教育現場への不当介入問題、大学における給付型奨学金、大学における貸与型奨学金、大学における研究費確保、高大接続改革・特に大学入試共通テスト、教育機会確保法にまつわる課題と問題点(特にフリースクールの質の確保)について

2018年3月30日衆議院文部科学委員会

 

○冨岡委員長

次に、城井崇君。

○城井委員

希望の党の城井崇でございます。文部科学委員会での質問は八年ぶりになります。大臣、どうぞよろしくお願いいたします。まず、名古屋市立中学校での総合の授業での教育現場への不当介入の問題について、やはり質問せねばなりません。幾つか申し上げたいというふうに思います。

今回の問題は、まず、教育基本法によりますと、本来、教育は不当な支配に服することなく行うべきだというふうにされております。教育現場の内容については、まず教育委員会が当たるべきだということであります。

これまでにも、予算委員会を始めとした国会審議や、四回にわたる野党六党での合同ヒアリングなども行ってまいりましたが、こうした中で明らかになりましたのは、そもそも、名古屋市教育委員会は、講師の前川氏について事前に了解をしていたということ、それなのに、行われた調査の質問の量や内容、録音記録の提出要求などから見て、事実上、校長を問い詰めたと言ってよい状況だったというふうに受けとめています。

回答後には追加の報告も求められました。学校の判断に問題があったと言わんばかりでございました。結果としては問題なかった、問題が見つからなかったというのが文部科学省からの答えでありました。

ねちっこくていんぎん無礼な文体で、個別の学校の授業内容や講師の言動、動員の数まで数度にわたってチェックをするのは、さすがに文部科学省による学校現場への検閲ではないか、行き過ぎではないかというふうに言わざるを得ないというふうに思っています。

今回の文部科学省の対応は大変残念ですが、学校現場への不当な介入というふうに言わざるを得ません。

しかも、この調査が、我々からのヒアリングが進むにつれて、自民党議員による調査内容への添削という政治圧力も残念ながら確認をされたところであります。事実経過や政治家のかかわり、学校現場への今後の対応、そして前川氏を含めた外部講師選定への今後の対応など、明らかにしていかなければなりません。

そこで、一点、大臣にお伺いをいたします。

お手元に、委員の皆様にもお配りしておりますが、資料の二枚目をごらんいただければというふうに思います。

お伺いしたいのは、情報照会をしたとされる政治家の影響についてであります。

これまでにも、自民党の赤池議員やあるいは池田佳隆議員の情報照会があったということは、文部科学省からも報告があったところであります。この具体的な部分でございますけれども、三月の一日の夕方にメールなどのやりとりが行われたということが明らかになっております。このやりとりで調査内容の変更が行われました。

この資料二枚目のメールは、文部科学省から夕方に二度メールが送られておりますけれども、その二枚目であります。

一通目は、三月一日の木曜日、十七時四分のタイムスタンプ、そして、二通目が十七時四十四分のタイムスタンプということであります。約四十分の間での、二通、文部科学省から送られているという状況であります。

この二〇一八年三月一日十七時四十四分の文部科学省初等中等教育局教育課程課課長補佐から池田佳隆議員に宛てた公用電子メールで、このように記述があります。「池田先生から頂戴しました三カ所の修正を加えた質問状を再送させて頂きます。 こちらをもって先に進めさせて頂きたく存じます。」とあります。

「池田先生から頂戴しました三カ所の修正を加えた」という調査の質問修正は、調査そのものの内容に影響する行為であります。なぜ、大臣を含めて文部科学省の皆さんは、調査に関する文部科学省の判断に影響はない、政治家の情報照会は影響はないというふうにうそをおっしゃったんでしょうか。この「池田先生から頂戴しました三カ所の修正を加えた」という文言は、まさに調査そのものへ影響するものだというふうに考えますけれども、大臣、御見解をお伺いしたいと思います。

○林国務大臣

今示していただきましたメールは既に公開をさせていただいたものでございますが、「先ほどは池田先生に表記の質問状案をご覧頂きまして誠にありがとうございました。池田先生から頂戴しました三カ所の修正を加えた質問状を再送させて頂きます。 こちらをもって先に進めさせて頂きたく存じます。」と書かれております。

