教員の能力向上のあり方、奨学金の返済のあり方、科学技術への投資などについて

第173回国会 衆議院文部科学委員会会議録第2号(平成21年11月18日)より抜粋

(前文略)

○田中委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。城井崇君。

○城井委員 民主党の城井崇でございます。
私自身、四年ぶりに国会へと戻していただきまして、久しぶりの質問ということで一生懸命に努めさせていただきたい。特にこの四年間、地元を歩いてまいりまして、多くの声を受けとめてまいりました。その声をぜひ、このたび皆さんのおかげさまで発足をさせていただいた新しい政権の皆様とともに共有をして頑張っていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
まず、川端大臣に対しまして、このたびの大臣就任のお祝いを心から申し上げたいというふうに思っています。
我が民主はこれまでも、チルドレンファースト、子供が第一ということでやってまいりました。その我が民主党政権におけます文部科学部門の総責任者としても、そしてまた、恐らく珍しい形ではないかと思いますが、理系出身の文部科学大臣ということで、教育施策に関しましても、そして科学技術に関しましても、大いなるらつ腕を振るっていただきたいということを期待するところであります。私自身もできる限りの手伝いをぜひ政権党の立場としてさせていただきたいというふうに思うところでありますので、よろしくお願い申し上げます。
まず、せんだっての文部科学大臣のごあいさつからございました、教員の実践的指導力、そして教職員定数を着実に改善、あるいは、経験豊かな社会人や退職教員など地域の教育力を学校現場に生かして云々という趣旨の御発言をいただきました。その一つ一つに関して、特に教員の能力の向上について、新たな政権のもとでの今後の取り組みというところを順次お伺いしていきたいというふうに思っています。
この四年ほど、地元の学校現場の声を多く伺ってまいりまして私自身が強く感じておりますのは、何らか課題や問題があったときに、それは学校の仕事だということで押しつけられることが大変多い。しかし、その肝心の学校、とりわけ教員にかかる期待や負担というものが相当に大きいというのが実情でありました。
細かいところで申しますと、教科指導や生徒指導、部活動、そして職員会議の出席から、年間二百本に及ぶというふうに言われておりますが、教員自身が書かなければならないという報告書のたぐい、そういうものを一つ一つ見てまいりましたときに、結果として、子供と向き合う時間がとれず、日々の雑務といってしまうと少し大げさかもしれませんけれども、要するに、教員の方々に本来果たしてほしい仕事とは違うところに力を割いているんではないかというところが現在の教員の状況としてあるというふうに私自身は実感として持っています。
そこでまずお伺いをしてまいりたいのが、そうしたいわゆる正規の教員の方々と、今、学校現場で多くの専門的な人材といっている方々にさまざまな形でお力添えをいただいているそのそれぞれの位置づけについて、まず確認を含めてお伺いしてまいりたいというふうに思っています。
私自身は、そうした専門的人材、例えば最近でしたら、スクールカウンセラーですとか、あるいは食育に関して申しますと、今、概算要求に上げられているものでいえば、いわゆる栄養教育が足りないという名目での食育支援、あるいは、理科教育に携われるそういう専門的な能力をしっかり持った方がなかなかに得がたいというところで理科支援員という話などが出てきているわけでありますが、そうした専門的人材の力をかりるということも大事なところがありますけれども、むしろ、正規の教員が教育のプロとしてそのど真ん中で手綱を締めてしっかり握ってやっていくということが必要なんじゃないか。
特に、先ほど申した教科指導や生徒指導という子供たちと向き合う本分の部分とそして学校運営にかかわるところというのは、やはり、求められる資質、素質が少し違うんじゃないか。そういったところを切り分けながら、役割分担していく仕組みづくりというのを新たな政権のもとでさらに進めていく必要があるというふうに思っておりますけれども、教員と専門的人材の位置づけという点について大臣の見解をまずお伺いしたいと思います。

