デジタル教科書の検定の要否、質の確保、無償配布への財政措置、学習環境格差の解消、健康影響、学習効果、学習効果の判断基準、活用のための教員の研修、技能向上、活用のガイドラインについて、ICT支援員の配置について、デジタル教材に関する子どもの行動の検証について、紙の教科書とデジタル教科書の併存について

2018年5月9日 衆議院文部科学委員会

 

○冨岡委員長

次に、城井崇君。

○城井委員

国民民主党の城井崇です。

学校教育法等の一部を改正する法律案につきまして、私からも、大臣にきょうは集中してということで御質問を申し上げます。よろしくお願いいたします。

先ほどからの質問で、幾つか質問通告が重なっているところもございますが、少し深掘りをすることも含めて、丁寧に伺えればというふうに思っております。よろしくお願いします。

まず、教科書制度との関係についての確認から入りたいと思います。

デジタル教科書は改めて教科書検定を経る必要がないということで、大臣、よろしかったですね。

○林国務大臣

はい、そのとおりでございます。

○城井委員

その点を踏まえて、一つだけ確認をしたいと思います。

内容が同一なので検定不要だという理解をしておりますけれども、デジタル教科書の一つの特徴として、表示方法はさまざま工夫が出てくるのではないかというふうに思っております。内容が同一という範囲の中で表示の方法の工夫があり得るかどうかという点については、大臣、どのようにお考えですか。

○林国務大臣

表示の工夫というのは、例えば拡大したりとか、そういうことですね。(城井委員「そうですね」と呼ぶ)はい。

内容が同一であるという前提のもとで、いろいろな表示の工夫はあり得るんだろうというふうに思っております。

○城井委員

その折、デジタル教科書の中で書ける範囲と、先ほどからございましたデジタル教材で対応するだろう範囲というものがあると。両方が今後教育現場で使われていきましたときに、同じ画面上で表示をされているということになりますと、デジタル教材の部分は、内容の確認は検定の段階でくぐっていますのでという確認がありますが、デジタル教材ということになりますと、その内容を含めての確認が公式にはくぐっていないということになってきます。

ただ、教育を受ける子供の側からすると、同じ画面での内容ということになりますので、そこが混同されるおそれがあるなというふうに思いますが、この検定を経ていないデジタル教材についても一定の質の確保、確認というものがどこかしらで必要になってくるのでないかというふうに考えますけれども、この点、大臣、いかがでしょうか。

○林国務大臣

デジタル教科書と一体的に販売されるデジタル教材を含めて学校において使用される教材は、法律に基づいて、校長や設置者の責任と判断によって、有益適切なものに限り使用されるというふうになっております。

他方、文科省としては、これまで、教材の使用に当たっての留意点として、教育基本法や学習指導要領等の趣旨に従っていること、その使用される学年の児童生徒の心身の発達の段階に即していること、特定の見方や考え方に偏った取扱いとならないこと等を示して、校長や設置者が適切に取り扱うように指導してまいったところでございます。

こうした考え方を踏まえまして、本制度改正に当たっては、デジタル教科書と一体的に販売されるデジタル教材についても、学校において不適切に使用されることがないよう、文科省において策定を予定しているデジタル教科書に関するガイドラインを通じまして、従来の留意点を含め、その適切な取扱いについて、教育委員会等に対して指導してまいりたいというふうに思っております。

また、デジタル教科書の発行者に対しても、学校における補助教材の適正な取扱いの趣旨について周知徹底をしてまいりたいと思っております。

○城井委員

ありがとうございます。

設置者が確認、責任を担うということ、そしてその判断基準についてもお示ししていただいているということ、そして発行者に対してもその配慮をということでの指摘ということでございました。ありがとうございます。確認をさせていただきました。