ここでは池田議員から「頂戴しました三カ所の修正」と表現しておりますが、このうち「三カ所」という部分については職員の認識の誤りでありまして、あくまで事実関係としては二カ所コメントをいただいたということでございます。

また、この表現でございますが、これは国会議員に対する儀礼的な表現で使ったということでございまして、最終的な文案についてはあくまでも初中局の判断で行ったというふうに聞いております。

○城井委員

文部科学省から提供いただいた公用電子メールの文言であります。儀礼的ということ

で逃れられる内容ではないというふうに思います。書いてある部分が重要だと思います。

「池田先生から頂戴しました三カ所の修正を加えた」というふうになっております。課長補佐がみずから書き起こしたメールでございます。この点を踏まえて、大臣、もう一度御答弁をお願いいたします。

○林国務大臣

箇所数については先ほど申し上げたとおりでございますが、池田議員から頂戴いたしました云々という表現につきましては、教育課程課の職員が、国会議員の先生でございますので、儀礼的にこのような表現を用いたものであるというふうに考えております。

○城井委員

大臣、明確に、「修正を加えた」というところで、影響があっているということをメ

ールが物語っているわけです。その部分を逃れて、今回の事実経過と事の真相に目をきちんと向けているかと言われれば、そこは向けることができていないということを、ぜひ大臣、御自覚をいただきたいというふうに思います。

この政治家のかかわりを含めて、事実経過なども含めて、相当に確認をせねばならぬところがある。ここまでにも、他党の議員も含めてでありますけれども、後ほど我が党議員を含めて質問があると思いますけれども、こうした確認をせねばいけない部分がたくさんあるわけでありますが、その一方で、新年度に向けて、今、各学校現場でも授業の準備が進んでおります。学校現場が今回の一件で萎縮するようなことは絶対にあってはならぬというふうに思うわけであります。

その点を踏まえて、二点、大臣に確認をしたいというふうに思います。

一つは、今後の学校現場に対する文部科学省の基本姿勢についてであります。

今回のような行き過ぎた調査、不当介入ということがあってはならぬということ、本来の法律の運用に戻していただきたいという趣旨で以下の確認をいたしたいというふうに思いますが、公立学校に関する事務は基本的には自治事務であり、各教育委員会の権限と責任において適切に処理されるものである、このため、これらの事務に当たっては、教育委員会はもとより、教育委員を任命した地方公共団体の長やこれに同意した地方議会がまず主体的に適切に判断すべき、その上で必要があれば文部科学省も確認対応すべき、こうした認

識に立つべきだというふうに思いますけれども、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

○林国務大臣

「教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正か

つ適正に行われなければならない。」とされておりまして、地方の自主性と現場の創意工夫を前提としつつ、適切な役割分担が重要であると考えております。

この点、公立学校に関する事務は基本的には自治事務であり、教育に関する実務の管理及び執行については、本来、学校の設置者である教育委員会若しくは学校の権限と責任において適切に行われるべきものであると考えております。

○城井委員

ありがとうございます。

公立学校に関する事務は基本的には自治事務ということで確認をさせていただきました。ありがとうございます。

もう一点、確認をさせてください。外部講師の今後の選任についてであります。

今後、前川氏を含めて、外部講師の選任に当たっては、授業の狙いや内容、講師を招く理由や経歴などについて、学校や教育委員会において十分に検討され、適切な配慮が行われており、そして、文部科学省も確認をできる場合には、今回のような行き過ぎた調査や文書による問合せは不要だ、こうした認識でよろしいでしょうか。

○林国務大臣

その方向で対応してまいりたいと考えております。

○城井委員

ありがとうございます。二点、確認させていただきました。

今後も、事実経過や政治家のかかわりなど、確認すべき点が大変多くございます。大臣所信の質疑で十分な審議を行っていくというのは難しいというふうに考えておりますので、ぜひ委員長、集中審議の実施を改めてお願いしたいというふうに思います。