○川端国務大臣 答弁させていただく前に、文部科学委員会、きょうから本格的議論のスタートでございます。委員長を初め各党の理事、委員の皆さん、よろしくお願いしたいと思います。
城井さん、本当に久しぶりにお帰りいただいて何よりでございます。九州にも応援に行ったのをこの間のように思い出しましたが、教育に対して本当に、逆に地域をくまなく歩かれてのいろいろな実感を込めて御質問をいただきました。
おっしゃるように、非常に先生が忙し過ぎるということが事実であります。民主党のマニフェストの中でも、「教員が子どもと向き合う時間を確保するため、教員を増員し、教育に集中できる環境をつくる。」ということをマニフェストに書かせていただいた意味では、現状認識は共有いたしておるというふうに思っております。
そういう中で、OECD比較を含めまして、やはり明らかに教員の数が少ない。それと同時に、多様化し複雑化する社会環境が子供にいろいろな意味で大きな影響を与えているという意味で、授業も非常に難しくなってきているという中で、やはり、きめ細かい教師の指導のもとにやられる教育というのがどうしても必要であるし、そういうことの取り組みの成果が、いろいろな生活態度やあるいは生活習慣、それと学力に非常に反映してきているというふうな調査の結果も出ております。
そういう意味では、おっしゃるように、正規の教員の数をふやすということは、私たち鳩山内閣として、教育の質の向上と教員の量の確保ということで至上命題の一つでございますので、今年度の予算としても、概算要求においては、御指摘の理科系教育の少人数指導の充実も含めまして、五千五百人の改善、定員増ということを概算要求しているところであります。
久しぶりに自然減を含めましてのトータルの純増の要求ということで、私たちの姿勢としては御理解をいただきたいと思いますと同時に、理科系教育が非常に充実しなければいけないという部分の配置と、今言われた食育なんかの配置と、それから、いろいろな応援する正規の先生でないという部分では、そういう経験豊かなということでのOBの先生方に支援いただくような仕組みもあわせて求めているところでありますので、総合的に教育の質が向上できるような環境整備のための教員数の増に取り組んでまいっているところであります。
以上です。

○城井委員 ありがとうございました。
我が民主党もこれまで、「コンクリートから人へ」ということを繰り返し申し上げてきたところでありました。その中核は、やはり子供たちという視点での人づくり。その意味では、今回のいわゆる教員の増員を含めた総合的な取り組みの強化というところは極めて心強いというふうに思っているところでありますので、引き続き、取り組みをしっかり形にしていけますようにお願い申し上げる次第であります。
それに関連してということで、一点申し上げたいというふうに思います。
教員の数をふやすということと同時に必ず求められてまいりますのが、教員のいわゆる質という点であります。今、国民の間でも教員の方々に対して注がれる視線というのは、必ずしも優しいものばかりではありません。特に、不適格教員という視点でありますとか、あるいは、最近でも、いわゆる主幹という形で役割を担うことが難しいかもしれないというふうなことをおっしゃる方も出てきているというのも事実であります。
その意味では、いわゆる入り口の部分として、教員の方々にどのような能力を身につけていただくかというところ、我が党の部分では、いわゆる六年間の教育の中でそうしたところを担保していこうという議論があるわけでありますが、きょうお伺いするのは、その入り口のところだけではなくて、むしろ、教員として働いていただく過程においていかに教育のプロとして腕を磨いていただくかといういわゆる教員研修の部分について、ひとつ、御確認を含めて御質問させていただきたいというふうに思っています。
具体的には、国が教員研修について責任を持つ必要性がいかがかという点であります。
私は国が教員研修に責任を持つべきだというふうに考えています。しかし、昨今の議論を踏まえますと、例えば、自治体ですとかあるいは民間に教員研修を任せようという意見が存在するのも事実であります。質と数、この両面という意味でいったときに、教員の質の確保という点についてかんがみながら、教員研修についての責任はだれが持つべきかという点について大臣のお考えを聞きたいというふうに思います。お願いします。

○鈴木副大臣 お答えを申し上げます。
教員の質というのは、まさに教育の根幹だというふうに考えております。
そういう観点から申し上げますと、まずは、教員についての人事権を持っております県教委、そしてもちろん、設置者であります市町村の教育委員会、と同時に、国がきちっと全国レベルでの教員の質というものについてトータルのデザインをしながら、そしてそのための支援の枠組みもきちっと整備をしながら、まさに国、県、市町村、そのいずれの現場でも適切に、かつ、連携をしながらやっていくということが必要だというふうに考えております。

