現場の教員不足について

2018年5月18日(金)衆議院文部科学委員会

 

○冨岡委員長

次に、城井崇君。

○城井委員

国民民主党の城井崇です。

本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。きょうも、大臣に集中してということで質問申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。

本日は、先日からの積み残しでようやっとお伺いすることができますが、現場の教員不足について、大臣と、特に、これも財務省と闘う話になるかと思いますが、御質疑を、質問申し上げたいというふうに思います。

きょうは、お手元に資料をお配りしておりますので、ごらんください。公立小中学校等の教員定数の標準に占める正規教員の割合、平成二十九年度という資料でございます。

これまでにも、現場の教員不足というものは報道でも逐次取り上げられております。例えば、二〇一七年十一月二十七日、毎日新聞の記事では、ここ五年間の全国の公立小中学校における定数に対する教員の充足状況、違った言い方をいたしますと、不足している数ということでございますが、これを調べると、教員定数に対して、特に正規の教員の数が足りていない状況が五年間も続いております。直近の数字が、今お手元の資料でございます。青い部分が正規教員、赤い部分が臨時的任用教員、そして黄色が非常勤講師等ということでございます。臨時的任用教員ですとか非常勤講師などへの依存が極めて大きい状況を見ていただけるというふうに思います。

教育現場に必要な教職員が、物理的に足りておりません。このグラフの上に、各都道府県ごとの定数に対する充足の割合を書いておりますが、一〇〇%を切っているところが幾つも見られるという点を大臣にも確認をいただきたいというふうに思います。

国として、教員不足の状況への認識とそして現場の教員不足の理由、対応策について、まず大臣から具体的にお答えいただきたいと思います。お願いします。

○林国務大臣

最近、各地域の小中学校におきまして必要な教員を確保するのに苦労しているという事例が多く生じているということを承知しているところでございます。

この原因として、各都道府県の教育委員会等からは、まず、大量の教員が定年により退職をしていることに伴って大量の教員を採用する必要が生じている、それから、特別支援学級の数が増加している、さらには、産休、育休を取得する教員が増加をしている、さらには、民間企業等の採用が活発になっていることに伴い教員採用試験の受験者そのものが減少している、そういうことが考えられると聞いているところでございます。

したがって、対策として、採用試験の年齢制限を引き上げる、それから、英語資格などの一定の資格を有する志願者に対する加点制度を導入する、教職経験のある志願者に対して特別な選考を実施する等々の工夫をしているというふうに聞いております。

教員の採用については、やはり各任命権者の判断に委ねられておるところではございますけれども、文科省においては、今後多くの教員が今から退職することが見込まれておりますので、以前から、教員の年齢構成に配慮して、中長期的視野から計画的な教員採用、人事、こういうことを行うことを促してきたところでございます。

各任命権者においては、教員の確保に関する厳しい現状を踏まえて、より一層退職教員の活用とか社会人の積極採用等の工夫をしていただくとともに、文科省としても、働き方改革を進めるなどして、多くの方に教職を志していただけるように取り組んでまいりたいと考えております。

○城井委員

ありがとうございます。

計画的な教員採用を促すというのが、これまでも、文部科学省の姿勢でございましたし、現在も、今大臣がおっしゃっていただいたとおりでございます。

ただ、その一方で、実際に教育現場がどうなっているかということをここで申し上げねばならないと思っています。

二〇一八年五月十五日にRCC中国放送が報じたところでは、広島県教育委員会によりますと、広島県内の公立小中学校などを対象に調査をした結果、何と三十五の学校で合わせて三十八人が欠員状態になっております。内訳は、非常勤講師が十二人、臨時採用の教員が二十六人ということになっています。このうち、呉市の吉浦中学校では、一年生の国語と二年生の理科で必要な教員を確保することができず、合わせて四クラス百一人が四月分の授業を受けられなかったという状況です。

かなり深刻です。

文部科学省に事前に、この点知っていますかということで報道の事実確認をいたしましたけれども、五月に入った今も教員確保のめどは立っていないという報告でございました。

極めて深刻です。

先ほど大臣からも、原因は何かということで幾つか事例の例示がございましたけれども、定年による大量退職に新規採用が追いつかないことが教員不足の原因との広島県教育委員会からの説明ということでございました。先ほど例示いただいた理由の一つに当たるなというふうに思っております。

ただ、これが、じゃ広島県特有かというと、そうではない。例えば、島根県の松江市などでも、中学校の英語教師が不在という状況があったり、福岡県福岡市においても、足りているといいながら、実際には、休む教員の方々もおられているということで、担任を担当するような教員が足りないというような状況も現場の教員から聞こえてきているところでございます。この欠員の解消があればこそ、国の対応策が届いたというふうに言えるというふうに考えます。