○冨岡委員長

理事会で検討させていただきます。

○城井委員

続いて、大臣所信に対する質問をさせていただきたいというふうに思います。

まず、奨学金についてお伺いをというふうに思っておりましたけれども、貸与型の奨学金についてお伺いをいたしたいというふうに思います。

貸与型の奨学金については、これまでも与野党が協力しながら、そして政府の努力もあり、改善が進んでいます。必要な学生が皆利用できる形にたどり着いてきたということは大変評価をしたいというふうに思っています。

しかし、心配はまだあります。何か。それは、返済中の奨学生が滞納している、しかも、その滞納が続いたことで、奨学金破産、奨学金自殺という痛ましい状況が生まれていることであります。けさの朝日新聞でも、朝日新聞の記事に対する反響ということで記事が載っておりましたけれども、この五年間で延べ一万五千人の奨学生が破産という憂き目に遭っている、こういう状況であります。

昨年春からの新規の奨学生には、所得連動型返済が適用されました。これは極めて前向きな取組だと思います。それ以前に借りた奨学生や返済中の元奨学生は、従来のルールのままであります。今は、二十代前半の約半数がパートやアルバイト、臨時社員、派遣社員という形で働いており、収入が限られております。借りたものを返すのが世の中のルールであることは十二分に承知をしておりますが、そうした若い世代の物理的な状況を見て、工夫ができないものかというふうに思うわけであります。

大臣、この日本社会をこれから支える若い世代、特に返済中の奨学生こそ所得連動型返済の制度を適用すべきだというふうに考えるわけでありますが、ぜひ国として、この制度導入を検討いただけないでしょうか。

○林国務大臣

今先生からお話がありましたように、さまざまな事情で、卒業後、厳しい経済状況に置かれ、奨学金の返還が困難な方に対しては、きめ細やかな対応が必要だというふうに考えてお

ります。

既に奨学金の返還を開始している方に対する負担軽減策としては、所得連動返還型制度創設時の有識者会議での議論も踏まえて、減額返還制度の拡充により対応を図るということといたしております。

具体的に申し上げますと、今年度から、従来の二分の一の減額に加えまして、新たに三分の一に減額することを可能とする減額幅の拡充を行うとともに、適用期間を十年から十五年間に延長いたしまして、制度の充実を図ったところでございます。

また、本人の収入が一定以下の場合に、申請により返還を猶予する制度、これも実施をしておりまして、文科省としては、こういった制度を着実に実施をしていくことによりまして、既卒者も含めた奨学金の返還負担の軽減に努めていきたいと考えております。

○城井委員

これまでの文部科学省における御努力は、必要な部分に少しでも届けたいということで頑張っていただいていることは評価をいたしたいと思いますけれども、これまでの仕組みのもとで、この五年間の奨学金による破産が延べ一万五千人という状況でございますので、もう一歩踏み込んでいただきたい。特に、マイナンバーも導入をされました。所得把握についても前進をしているというふうに思います。そうした仕組みの活用も含めて、返済中の奨学生にこそ所得連動型返済の導入をぜひお願いしたいと思いますので、御検討をお願いしたいというふうに思います。

続いて、大学における研究費の確保についてお伺いいたしたいと思います。配付資料の一枚目をごらんいただきたいと思います。

研究現場とインターネットというのは相性がよいようでございまして、インターネット上でも研究費をめぐる議論は活発に交わされております。この図は、元大学職員の方が、その議論をまとめていただいたものでございます。関心は、研究費の総額はふえているのに、なぜ現場で不足しているのかということであります。

この図によりますと、左側が本来国として目指している形、つまり運営費交付金や私学助成金などで事務・生活費を賄い、そして常備している実験機材などのお金に充てる。そして、競争的資金などを含めて、ここでは「なんか凄いことに必要なお金」というざっくりした言い方で書いておりますけれども、iPS細胞やAIやイノベーションといった最先端の部分にこうしたものが充てられていくだろう、こうした想定であるわけでありますが、実際に研究現場に目を向けますとということで意見が交わされましたのは、「なんか凄いことに必要なお金」のところは余っている。しかし、足りていないところに転用することはできな