続いて、先ほどから議論になっております負担の問題について少し確認を申し上げたいと思います。

先ほどからございましたように、デジタル教科書はいわゆるデジタル教科書でありまして、教科書無償の対象外ということでございます。デジタル教科書自体の購入や表示をさせる機器の準備など、学校内のデジタル機器の整備は自治体や保護者の負担となるというのが先ほどからの議論であります。

本来は教科書無償の措置の対象にすべきだというふうに考えます。少なくとも、自治体間格差の是正や低所得者層への支援が必要だというふうに考えますけれども、この点、確認をしたいと思いますが、大臣、答弁をお願いします。

○林国務大臣

本法案では、紙の教科書を基本としましてデジタル教科書を併用するということになっておりますので、義務教育諸学校の児童生徒に対して、引き続き紙の教科書、これは無償給与をされるところでございます。したがって、このような使用形態や紙の教科書のみを使用する児童生徒との公平性の観点等を考えますと、デジタル教科書を無償措置の対象とすることは、現時点では考えておらないところでございます。

公立学校のICT環境整備につきましては、三クラスに一クラス分程度の学習用コンピューターの整備に必要な経費も含めまして、先ほど来御議論になっておりますが、平成三十年度からの五年間にわたって、単年度千八百五億円の地方財政措置を講じることとなっております。

こうした現状を踏まえれば、デジタル教科書の費用についても、設置者が負担をいたしまして、基本的には学校所有の教具として整備されたものを用いるということが想定をされるところでございます。

なお、学用品費については、経済的理由による就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対して、市町村が就学援助を実施しているところでございます。

○城井委員

大臣からも公平性の観点ということをおっしゃっていただきましたが、今回の取組は、学校教育におけるICT化のある意味でここからは移行期に突入するというふうに思っています。

その意味では、これまで教育にかかってきた費用とは少し違う負担が生まれてくる、プラスアルファの負担が生まれてくるという部分だというふうに私は理解をしています。特に、先ほどからのお話も含めてでありますが、例えば、ハードの面は地方交付税措置である程度賄いましょうということ、あるいはソフトの部分は設置者の負担というふうなことになってくるわけでありますが、問題なのは、その移行期に子供たち一人一人にきめ細やかにその教育機会が届くかどうかということが大事だというふうに思っております。

そういたしますと、先ほどの、例えば教育用のパソコンでありますとかあるいはタブレット端末でありますとかということを文部科学省に伺いますと、まずこのスタート段階では三人に一人だ、こういう話でございました。これでいいのかということであります。先ほどの地方自治体の間での格差というものが、そうした児童生徒の学習環境の格差につながってしまうということではいかぬというふうに思うんです。

更に申し上げますと、先ほど教具ということの取扱いの話がございましたが、仮に教具とした場合には学校予算からの負担になります。その学校の予算、特に校長裁量などを含めた予算が、そこに新たに賄うだけの負担を抱えられる余力があるかというところ、特に、今学校現場のハード面の整備は本当に汗をかいてもつらい状況が続いているという中で、そこが大丈夫かというふうに思うわけであります。

学用品ということにした場合には、先ほど就学援助という言葉がございましたが、就学援助の金額の算定の基準の中に、そうしたICT教育に向けた新たな個人負担というものも計算に入れてやってきたかという点は、確認をしたいというふうに思うわけであります。

大臣、この教具や学用品というところでのこれまでの予算の発想とはちょっと違う状況になってきていることを踏まえて、足りないんじゃないですかね。この新たな支援の部分、予算面の支援というのは必要なんじゃないか。新たな段階へステップを踏む移行期だからこそ、もう一押し必要なのではないかというふうに思いますが、この点、いかがでしょうか。

○林国務大臣

先ほど来申し上げておりますこの地財措置でございます。学校において最低限必要とされて優先的に整備すべきICT機器等に関して、学校におけるICT環境の整備方針を策定しておりまして、同方針を踏まえた環境整備五カ年計画、そこに今先生がおっしゃっていただいたようなことに関する方針を定めて、それに基づいてこの単年度の千八百五億円の地方財政措置ということになっておりますので、基本的にはそこで見ていくということになろうか、こういうふうに思っております。