先ほどのさまざまな手だてがやられているという前提ですけれども、実際に現場は欠員が生じております。大臣、この深刻な欠員の認識と、そして、そこを踏まえて、先ほどの足りていないところがどうかというところ、どう対応しようかというところをぜひ大臣からお伺いしたいと思いますが、お願いします。

○林国務大臣

今の広島県における事案については、必要な教員が配置されていないことによって計画的に授業が実施できていない、こういう事案でございまして、好ましくない事態である、こういうふうに認識しております。

最近、先ほども申し上げたように、各地域の小中学校において必要な教員を確保するのに苦労しているという事例が多く生じていることについて承知をしておりまして、広島県における事案のように、授業等の実施にも支障を来すような状況であれば、大変懸念すべき事態であると認識しております。

やはり、各任命権者において、教員の確保に関する厳しい現状を踏まえて、中長期的視野から計画的な教員採用人事を行ってもらうということと、退職教員の活用、社会人の積極採用等の工夫、これをしていただきたいと考えておりますし、我々としても、働き方改革を進める、部活指導員ですとかスクールカウンセラーですとか、職員ですね、教職員といいますが、職員の部分を充実していくことによって、本当に先生にやってもらわなきゃいけないところになるべく集中してもらう、こういうような働き方改革をやることによって、学校における効率化というのが果たされていくということと、それからやはり多くの方に教職を志していただけるという両面から、こういうことを含めてしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

○城井委員

大臣から前向きな改善策を幾つもおっしゃっていただきました。

その部分で押し上げていければいいなというふうに私も思うわけでございますが、逆の話も聞こえてまいります。現在のかなり程度の進んだ少子化によりまして教員定数が今後削減をされる見込みであるから、各教育委員会は正規職員の採用を抑えて非正規雇用の臨時採用の枠を広げている、こうした指摘が専門家からもございます。この点について、文部科学省としてどう考えるか。

これまでも、文部科学省の各種審議会等におきましても、十年後の教員需要の想定が大きく下がるということがデータとして示されたりしてもおります。こうした教員需要の想定が大きく下がるから、この現状をある意味で、先ほどの改善策が刺さらなくてもしばらくは見守るかということになってはいないかと大変危惧をいたしております。

大臣、この点をあわせてお答えいただけますでしょうか。

○林国務大臣

一部の報道におきまして、少子化によって将来的に教員過剰や大量退職が繰り返されることを懸念して、多くの教育委員会で正規採用を抑えがちであるという旨の指摘があったということは承知をしております。

各都道府県の教育委員会等が教員の確保に苦労している要因は、先ほど述べたようにさまざまなものが考えられるわけです。また、教員が不足しているとされた複数の自治体に対してその要因等を尋ねたところ、正規教員採用数の抑制がその要因であると回答した自治体はございませんでした。

こうしたことから、文科省として、お尋ねの御指摘が妥当であるとは必ずしも認識をしておらないわけでございます。

いずれにしても、教員の採用については、やはり地域において中長期的な教員需要を見通しつつ、現に必要な数の教員の採用を確実に行うべきものと認識をしております。

○城井委員

その上で、もう一点伺おうと思います。

非正規教員の配置割合が過度に高い県が先ほどのグラフを見ていただくと見ていただけると思いますが、こうした過度に高い県に対して国から改善を促すべきというふうに考えますけれども、この具体策についてお考えでしょうか。国の考え方を教えてください。

○林国務大臣

平成二十九年の五月一日現在の文部科学省調査において、公立小中学校の教員数に占める臨時的任用教員、非常勤講師などいわゆる非正規教員の割合は八・五%となっておりまして、

その割合が最も高い自治体、これは一五・八%になっております。

この具体の教員配置は、任命権者である教育委員会が適切に行うべきものでありますけれども、やはり教育の機会均等とか教育水準の維持向上等を図る観点からは、仮に臨時的任用教員の配置により支障が生じる場合には、可能な限り正規教員が配置されることが望ましいと考えております。

このため、各都道府県・指定都市教育委員会に対して、自治体ごとの教職員定数の標準に占める正規教員の割合に関する情報を提供するとともに、個別のヒアリングや各種会議を通じて適切な対応を求めておるところでございます。

○城井委員

各都道府県や市町村が各学校現場を支えていくその財源は限りがあるというふうに思っております。その意味では、学校現場に一義的な責任があると言いつつも、先ほど大臣がおっしゃった教育の機会の均等あるいは教育水準の維持向上という観点から、国がもう二歩踏み込んで支えていくべきだと思っています。

そのときに、国ということでは二つ考え方があると思っています。

一つは、文部科学省として、例えば教職員定数の改善を含めた今後の教員の養成、採用、研修の一体的な改革をきっちりやるということ。このことで教員不足や非正規教員配置への過度の依存を改善していくということは重要だと思います。