いという状況。しかし、ふだん必要な事務・生活費や常備する実験機材等のお金の部分が不足している。大学関係者はここの不足分を補ってほしいということを言っている。なので、政府や財務省の認識、文部科学省の認識と、大学関係者が実際置かれている状況というのが離れている状況があるというのがこの図の核心であります。

せんだって自民党の安藤委員さんからの質問でも総括的に触れられましたけれども、実際に統計に当たりますと、この内部資金と外部資金を合わせた大学研究者一人当たりの研究費が二十年余り横ばいで来ています。その中で、基盤的経費と公募型資金のバランスが公募型資金に傾斜することなどによりまして、基盤的資金を原資とした一人当たりの公費が減少しています。

このため、多くの研究者は、外部資金とあわせて獲得して研究活動を実施しています。外部資金は一部の大学や研究者に集中する傾向がありますので、研究費の過度の集中が生じて、研究者によっては研究の継続に支障が生じているとの声があります。職員の雇いどめだとして争いになるような大学も出てきております。

研究基盤をしっかりとした体制にするために、基盤的経費を原資とした一人当たりの公費を増加する政策が必要だというふうに考えますけれども、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

○林国務大臣

このツイッターの資料、「なんか凄いこと」ということですが、これも大事なことであるとは思いますが、一方で、今委員からお話のあったように、基盤的経費が重要であることは我々もしっかりと認識をしておるところでございます。

国立大学法人のまず運営費交付金等でございますが、法人化ができた平成十六年度と平成二十七年度の予算額を比較しますと千四百七十億円減少ということでございますが、平成二十八年度で前年度同額、一兆九百四十五億円、平成二十九年度予算では、わずかということかもしれませんが、法人化以降初となる増で一兆九百七十一億円を確保して、平成三十年度もその同額を確保しているところでございます。

そういった状況でございますが、一方、私立大学等経常費補助金については減少ないし横ばいですが、平成三十年度では対前年度二億円増の三千百五十四億円ということでございますので、文科省が実施した個人研究費等の実態に関するアンケートでも、国立大学教員についても、年間の個人研究費が五十万円未満のものが六割という結果も出るということで、国立大学の教育研究基盤の強化は大変大きな課題だと思っております。

今後とも、各大学が継続的、安定的に教育研究活動を実施できるよう、運営費交付金等の基盤的経費の確保に努めてまいりたいと思っております。

○城井委員

ありがとうございます。最先端の研究もやるべきというのは言うまでもない部分でございます。ただ、競争的資金の方に目を向けましても厳しい状況があると思っておりまして、特に採択率の低さが課題だというふうに考えています。

競争的資金の五割以上を占めているいわゆる科研費では、新規採択率がこの六年間でどのような状況になっているかというところに、ぜひ大臣、目を向けていただきたいというように思います。平成二十九年度で二五%と、平成二十四年以降、六年連続で減少しております。

採択率の引上げが若手研究者の研究費確保につながります。先ほどの五十万円以下という、ここで踏ん張らなきゃいけない若手の研究者の支えにもなると思います。

大臣、この採択率の引上げをぜひ御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○林国務大臣

おっしゃられましたように、平成二十四年度から平成二十九年度までの直近六年間の科研費の助成事業の新規採択率は、平成二十四年度の二八・三%から、二十九年度には二五・

%と、三・三ポイント六年間で減少しております。特に平成二十九年度なんですが、前年度と比較して、新規採択率が一・四ポイント減少しております。

この背景として、平成二十九年度から、論文等の実績よりもアイデアの斬新性等を重視する研究種目として新たに創設をいたしました挑戦的研究というのがございますが、ここにおいてその趣旨に沿った研究課題を厳選したため、新規採択率としては一〇%になっておるということで、これが全体の採択率低下の要因の一つとなっておるところでございます。