○城井委員 ありがとうございました。
全国レベルでの教員の質の確保、そのためのデザインという御答弁だったかと受けとめております。
今後の我が政権のもとでの教育施策を推進していった場合には、恐らく、こうした教員の部分に関しても、現場に近いところで物を決めていこうという話になっていくんじゃないかというふうに思うわけでありますが、とりわけに、全国を見渡したときの質の確保という点については、やはり国がしっかり見ておく必要があるというふうに思っておりますので、その点をぜひ心得ていただきながら今後も進めていただければというふうに思っています。
続いて、この研修について少しお伺いをしたいというふうに思います。
大臣のごあいさつにありました「実践的指導力」とは、まさに、現在の教育現場でニーズとして求められているものの大きなものの一つだというふうに私自身も思っています。
ただ、この実践的指導力を教員の方々に身につけていただこうと思ったときには、なかなかに難しいところをくぐっていかなきゃいけないなというふうに思っています。それがいわゆる座学で身につくものかといったら、そうではない。かといって、今の教育現場で、いわゆる徒弟制度のような、要するに先輩の先生の背中に学ぶといったところをそれぞれのクラスに追いまくられている中で期待するのはなかなか難しいとなりますと、限られた機会でそうしたある意味で体験、実践からつかむものを得ていただかなきゃならないとなりますと、それぞれの機会が大変大事になる。
例えば、座学ではなくて、実践的な研修でありますとか、あるいは教員間の交流でありますとかといった、限られた機会での、ある意味での肝をつかむと申しますか、エッセンスをつかみ取っていただくという機会を重視しなきゃいけないというふうに思うわけであります。これまでも、いわゆる教員研修センター、独法という形でございますが、そうしたところでもそういったプログラムがある。
ただ、これまでの機会のつくり方で本当に足りているか。それぞれの都道府県の教員研修のあり方とも関連すると思いますけれども、この実践的な研修あるいは教員間の交流、特に今は、教員研修センター、宿泊型の施設として要るかという話が出ておりますけれども、実際には、人間の交流ということでいうと、昼間のそういう研修というよりは、夜の交流でそれぞれに悩みも共有しながらというところが効果が大きいんじゃないのかなと、ノミニケーションが大好きな私としては思うわけでありますが、そうしたところも含めて、実践的な研修と教員間の交流というところを重視すべきだという点について御見解を伺いたいと思います。

○鈴木副大臣 教員研修センターが今議論になっているところでございますが、この議論、まさに、どういう研修をしていただくのかというこの内容をどうデザインをする、あるいはそれは、英知を結集してこのプログラムあるいは知見を広く開発し普及をしていくという問題と、それから、国と地方公共団体がどう分担を、かつまた連携をしていくのかという問題と、今お話がございました施設をどうするのか、こういう議論をきちっと分けていかなければいけないと思います。
そして、今御指摘の、もちろん教員間の交流ということも非常に重要でありますし、それから実践的なということでございます。もちろん、現場でのOJTもさることながら、今、城井委員の御指摘は現役の教員についてということが主だったと思いますので、そういうことで申し上げますと、教え子たちが巣立っていく先のまさに世の中あるいは現実の社会というものがどういうことであるかということについて、教員自身がやはり肌で実感をするということも非常に重要な現場だというふうに思っておりまして、そういう観点で、今行われております教員研修センターのあり方ということも、きょうの御議論も参考にさせていただきながら、しっかり検討していきたいというふうに思っております。

○城井委員 ありがとうございます。
では、実践的な研修がなぜ必要かというところを一点申し上げて、次に行きたいと思います。
例えば、発達障害でありますとかあるいは不登校でありますとか、その兆しが子供たちの中に見えてきたときに、本来だったら、一番最初に見つけなきゃいけないのは現場の教員であるはずだというふうに思うわけであります。
気がついた後に専門的人材の出番が来るんだろうというふうに思うわけでありますけれども、その最初の兆しを見つけるきっかけ、例えば、不登校の兆しがあった子供たちが二学期の初めに学校に出てきたときにその先生が何と声をかけるかで、いわゆる不登校のグラフの数字、よく文科省さんからも数字でいただくわけですが、その数字の動きというのは多分変わってくるんじゃないか。そういう兆しをつかむような研修が仮に現場の先生方が一回でも二回でもくぐっていれば、その効果というのは違うんじゃないかというふうに思うわけでありまして、それが、今教育現場で抱えている問題のそれぞれにそういう部分があるというふうに私自身は思っております。
そうした点をぜひ御考慮いただきながらで、この機会を一つでも二つでもとふやしていけますようにお願いを申し上げる次第であります。
次の質問に入りたいと思います。
そこでこの研修でありますが、そうした貴重な機会をふやしていただけるだろうというふうに想像をするわけでありますが、ただ、実際に学校現場では、先ほどのとても忙し過ぎる状況というところもさることながら、教員の数自体がぎりぎりで、研修のお誘い、案内をいただきましたけれども、研修に出ようにも、受け持っている授業に穴があいてしまうがために、結果としてその先生方は行けないというケースがほとんどであります。それが教員の方々からの生の声としてあるというところを多く受けとめてきたわけであります。
そこでお伺いしたいと思うわけですが、今回の概算要求で盛り込んだ五千五百人増、純増千五百名という画期的な部分があるわけですが、ただ、その人数をふやすところが、ある意味で、研修の機会を得ていくところを含めて、複数配置と申しますか、学校現場での連動、連携というところがどれぐらい図れてくるか。結局、人数がふえるといっても、そういう結果として研修をする機会を得られないぐらいのぎりぎりの状況が続くようでは、今のお話の説明だけではなかなかうなずきがたいというふうに思うわけであります。
そうした、ある意味で研修への円滑な参加を見込めるめどが今回の教職員定数の改善で立つかどうか、また、今後の見通しのところも含めて、この点についての見解を伺いたいと思います。