それから、先ほど足りるのかというお話がございましたが、学習者用コンピューター、三クラスに一クラス分程度ということを目標としているわけですが、これは、先進校等における取組事例等も踏まえて、各学校においておおむね一日に一授業分程度、児童生徒が一人一台の端末環境で学習できる環境を実現することが必要、こういう考えに基づくものでございます。

今回の改正は、教育課程の一部において必要に応じて紙にかえてデジタルを使用できる、こういうことでございますので、三クラスに一クラス分程度の先ほど申し上げましたような学習者用コンピューターが整備されていれば、デジタル教科書の導入は可能であるというふうに考えております。

○城井委員

今の大臣の御説明ですと、いわゆる教具の取扱いの部分については、先ほどからのお話の予算で何とかカバーができるんじゃないかというふうに、今のお話では理解を私もいたします。

その上で、学用品の取扱いになった場合に、先ほどの就学援助でカバーする予算にもともと想定にない中身だというふうに思われますが、この点はいかがですか。

○林国務大臣

そちらの方も、この千八百五億円の措置の対象になり得るということでございますが、大きな額をそれほど想定しているわけではないということでございます。

失礼いたしました。そちらの方は千八百五億円の対象にはなっていないということでございました。失礼いたしました。余り大きな額にはならないだろうというふうには想定をしております。そこは一緒でございます。

○城井委員

特に、家庭における個人負担ということになると思いますので、ここは細やかに見ていただきたいというふうに思います。やはり各家庭の事情も異なりますし、何よりも、その学齢の学びはその年にしかないというふうに思いますので、小学校三年生がその学びに当たったならば、そこで格差が出てしまうようでは困るということをぜひ改めて確認をいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。

続いて、先ほどからも議論がありました長時間の使用による健康への影響についてであります。

先ほど吉田委員からの質問にも幾つかございましたけれども、例えば、学びのイノベーション事業での健康の影響の調査を行ったというふうに大臣の答弁がございましたけれども、この事業での調査も含めてありますが、専門家からの意見聴取を含めたところはくぐっての今回の法案ということに至っているんでしょうか。専門家とのやりとりというのはどのようなやりとりがありましたでしょうか。

○林国務大臣

今お話しいただいた学びのイノベーション事業は、ICTの活用に伴う児童生徒の健康面への影響等に関する配慮事項について調査を実施したわけですが、タブレット端末、電子黒板を活用した授業の時数にかかわらず、目の疲れを感じた児童生徒の割合には有意な差は見られなかった、ただ、電子黒板等の画面が見えにくかった場合には、目の疲れの変化に統計的な有意差が見られるという結果が得られたところでございます。

こうした結果を踏まえて、眼科の専門家により、学校でのICTの利用時間程度であれば児童生徒の健康面への影響は生じないと考えられますが、一方で、タブレット端末や電子黒板を集中して見続けるとドライアイになりやすくなることから、授業では、タブレット端末や電子黒板を長時間集中して見続けることがないように配慮が必要であるということなど、健康面への影響について知見が得られたところでございます。

○城井委員

33先ほどの吉田委員の質問の中での御答弁でございましたが、特に子供の長時間使用の時間めどについてであります。今後の、活用のためのガイドブックあたりには、大人のめどでありますがということで連続作業が一時間を超えないというお話がございましたけれども、大臣、やはり子供向けの時間めどをきちんと明示すべきだというふうに思うんです。

なぜかと申しますと、学校で使う分は先生方も含めて把握がしやすいと思うんですが、問題は、家庭学習も含めたトータルの時間だというふうに思うんですね。だから、家庭学習を含めた時間めどをやはりきちんと示しておくということが重要なのではないか。特に、寝転がって使うということも含めた自宅での使用方法も含めて明示をする。