この挑戦的研究、それから、その前身は挑戦的萌芽研究という名前でございましたが、これを除きますと、全体としての新規採択率は、直近六年を通じて大体二七%から二八%ということを維持しておるわけでございますが、今後とも、さらなる学術研究の振興に向けて、科研費の充実と質の向上ということをしっかり図っていきたいと思っております。

○城井委員

今大臣からもございました挑戦的なということになった場合に、どうしても最新鋭、最先端の研究の名前がつかないと研究費を得ることができないというふうなところに現場の研究者が追い立てられているという実情がございます。そこがあるからこそ、きょう私が、基礎的な研究の部分や学校でのふだんの研究の準備の部分について目を向けなきゃいけませんよということをあえて申し上げている次第でございます。

今申しました基礎研究や日ごろの学校運営にかかわる部分、特に、現場で不足している事務・生活費でありますとか常備する実験機材等の費用についての手当て、ぜひここはお考えいただきたいと思いますけれども、大臣、改めて御見解をお願いしたいと思います。

○林国務大臣

ノーベル賞を受賞されました大隅先生や梶田先生のような方からも、やはり基礎研究の充実が大事であるということを御発信なさっておられますし、私も直接お話をお伺いする機会がございましたので、先ほど申し上げたように、基盤的経費の確保というのはしっかりとやってまいりたいと思っております。

○城井委員

ぜひよろしくお願いいたします。続きまして、高大接続改革、特に大学入試の共通テストについてお伺いいたしたいと思います。

せんだって試行試験もございまして、準備が進んでいるというふうに認識をいたしておりますが、この中で、心配、懸念の声がある点が幾つかございますが、そのうちの一つが、いわゆる英語の民間試験の導入についてであります。

この部分について心配、懸念、どんなことがあるかということで申し上げますと、一つには、民間の資格検定試験とマーク式の共通テストが平成三十五年までは併存するという状況になります。

受験生は双方の準備が必要になるということで、学習上の負担が大きくなるおそれがあります。

更に申しますと、今回の民間試験の出題を見ますと、高校の学習指導要領の範囲の外の部分がある。高校での学びをはかる目的、用途であるにもかかわらず、学習指導要領の範囲外からも出題される英語の民間試験をそのまま利用するのは、これまでの大学入試の共通テストで言われてまいりました本来の目的とは離れるというふうに考えます。

更に申しますと、費用負担の問題も生じてまいります。この英語の民間試験の受検料の負担が新たに加わってまいりますし、また、受検料のみならず、事前の学習の段階から受験生の経済的負担が増大することにもなります。家庭の経済格差により、事前学習の機会にも大きな格差が生ずるおそれがあります。

また、受験生の家庭の経済状況や、自宅と英語の民間試験の会場との距離などによって、験機会に格差が生ずるおそれもあります。

こうした英語の民間試験を導入するのであれば、今申した経済的負担や機会の不公平を正すことはもとより、少なくとも高校の学習指導要領の範囲の中での取組になるべきだというふうに考えますけれども、こうした英語の民間試験について御指摘のある、私からも指摘をさせていただいた問題点について、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

○林国務大臣

高等学校の学習指導要領は、高等学校において学習する教科等の目標や最低限教えるべき内容を定めている大綱的基準でございまして、実際にも、各学校の教育課程の目標に応じて、より高度な内容を学習することが多く行われているところでございます。

こうした中で、高等学校卒業時点での生徒の英語能力もさまざまでございまして、高い英語能力を習得した生徒を評価する仕組みを用意しておくことも必要だと考えております。

今回、大学入試センターが成績を提供する対象として確認をした資格・検定試験は、それぞれの試験内容について、英語教育等の専門家等が学習指導要領との整合性を確認をしたものでございまして、そういった意味で、大学入学者選抜に用いることに問題はないというふうに考えております。

それから、御負担のお話もいただいたところでございますが、英語の四技能評価の重要性に鑑みまして、文科省としては、資格・検定試験の入学者選抜における活用を働きかけておりますが、最終的には、アドミッションポリシーに応じて各大学において判断をされるということになります。

活用に当たっては、受験者の実施場所や検定料の負担に配慮するために、受験時期、回数を高校三年の四月から十二月までの事前に登録された二回に限るということにしております。