○鈴木副大臣 おっしゃるとおりでございまして、せっかくそういう枠組みをつくっても、まさにお話がありましたように、研修に行ってしまえばその穴を埋めなければいけない。ここをきちっとやらなければいけないというのは、もう本当に重要な御指摘だと思います。
来年度の五千五百人増という要求の中では、まさに今お話しのございました研修等への対応のために、三百十三人の増員要求をさせていただいているところでございます。前年度が五千百七十一人でございますから、プラス三百十三とこういうことになりますが、もちろんこれで十分だとは思っておりませんで、さらに、これからの重要な課題として検討を深めてまいりたいと思っております。

○城井委員 ありがとうございました。さらなる取り組みをお願いさせていただきたいというふうに思います。
それでは、少しテーマを変えまして、奨学金についてお伺いをさせていただきたいと思います。
私自身、大学に通いました折に、奨学金のおかげさまで卒業までこぎつけることができました。これがなければ、恐らく大学で学ぶ機会はつかめなかっただろうというふうに自分自身では思っています。バイトではとても間に合わないような学費、生活費というところがあったというのが現状でありました。苦しい時代こそこの奨学金の役割は大きいというところでは、現在の我が政権の取り組みは拡充という方向で、これは大変重要な部分があるというふうに思っているところであります。
ただ、一点気をつけておかねばならぬと思っていることがあります。
それは、拡充拡充という方向が大きく打ち出されていくときに、国民の間でのその受けとめが、いわゆる貸し出す、差し上げるという方が先に立って、その中に、例えばただ乗りをしている人がいないか、不正をしている人がいないか、具体的に申しますと、貸与の奨学金であるにもかかわらず、その返済ということ、経済的な余裕があるにもかかわらず逃れている人がいないかという点についてきちんとチェックをしているかどうか。この、不正についてのチェックをきちんとしてきたかどうかという点が、あわせて国民の目からは見られているというのが現状であります。
その意味では、今からお伺いしたいのは、貸与の奨学金の返済についてであります。
借りたものは返すというのが世の中のルールであります。概算要求では、例の無利子の奨学金の拡充などが事項要求として盛り込まれるということでありますけれども、これまでの貸与の奨学金の中で返済された資金というのは、こういった将来の奨学金の拡充の原資であるはずであります。そうしたところをやはり我々は改めて自覚をしておかねばならぬというふうに思うわけであります。
ただ、これまでの返済を催促あるいは回収を進めていくという取り組みのときに、いろいろ御説明を文部科学省からも伺ってまいりましたが、一点、どうしても解せない、やはり今後の取り組みが要るなというふうに思っているところは、いわゆる返済猶予の制度がありながら、その部分の活用はせずに、未回収のまま何カ月も、そして一年たってもという形で放置されてきた事例というのが相当分あるんじゃないかということであります。
いわゆるサービサーによる回収でありますとか、あるいは法的措置でありますとか、そういった最終手段に近いところの腕を振るうことは簡単でありますけれども、その中できちんとそういう返済猶予の仕組みの手続をくぐったかどうか、そこの把握すら怪しいというのが文部科学省からの報告でありました。
その意味では、この返済猶予の制度の活用という部分についての改めてのチェックを現在の新政権のもとでやるべきだというふうに思うわけでありますが、この点についての御見解をお伺いしたいと思います。

○鈴木副大臣 奨学金の重要性についての御質問でございました。
御指摘の返済猶予制度の周知が不十分でないかという御指摘でございますが、これについては、学生支援機構を通じまして、債権回収業者、あるいは、そもそも借りている者に対して周知徹底ということはきちっとやっていきたいと思っております。
ただ、ちょっとその前提で、若干報道等々によって世の中の認識がややミスリードされているのではないかというふうに思います。と申しますのも、現行も、回収率を民間の要回収の考え方の基準に当てはめていきますと、九六・六%以上が回収されているということになっております。
では、その返済ができなくなっている要因というものを見てみますと、例えば、借りている額の、例えば高校卒業の場合は五・三%がその高校の分が借りておられるわけでありますが、それがいわゆる延滞ということになってしまいますと、二八・六%が高校分が占めるとか、あるいは、これは旧日本育英会分でありますが、日本学生支援機構分で申し上げますと、一%が高校分であるにもかかわらず、延滞に占める比率は一二・七%ということで、卒業後の就職、あるいはそこでの年収、収入、こうしたやはり返済能力の問題が根底にあるということは、委員はよく御理解をいただいていると思いますが、文部科学省もきちっと御説明、国民の皆様への御理解をさらに頑張っていかなければいけないということをあわせて申し上げたいと思います。

