力団員等に対する適正かつ確実な課税は、暴力団からの資金剥奪の観点からも有意義であると考えており、様々な機会を通じて暴力団員等に対する課税上有効な資料情報の収集に努め、課税上問題があると認められる場合には、税務調査を行うなどにより、適正かつ確実な課税に努めているところである。

 

四について

    •  防犯カメラについては、暴力団対策はもとより犯罪一般の抑止を図る上で効果的であると考えており、民間においても広く普及しているところであるが、犯罪動向を含む諸般の事情を考慮しつつ、必要な施策について検討してまいりたい。

 

五について

    •  御指摘の「平成二十八年二月に福岡県が提唱した社会復帰対策協議会による広域連携協定」については、平成二十九年十一月三十日現在で二十七都府県の社会復帰対策協議会(都道府県警察、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第三十二条の三第一項に規定する都道府県暴力追放運動推進センター、関係行政機関等により設立された暴力団離脱者の安定した雇用の場の確保のための連絡組織をいう。)が参加しているものと承知しているが、引き続き、地方公共団体の取組も踏まえつつ、暴力団離脱者の社会復帰のために必要な施策について検討してまいりたい。