もう一つは、対財務省だと思っています。かつての自民党政権、その後の民主党政権、そして現在の安倍自民党政権においても、財務省の教育現場に対する目線は変わっていないというふうに思っています。子供の数が減るのだから教員の数は減らすべきだ、こういう姿勢から変わっていないというふうに思っています。

先ほどの欠員状況を、具体的にエビデンスとして財務省にも示すべきだと思います。そうしたことも含めて、対財務省の取組をしていただくということ。

そして、今申しました教員の養成、採用、研修の一体改革、ここの部分は特に、義務教育にかかわる文部科学省の取組の中で計画的に一番できていないところだというふうに思っています。

以前から、特に民主党政権になる前の自民党政権の折から、退職教員が間違いなくふえてくるというのは教員の配置分布で見えていたはずだということ、でも、その間に、財務省との闘いで綱引きをしながら、五年たち、十年たちというのが現在の状況だというふうに思っておりますので、この対財務省の部分と、そして文部科学省としての教員養成、採用、研修の一体改革を速やかに実行していくということ、この二点をぜひお願いしたいというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

○林国務大臣

財務省と折衝するときには、あらゆるデータ等を駆使してやっていかなければならないと思いますので、委員からも貴重な御示唆をいただきましたので、そういうことも含めて鋭意折衝してまいりたい、こういうふうに思っております。

この具体の教員配置は、任命権者であります教育委員会が適切に行うべきものでありますが、先ほど申し上げましたように、やはり教育の機会均等、教育水準の維持向上を図る観点で、臨時的任用教員の配置により支障が生じる場合は正規教員が配置されることが望ましいと考えております。

平成二十九年の三月の義務標準法の改正によりまして、障害に応じた特別の指導、いわゆる通級による指導や、外国人の児童生徒等の教育のための教員定数等の加配定数の一部について、対象となる児童生徒数等に応じて算定される基礎定数というふうにいたしました。この基礎定数化によって、例えば、通級による指導に係る定数については、二〇二六年度には、この対象となる児童生徒十三人に対して一人の教員定数が算定されるということになるわけでございます。

これは、地方自治体側から見れば、これまで毎年度、国の予算の範囲内で措置されていた加配定数約六万四千人のうち、三割が基礎定数化されるということでございますので、各自治体ごとの学校に置くべき教職員の総数について中長期的な視野で先の見通しが立てやすくなり、教職員の安定的、計画的な採用、研修、配置が行いやすくなると考えております。

また、この基礎定数化に合わせまして、通級による指導などの対象となる児童生徒数の増加が見込まれることなどから、二〇一七年度から二〇二六年度までの十年間で、三千九百四十九人の教員定数改善を見込んでおるところでございます。

以上のような制度改正の概要については、平成二十九年三月の義務標準法改正に伴う施行通知において周知を図るとともに、留意事項として、正規教員の採用や人事配置を一層適切に行うこと、質の高い指導体制を確保すること、これらについてもあわせて通知をしたところでございます。

○城井委員

今後の教員の自然減も踏まえますと、教職員の定数改善、特に先ほどの基礎定数の拡充というところは、十分ここから十年後以降も含めて組んでいけるという数字になるというふうに思いますので、ぜひ具体的にもう一押し頑張っていただければというふうに思います。

最後に一点、先ほど大臣からも少しお話がございましたが、部活動の外部指導員についてを伺おうと思います。

平成三十年度予算でも、部活動に外部指導員を活用する取組を行っております。せんだって、私の地元北九州市でも、この外部指導員に対する委嘱状の伝達が今月あったところでございます。

その意味では、地域でも大変期待も大きい。しかし、それが例えば各小中学校、特に中学校の部活動の指導にどれぐらい届くかというところを皆期待もしつつ、注視もいたしているところであります。

今後、どこまで広げていけるか、どこまで手が届くかというところの見通し、スケジュールを含めてお示しをいただければと思うんですけれども、大臣、お願いします。

○林国務大臣

先ほども申し上げましたように、学校における働き方改革に向けまして、教師以外の人材の活用の促進、これが必要であると思っております。

このため、平成三十年度予算において、適切な練習時間や休養日の設定など、中学校における部活動の適正化を進めている自治体、これを対象にしまして、部活動指導員の配置を支援するための補助事業に係る経費として五億円を計上しておるところでございます。これは四千五百人相当ということでございます。

本事業では、今、委員のお地元では既に始まっているということでございましたが、まだ現時点で今後の明確な配置の見通しを定めておるわけではございませんが、まさに今年度の実施状況等も含めて、地域や学校の実態に応じた配置に努めてまいりたいと思っております。

○城井委員

時間が参りましたので、終わります。

ありがとうございました。