これはガイドラインの世界なのかもしれませんけれども、この点を家庭の教育方針だけにはなかなか任せにくいのではないかというふうに思っておりまして、この点の使用方法と、そして子供向けの時間の明示ということはやろうということを大臣におっしゃっていただきたいんですが、いかがでしょうか。

○林国務大臣

二十六年のガイドブックには、厚生労働省の、大人の場合の連続使用は一時間ということを紹介しているということは、先ほど吉田委員にもお答えしたとおりでございます。

吉田委員からも、それは大人であるからと、こういうことの御指摘をいただいたところでございますので、今度はガイドラインを策定していくに当たっては、子供であるということ、それから授業中に使うということ等、当然いろいろなケースがあると思いますが、うちに持ち帰っていただけるようになった場合はうちでも使われる。先ほど吉田委員は、寝る前三時間だったかな、三時間は使わない方がいいというようなことをおっしゃっておられましたが、そういうことも含めて、専門家の知見を更にいただいて、しっかりとガイドラインに記載をする方向で検討したいと思っております。

○城井委員

ぜひお願いしたいというふうに思います。

一度健康を害すると、戻すのは大変だというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

続いて、デジタル教科書の学習効果の認識について質問申し上げたいと思います。認識と評価についてであります。

特に、家庭学習、自動採点、個別指導、協働学習、学習の記録、こうしたものが今回のデジタル教科書の導入でのメリットだということで、政府側からも説明があっております。こうした観点で、本当に有効かどうかというのをお示しいただければというふうに思いますが、これまでの紙の教科書をベースにした教育と、今回のデジタル教科書を使った場合に、今挙げたような観点での方法、新旧の方法を比較する検証を行ったか、確認したか、その内容はいかがかという点、大臣から具体的にお示しをいただきたいと思いますが、お願いします。

○林国務大臣

ICTを活用した教育の効果としては、例えば、児童生徒の学力テスト及び授業に対する意識調査の結果を比較した場合に、授業においてドリル学習や各自が考えをまとめる際などにタブレット端末を活用した場合の方が、小学校においては、知識、理解、思考、判断、表現、技能の観点において市販のテストの成績が高い、それから、児童生徒の授業に対する評価が高く、新しい考えを見つけたり、授業に集中して取り組むことができる、こういった傾向が示されているところでございます。

一方で、御指摘の家庭学習、自動採点、個別指導、協働学習、学習の記録というのは、さまざまな方法についてそれぞれ特化した検証というのは行っておりませんで、デジタル教科書の使用と学力の関係については、現段階で一概に説明するということは困難であるというふうに考えております。

文科省としては、今後、デジタル教科書のあり方について検討していくために、その使用による教育上の効果、影響等、客観的、定量的な観点も含めて把握、検証していく、これは非常に重要なことであると思っておりますので、その調査研究方法についてもしっかりと検討してまいりたいと思っております。

○城井委員

ありがとうございます。

私も、今おっしゃっていただいた定量的な観点での検証が必要だというふうに思っています。ですので、今後、移行期たる時期に進めていく段階から既にその検証をぜひ始めていただきたいというふうに思っております。

先ほど幾つか例示をいただいたもので申しますと、例えば、意欲や動機づけのアップといったところは少々定性的な面があります。市販テストの結果がアップしたというところは定量的な部分と一つ見ていいかなというふうに思いますが、裏づけとしてはちょっと弱いというふうに思っております。その意味で、科学的根拠、エビデンスをきちんと捉えた上での学習効果の判断が必要だというふうに思っております。

先ほど、定量的なというふうにおっしゃっていただきましたが、定量的かつ継続的な検証材料を確認していくということをぜひ大臣におっしゃっていただきたいと思いますが、この点いかがですか。

