官民人事交流制度を利用した不正問題について

第162回国会 衆議院文部科学委員会会議録第16号(平成17年08月03日)より抜粋

(前文略)

午後一時一分開議

○斉藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。城井崇君。

○城井委員 民主党の城井崇でございます。
午前中に引き続き質問をさせていただきたいと思います。
本日は、問題としては大きく一点、具体的には、国の官民人事交流制度による現職文部科学官僚のJR東海に対する交流派遣、具体的な日時は、二〇〇三年一月から派遣されたものなんですけれども、この派遣が官民人事交流法並びに人事院規則に違反しているという件、そして並びに、この件について、つまりこの違法行為が文部科学省によって隠ぺいをされているという件について、以下述べさせていただく点を中心に、その詳細を伺ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
現在、私ども民主党では、特殊法人改革本部を設置いたしまして、これまでのいわゆる官僚OBによる天下りの弊害あるいは国の出先機関への郵貯、簡保などを主に原資といたします無節操な貸し付けですとか、あるいは流用によるむだ遣いの問題をただしてきているところでございます。
私ども、その本部の一員といたしまして、例えば文部科学省の事務次官経験者の天下りでございます日本学術振興会など、文部科学省所管の公益法人を今しっかりと目を皿のようにしてチェックをさせていただいているところでございますけれども、この天下り、これまでのいわゆる官僚OBによる天下りのみならず、最近では現役キャリア官僚の天下り、具体的には平成十二年度から始まっております官民人事交流において、新たな不正の芽が出てきている懸念があるというふうに、調査の結果、確信に至っておるところでございます。それが、本日取り上げさせていただく問題でございます、国の官民人事交流制度による現職文部科学省官僚のJR東海に対する交流派遣が官民人事交流法並びに人事院規則に違反しているという件であります。
以下、順次質問させていただきますので、お願いいたします。
まず、官民人事交流法に基づく文部科学省から人事院に対して提出された今回の交流派遣の派遣計画の内容並びに業務状況についてお伺いしたいと思います。
委員会の提出資料として、お手元に二枚紙のペーパーをお配りしていると思いますので、ぜひごらんをいただきながらと思いますけれども、こちらが、先日人事院からいただきました、今回問題としております派遣の派遣経過が書かれた要請のコピーであります。本来でしたら、ここに、派遣された際に本来どのような仕事をするはずだったかということが書いてあるはずであります。
そこで、まず伺います。まず、派遣先であるJR東海の社内における、派遣された当該官僚の配属部門それから地位、業務内容、派遣期間、これは予定の派遣期間ともちろん実際の派遣期間という二つになると思いますが、この派遣期間、そして勤務場所、出勤状況など、派遣期間中のJR社内における当該官僚の業務の詳細並びにそれを証明するものについて、まずお聞かせいただきたいと思います。

○玉井政府参考人 お答えを申し上げます。
御指摘のJR東海のいわゆる官民人事交流法に基づく派遣の件でございますが、これは、JR東海での配属部門及び地位は人事部人事課担当課長でございます。
それから、業務内容はJR東海の社員教育制度の現状把握及び実務経験に基づく適正な指導であります。
また、派遣期間でございますが、予定されておりましたのは平成十五年一月十五日から平成十七年一月十四日でございましたけれども、実際の派遣期間は平成十五年一月十五日から平成十五年十二月三十一日でございました。
また、勤務場所でございますが、これは愛知県名古屋市の東海旅客鉄道株式会社、いわゆるJR東海でございますが、この会社でございまして、なお出勤状況ということでございますが、これはJR東海の社員として勤務していることから、文部科学省では把握をしておりません。
それから、ではそういうところがどういう形で証明されているのかという配属部門等の証明でございますが、これはもう御案内のとおり、人事院とJR東海が取り交わした交流派遣に関する取り決め書等によって明らかだと思っております。
以上でございます。

○城井委員 今御説明いただきましたように、役職はJR東海の人事部人事課担当課長ということでよろしいかと思います。
それでは、先ほどの話で申しますと、いわゆる出勤状況については、JR東海の社員として勤務していたということでございますので、文部科学省としては、例えばその業務記録ですとか出勤簿ですとかタイムカードですとかといった具体的なものについては確認をされていないんですね。

○玉井政府参考人 お答えを申し上げます。
先ほど申し上げましたとおり、これはJR東海の社員としての勤務でございますので、文部科学省として御指摘のような業務報告あるいは業務記録というところを持っている、あるいはそういうことを掌握していることではございません。