また、今お話のありました低所得世帯の受験生の検定料でございますが、これについても各試験団体において配慮することを検討すると聞いておりまして、文科省としても、四月以降、全国の高校に対して実施する予定の受検ニーズの調査等を踏まえて、実施会場の追加や検定料値下げ等の配慮を求めていきたいというふうに考えております。

さらに、大学入試全体の受験料負担の軽減としては、その具体的な内容は調整中でございますが、昨年十二月に策定された新しい経済政策パッケージにおいて、低所得者層に対する給付型奨学金の中で、大学等の受験料が措置をされることになっておりますので、文科省としては、経済的に困難な受験生の支援を始め、受験生の負担軽減に努めてまいりたいと思っております。

○城井委員

今ほど御答弁いただきましたけれども、一つ一つの御努力をぜひお願いしたいというふうに思いますのと、民間試験が複数にわたりました。内容も異なる、レベルも異なるものでございます。単純に比較することも難しいという指摘も既に出ておりますし、東京大学は不採用の方針ということも聞こえてまいりました。そうした部分も含めて、今の想定のままで前に進むのには少し無理があるという部分があるというふうに考えますので、ぜひ御検討をお願いしたいというふうに思います。

さて、最後に、教育機会確保法にまつわる課題についてお伺いいたしたいというふうに思います。この法律の中でキーワードになる言葉があります。それは、児童生徒についてでありますが、休養の必要性に鑑みという一言であります。学校に通うことができない子供たちに対して休養の必要性というものを位置づけていこう、考えていこうということでございました。

ただ、その折に、休む必要がある子供たちもある、でも、休むことによってリスクを抱える子供たちもいるということに目を向けねばならぬというふうに思っております。

具体的に申し上げますと、休んでいるからということで、学校の教員などからのいわゆるアウトリーチ、家庭訪問の数が減ってしまうという懸念があります。学校の先生方からも、子供たちに、休んでもいいという法律ができたというふうなことで説明しているという誤解もあるというふうに現場から聞きました。これはまずいというふうに思っています。

どうまずいかというのを具体的に申し上げますと、会わないとわからない問題、例えば発達障害というものがあります。発達障害を抱えた児童生徒に向き合ったときに、もしそれが、休むということを理由にして、その子たちに、外部からの教員やあるいは専門的知識のある方がもし当たることができないで放置をされて、最初に、小さなころに、発達障害ですねといって診断があった、そこから改善していく手だてはたくさんあるのに、そこにさわらずに長期間たってしまうということが起こり得てしまう。そもそも、この発達障害というラベリングが全国に広まって、ひとり歩きしてしまっている状況もあります。そうした、かかわることによって改善していけるはずの子供たちが、この休む必要性という言葉でもって違う形で隔離されてしまうということを非常に心配をいたしております。

また、虐待ということについてもそうでありますが、会わないと、その子供が虐待されているかどうかわからない、こういう部分があります。

この発達障害や虐待の可能性というものから遠ざけてしまうような運用にならないように、ぜひ大臣、この法律運用をきちんと見ていただきたいと思いますけれども、この点について大臣の御所見をお伺いして、質問を終わりたいと思います。

○林国務大臣

不登校の要因、背景は、家庭や学校にかかわるものも含めて多様、複雑であることから、不登校児童生徒に対する効果的な支援を行うためには、なぜ不登校になったのか、そしてなぜ続いているのか、それから、当該児童生徒が学校以外の場に行っておられる学習活動状況がもしあれば、こういうことをやはり継続的に把握をすることが必要であるということだと考えております。

個人のプライバシーの保護に配慮するということはもちろんでございますが、不登校児童生徒や保護者の意思を尊重しつつ、やはり家庭への訪問による把握を含めた学校や教育委員会による状況把握を行うことは重要であるということでございまして、個々の不登校児童生徒の状況に応じて効果的に支援がなされるように、機会を捉えて各教育委員会等を指導してまいりたいと思っております。

○城井委員

終わります。ありがとうございました。