○林国務大臣

先ほど申し上げましたように、デジタル教科書の使用と学力の関係について、一概に現段階では評価が難しいところでありまして、健康面の影響等、プラスとマイナス両方あり得るということですので、今回は併用とさせていただいて、段階的に導入を進めていくということになってきたところでございます。

ことし三月に第三期教育振興基本計画を中教審において取りまとめられておりますが、教育政策を進めていくに当たって、客観的な根拠に基づくPDCAサイクルの確立を更に進めていくということの必要性が盛り込まれたところでございますので、こうした文教政策全般にかかわる基本的な方向性というのを踏まえて、今後、デジタル教科書のあり方について検討していくためには、その使用による教育上の効果、影響等、客観的、定量的な観点も含めて把握、検証することは非常に重要でございますので、その調査研究方法についてしっかりと検討していきたいと思っております。

○城井委員

ぜひよろしくお願いいたします。

続いて、デジタル教科書の活用について、それを担う教員の部分について、私からもお伺いしたいと思います。

先ほどの質疑の中でも、今回の「情報」の教員として当たれる人数ということで七五%という数字がございましたけれども、あと三割弱、人数が足りないというふうに思います。教員の研修も必須だというふうに思います。

この教員の研修、技能の向上についての足りない部分をいつまでに満たしていくか。先ほど申したように、子供たちの教育機会はそのタイミングしかないというふうに思いますと、これは急ぐべきだというふうに思いますが、この点について、特に時期の明示を含めて、大臣、御所見をお伺いしたいと思います。

○林国務大臣

先ほど申し上げましたように、デジタル教科書の活用を含めて、学校における教育の情報化を進めていくためには、まさに今、委員から御指摘があったように、教師のICT活用指導力を向上させるということが重要でございます

が、二〇一七年現在で、ICTを活用して指導することができる教員の割合は七五%ということでございます。

時系列的に言いますと、平成十九年が五二%ということで、そこから右肩上がりで順調には推移をしてきておるわけでございますが、やはり、主として、教育委員会や学校における研修の機会がまだ不十分である、それからICT環境整備そのものがおくれているので使えない、こういった課題があると考えております。

したがって、一つ目の課題に関しては、教育職員免許法の施行規則を改正いたしまして、大学の教職課程におきまして、教育の方法及び技術に関する科目に加えて、各教科の指導法を学ぶ授業科目の中でも必ず情報機器及び教材の活用を含めた内容を習得させることとするとともに、独立行政法人の教職員支援機構において、各地域における教育の情報化を推進する指導者養成のための研修を行うこと、ICTを効果的に活用した指導方法に係る実践事例集や各学校内部で研修を担う人材を養成するための手引を作成、配付すること等によりまして、教師のICT活用指導力の向上に努めておるところでございます。

また、二つ目の課題に関しては、各教育委員会、学校に対するICTを活用した教育の必要性の理解及びICT環境整備の促進を図ってまいりたいと思っております。

今回のデジタル教科書につきましては、ガイドラインを通じて適切に使用するように努めてまいりたいと思います。先ほど申し上げましたカーブがなるべく上に上がっていくように、しっかりと頑張ってまいりたいと思っております。

○城井委員

私、教員研修センターに視察に伺ったことがあります。情報の授業を担う地域の先生方を研修するための先生の役をする教員の方々の研修の現場に立ち会っての視察でございました。

その視察の折に、その教員の方々と懇談会の場をいただきまして、実際にそういう、当時はパソコンで教育を広げていく、あるいは学校の業務にパソコンを入れていくときにどんなことが困りますかね、こういう質問をしたことがございました。

その折に、とても言いにくそうだったんですが、おっしゃりましたのが、ほかの先生からパソコンが壊れたので面倒を見てくれと言われるとか、そういう、本来の業務改善ですとか、あるいは子供たちの教育のためにというのとはちょっと違う部分での役割を担うようなことが言われたというようなことでございまして、そこは逃れがたいですねというようなことを言ったわけです。