○城井委員 ありがとうございました。
そうした取り組みをさらに進めていただきたいというふうに思いますが、問題点だけあと少し指摘をさせていただきますと、今、奨学金返済相談センターの相談内容というところで、例えば返還期限の猶予相談というところで、二次請へ転送された件が約一万件弱あるわけでありますが、その後の取り扱いについてきちんと状況を把握できていないというのが文部科学省の状況でありましたし、また、これまでの前政権の取り組みでは、住所不明者に対する調査が徹底されておりませんで、約四万人がいまだに不明というのが、これは文部科学省からの報告でありました。
こうした部分、これまでに把握が十分でないところについては、新たな政権での情報把握ということをぜひ今後進めていただきたいということを要望として申し上げて、次の質問に入りたいというふうに思います。
次に、科学技術についてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
そこでお伺いしたいんですけれども、科学技術の振興並びにそれに携わる人材ということでお伺いをさせていただきます。
まず、科学技術の振興についてでありますが、特に、最先端の科学技術の開発についての認識についてお伺いします。
私は、この先端科学技術というのは、次の鶏を生むための卵だというふうに思っています。ところが最近は、昨今の議論では、この卵を産む鶏をとりあえず先に食えという趣旨の議論が大変多いというふうに思っています。つまり、目先の費用削減を行うことが先じゃないかという話が出てくるわけでありますが、ただ、それをやってしまうと、その場の空腹はしのげるかもしれませんけれども、次の卵はもう手に入らないわけであります。
科学技術というのは次の次の果実を得るための投資であるはずだと。だとするならば、特に、今なかなかに振りかえられない形になっているのが純粋基礎科学という分野になると思うんですけれども、こうした部分への我が国の投資、これからさらに進めていく必要があるというふうに私は思うわけですが、この点についての見解をお聞かせいただければと思います。

○川端国務大臣 お答えいたします。
科学技術、そして基礎科学に対して大変御理解ある御発言で、ありがとうございます。
所信でも述べましたように、資源のない国日本として国際社会の中でしっかりと歩んでいくために、このバックボーンとして科学技術が、まさにバックボーン、柱であることは言うまでもないと思います。そして、そういう中で、とりわけ脚光を浴びる実用間近な技術も大変大事なのでありますが、それを支えるという意味で、地味な基礎科学分野が一番大事である。そしてそれは、地味であると同時に、非常に長期間かかるということでもあります。
そういう意味で、気がつきますと、主要国のいわゆる研究開発費自体の中で日本は非常に少ない。加えて基礎科学が少ない。そして、研究開発費の中でいわゆる公のお金が投資に占める割合が少ない。国際社会で大きな地位を占めているアメリカやEU、あるいは急成長している中国、韓国に比べても非常に劣っているという状況であります。
総合科学技術会議の議論等々でも、五年計画をもって一定の枠で推進しようということでこれまでも取り組んでこられました。そういう中で、引き続き基礎科学力の強化ということで、いわゆる科研費を中心とした部分に関して、重点的に今回の予算要求としては配分をしたつもりでございます。
そういう意味では、今後とも、総合的かつ体系的な基礎科学力強化ということに取り組んでまいりたいと思います。

○城井委員 ありがとうございます。
今のお話で意を強くするわけでありますけれども、国民からの視線は少々厳しいものがあるというふうに思っています。
例えば、今回も予算計上されておりましたいわゆるスーパーコンピューター、例のあの行政刷新会議などでも厳しいお声が出たりしておりました。その部分についても、これまでの計画でそもそも目指したところと少しずれてきているところもあるんではないかというふうにも感じておりまして、そうした意味では、今回の新政権のこの機会に、これまで進めてきた計画自体の本来の趣旨が守られているかどうかというところの抜本的な見直しを含めた部分が必要だというふうに思っております。
またこの件については次の機会に譲らせていただくことにしたいと思いますけれども、その点についてもぜひ御検討をお願い申し上げまして、私からの質問を終わりとさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。

(後文略)