○城井委員 では、その派遣されている間の部分がないとすれば、当該官僚が、約一年弱で戻ってきているかと思うんですけれども、派遣された後に、派遣されているときの業務報告、JR東海人事部人事課担当課長として働いていたという業務記録について、文部科学省への報告のようなものがあったか、その記録があるかという点についてお聞かせいただきたいと思います。

○玉井政府参考人 この勤務につきましては、先ほど申し上げましたとおり、もともと派遣の取り決めによって勤務しているわけでございますので、それ以上に文部科学省として、その後に御指摘のような記録を把握しているわけではございません。

○城井委員 それでは、その交流時、交流派遣で行っていたときの内容というのは、文部科学省としては一切把握をしないということですか。

○玉井政府参考人 お答えを申し上げます。
これは、本来そういう派遣計画に基づきまして、もう既に、JR東海の社員として勤務する、そのときの勤務の条件等については、その取り決め書に決められているわけでございますので、それにのっとって適正に行われているというふうに聞いております。
ただ、こういうことでいろいろな御指摘がございますので、もう少し申し上げますと、私どもとして、今申し上げたような把握ということではございませんけれども、このような御指摘もございますので、把握しているところによりますと、これは、JR東海へ派遣された職員というのは、先ほど申し上げました社員教育というところでそういう仕事をするという約束で行っているといいますか取り決めで行っているわけでございまして、その中身としては、社員教育体制、すなわち職場内教育だとか、あるいは自己啓発とか、あるいは集団研修、JR東海の中でこういう社員教育が行われているということでございまして、その現状を把握し、実務経験に基づく適正な指導を行っていたということでございます。
具体的な業務として私どもが承知する限りでは、若手社員の技術力の確実な習得を目的に全社的に推進している職場内教育だとか、あるいは平成八年度から開設しております、技術継承が円滑に行われ、専門技術を体系的、計画的に学習する社内通信研修がそうでございますが、それの推進だとか、あるいは昇進試験合格者が受講する正規課程、あるいは専門技術向上等を目的とする特設課程、あるいは選抜による研修等の集合研修の実施、これらの業務であるというふうに聞いております。

○城井委員 実際の勤務の中身を確かめるすべを持たないのに、つらつらと読み上げていただけるとは思ってもみなかったんですが。
ちょっと確認をさせていただきますが、御答弁にもありましたけれども、今回の官民人事交流法に基づいて当該官僚がJR東海に派遣されて行うことになっていた本来の業務は、先ほどお述べいただいたものを恐らく一言でまとめた形となりますけれども、この二枚紙のペーパーにも書いてあります。「多くの現業職員を抱えた当社の教育制度」当社というのはJR東海、「の教育制度の現状把握及び実務経験に基づく適正な指導」ということでございますけれども、この派遣計画に書いてあるとおりということでよろしいかと思いますが、この文言、先ほどの説明を聞いてさらに確信しましたけれども、国語力がある程度人並みかなと思っております私から見ますと、これはJR東海の社員教育の現状把握と考えるのが当然であり、かつ、実務経験に基づく適正な指導においても、JR東海の社員教育に対してなされる指導だというふうに読めると思うんですけれども、以上の認識でよろしいでしょうか。

○玉井政府参考人 お答えを申し上げます。
業務内容は、先ほどのお示しになった資料にもございますとおり、多くの現業社員を抱えたJR東海の教育制度の現状把握と実務経験に基づく適正な指導でございますので、まさにJR東海の社員の教育研修、こういうことと理解をしております。

○城井委員 ありがとうございます。JR東海の社員に対する教育の現状把握と指導ということで確認をさせていただいたと思います。
ここで強く御指摘を申し上げたいと思うわけですが、今回の交流派遣に関して、派遣をされた当該官僚が、人事院に提出をされております派遣計画に記載のない業務に従事をしていたということを皆さん御存じでしょうか。さらに、その事実について、文部科学省が違法行為の事実隠しを行っているんではないかと思わざるを得ない状況がございます。
以下、具体的に御指摘を申し上げたいと思いますが、まず、当該官僚が行った業務について、これまでもマスコミ等を通じて文部科学省がある一定程度の見解を示しております。具体的には、文部科学省はJR東海から学校設置に関し助言を求められた場合には対応したこともあると聞いていると認識を示した、これは毎日新聞の取材に対する文部科学省大臣官房人事課のコメントです。
この学校設置に関し云々ということが何かということを具体的に申し上げますと、実際には、この派遣された官僚は、JR東海の社内で社員教育の現状把握及び指導に当たっていたのではなく、常勤で、愛知県に今新設で準備をされております海陽学園という、エリートを育てる学校というふれ込みで今準備がされておりますあの海陽学園という学校の開校の事務、設立の業務に従事していたということであります。このことは、ことしの七月十九日の毎日新聞の一面でも報じられております。この実際に派遣された官僚が、JR東海の社内には勤務せずに、社員教育の現状把握及び指導という業務ではなく、この海陽学園という学校の開校の業務、設立の業務に従事していたというこの点について、文部科学省の見解をお聞かせいただきたいと思います。