これは恐らく、民間の企業なども含めて、そうした役割の方はいるんだろうというふうに思うんですが、ただ、折からの教員の多忙化もあり、教員の働き方改革と言っているこの時期にもう一手間仕事がふえてしまうとなりますと、若干、本末転倒だというふうに思うんです。

そこで、ICTの支援員の配置が重要になってくるというふうに思います。そういたしますと、ICT支援員がおられますと、デジタル教科書にかかわるICT機器の例えば故障やトラブルなど、学校業務に支障が出るおそれを少しでも減らすことができるのではないかというふうに思うんです。

ただ、このICT支援員の配置を促進するという対応をぜひすべきだというふうに思いますけれども、大臣、どこまでできますかね。この点をぜひお示ししていただきたいと思います。

○林国務大臣

教員がICTを活用して授業を円滑に行えるように、教員のICT活用をサポートするICT支援員の配置を進めることは大変重要であると考えております。

このため、ICT支援員の配置に係る所要の経費については地方財政措置が講じられているところでありまして、これもやはり、各自治体にその意義を周知しておるところでございます。

今後とも、必要なICT支援員の配置がなされるように地方財政措置の積極的な活用を促してまいりたいと思っておりますし、また、先生方それぞれがレベルアップをしていただくということとICTの支援員の配置、あわせてしっかりやっていくことが肝要だと思っております。

○城井委員

しっかりというふうにおっしゃっていただきましたが、大臣、ここでもきめ細やかさが大事だというふうに思っています。

今回の地方財政措置で、さて、どれぐらいの学校にICT支援員が届くでしょうか。各校の配置割合はどのようなめどで見られているか。後押しをしていくという気合いはわかったんですが、どれぐらい届くかというところを具体的にお示しいただけますか。

○林国務大臣

教員のICT化に向けた環境整備五カ年計画に基づく地方財政措置では、四校に一人の割合、全国で約八千人になりますが、この割合でICT支援員を配置することを想定して積算

をしておるところでございます。

○城井委員

四校に三校は届いていないということでございますが、これで足りますでしょうか。その目標の配置の根拠はございますか。

○林国務大臣

ずっとそこに一人張りつきにならないと、それぐらいの頻度でパソコンが壊れるかといえば、そういうことではなかろうと思いますので、一人が四校のうちの一校に行って、残りの

三校に行かないというわけではなくて、できればやはり巡回をしながら、それぞれのレベルをアップしていっていただくように配置をできればというふうに考えております。

○城井委員

続きまして、ガイドラインについて少し伺いたいと思います。

デジタル教科書の活用については、ガイドラインで事例を示すということでございました。このガイドライン作成のスケジュールを具体的にお示しいただきたいと思いますが、先ほどからのお話で年内というお話があったかというふうに思いますけれども、私の関心は、来年四月の施行に向けた教育現場の準備が間に合うかどうか、そこから逆算をしてのスケジュール感を具体的にお示しをいただければと思いますけれども、大臣、お願いいたします。

○林国務大臣

今の指導要領に基づくやつは、先生がおっしゃるように、来年ということになりますので、平成二十九年度から平成三十年度にかけて、今使用されているデジタル教科書の使用実態について、その調査研究を行っております。したがって、その成果も踏まえて有識者によって検討していただいて、法案が成立すればということですが、ことしの末を目途にガイドラインを策定したい、こういうふうに思っております。

○城井委員

ぜひ、教育現場の準備がしっかり間に合うようにということを確認いただきながらで御準備を進めていただければというふうに思います。よろしくお願いしたいと思います。

続いて、子供の行動の検証について一点触れさせてください。

実際にタブレット端末などを子供が触れてしまいますと、間違いなく遊んでしまう。優秀な子供さんに至っては、ロックの解除をしてアプリをダウンロードして勝手に遊ぶというケースは十分あり得るというふうに思っています。そうやって違うことをやってしまうことで子供の注意が散漫になることは間違いないと思っておりまして、大きな課題だというふうに思っています。

技術の進歩よりも子供の成長の方が速いというふうに私は思っておりますが、こうした部分について、子供の行動についての検証が必要だと思いますし、これまでもされているというふうに思いますけれども、この点について、大臣、いかがでしょうか。

○林国務大臣

得意な子は本当に得意ですから、いろいろなことを大人よりもできる。我が家もそうなんですけれども、そういうことで、先ほど申し上げたようなハイライト、書き込み、いろいろメリットもございますし、一方で、今、委員がおっしゃったように、児童生徒の注意が散漫になるという可能性についても指摘をいただいております。

こういった観点にも留意をしながら、ガイドラインの中に導入に当たっての留意点をしっかりと盛り込んでいきたいというふうに思っておりまして、そういったところを含めて、教育上の効果や影響等を検証していかなければならないと思っております。

○城井委員

我が家でも、四歳の子供が親のスマホを取り上げてSNSでメッセージを送るという事態が発生しておりまして、我々の常識は通用しないということになっていると思っております。ですので、そういう意味では、予断を持たずに客観的な検証をぜひお願いしたいというふうに思います。

最後に一点、紙の教科書との併存について確認をさせてください。

我が国では、紙の教科書を使って授業の実践、教科の研究が積み重ねられてまいりました。今でも、自主的なものも含めて、教員の方々が努力を積み重ねていただいています。先ほど西岡委員からも指摘がありましたけれども、そうした学校文化のもとで、学力だけではなくて、人間性も培われてきたということであります。

紙の教科書とデジタル教科書の併存で、今後、こうした、よき学校文化は維持されるでしょうか。ぜひしていくべきだというふうに思いますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

○林国務大臣

デジタル教科書、何遍も申し上げてきたように、やはり、この使用がプラスとマイナスの両面の効果、影響も持ち得るということで、段階的にその導入を進めていくことが適当である

と思っております。

したがって、必要に応じて紙の教科書にかえてデジタル教科書を使用するわけですが、紙の教科書を主として使用する、こういうふうにさせていただいております。

今後、策定を予定しているガイドラインにおいても、紙の教科書を基本としてデジタル教科書を適切に組み合わせること等の教育課程の編成や、具体の指導における工夫、配慮を行うこと、また、PDCAサイクルを確立して、評価、見直しを行うこと等を規定したい、こういうふうに思っております。

さらに、文科省としては、デジタル教科書の使用による教育上の効果、影響等を把握、検証して、その効果等を踏まえながら、デジタル教科書のあり方について検討していきたいと思っております。

デジタル教科書の導入によって児童生徒の教育の充実が図られるということが重要でありますので、紙との併用をしっかりと段階的に進めていくことによって、今、先生からお話のあったような学校現場の混乱というのが起こっちゃいけませんので、こういうことを避けながら、円滑にデジタル教科書の導入を図ってまいりたいと思っております。

○城井委員

学校現場からも、これまでの取組を新しい道具で表現することができるならそれはそれでおもしろいという声も伝わってきておりますので、ぜひ文部科学省においても、その点も御支援をお願いしたいというふうに思います。

きょうは、学校教育のICT化の移行期を踏まえてということで順次質問を申し上げてまいりました。

今後、国会の側からも、超党派での議員立法で、学校教育の情報化、ICT化の推進の法律案を提出いたす今準備をいたしておりまして、間もなくの提出になろうかというふうに思います。ぜひ各党の御協力もいただきながら、きょうの御議論を踏まえてでありますけれども、政府の姿勢を今後も確認いたしながら、そして、改善提案を私どもから申し上げて、そして子供たちの健全な学びと育ちを応援してまいりたいというふうに思いますので、引き続きの御支援をお願いしたいというふうに思います。

私からの質問は以上とさせていただきます。ありがとうございました。