○玉井政府参考人 お答えを申し上げます。
先ほどから申し上げておりますが、これは派遣の取り決めに従ってJR東海のもとで勤務しているわけでございますが、いろいろ御指摘がございますので、私どもとしてもそれなりの掌握をしているわけでございます。
そういう点で申し上げますと、この職員は、先ほど来申し上げておるとおり、人事部人事課担当課長として、JR東海の職員教育制度の現状把握、それから実務経験に基づく適正な指導の業務を行ったものでありますが、なお、JR東海から学校設置に関し助言を求められた場合には対応したこともあるというふうに私どもは承知しているわけでございまして、そういうことは、また同人がこれまでの教育全般について携わってきた経験をもとにして、こういう助言を求められた場合に対応してきたというふうに理解をしているわけでございます。

○城井委員 先ほどそれなりの掌握をしているというふうにおっしゃいましたが、それなりの掌握では済まない事態になっているから御指摘を申し上げているわけであります。それに、もう一点申し上げますと、JR東海から学校設置に関し助言を求められた場合には対応したこともあるという部分についても、この表現ではおさまらないレベルになっているから御指摘を申し上げているというわけであります。
私も、正直言って、今回の新聞記事を見た後、少し調べたときに我が目を疑いました。どうなっているんだと思いました。実際にこの官僚が海陽学園の開校準備の実務に携わっていたということが毎日新聞の取材でも事細かに明らかになっているわけでありますけれども、実際にこの業務、先ほども御指摘申し上げましたように、今回の派遣計画には一文字たりとも書いていません。学校設置の業務が、どこが社員教育の現状把握なんでしょうかということであります。
この派遣計画に記載のない海陽学園の設立業務に従事していたとすれば、これは重大な違法行為であります。具体的には、官民人事交流法第七条並びに人事院規則二一―〇の七条及び十条の違反であります。決して見逃すわけにはまいりません。大臣、この違法行為の部分について御見解をお聞かせいただきたいと思います。

○中山国務大臣 お答えいたします。
いわゆる官民交流法によりましてJR東海に派遣された職員は、人事部人事課担当課長として、JR東海の職員教育制度の現状把握及び実務経験に基づく適正な指導の業務を行っていたものであります。
なお、JR東海から学校設置に関し助言を求められた場合には対応したこともあると聞いておりますが、特に問題はないと認識しております。

○城井委員 大臣、渡されたペーパーを読んでいる場合ではないと思いますので、少し実際の現実をお話しいたしますので、お耳をかしていただければと思います。
先ほどのそれなりの掌握といういいかげんな状況で今回の問題が文部科学省として把握をできているかというふうには思わないわけであります。後ほど具体的に状況を御説明申し上げますが、今回のことは、いわゆる官民人事交流法の趣旨を著しく踏みにじる重大な違反行為であるというふうに思います。今回の件は、国民の目から見ますと、法の趣旨を外れた人事交流が、高給取りの高級官僚をていのよい社員として使って、間接的に国民の税金を盗んだだけなんだというふうにも言えるわけであります。しかも、一般人が知り得ない情報のおまけまでつけているわけであります。
そもそも官民人事交流という考え方は、かつての行政改革の中から生まれた官僚の意識改革のためにできたはずだったというふうに思うわけです。官僚に一般社会のことをもっと知ってもらって、よりよい行政制度やサービスの創設あるいは向上に生かしてもらうためのはずだった。それが、残念ながら、先ほど御指摘申し上げたように、淡い期待がとっくに裏切られているわけであります。
ここで、先ほどから御指摘申し上げている、それなりの掌握で完全に見逃してしまっている違法行為の部分について具体的に申し上げたいと思います。
当該官僚が実際に派遣をされていた一年間、この一年間の間に行っていた派遣計画には記載のない業務の詳細について、順次お伺いいたします。実際には何の仕事をどのようにやったのか、この一件を報じた毎日新聞の取材内容も参考にしながらお伺いしたいと思います。
まず、当該官僚が実際にやっていたのは明らかに海陽学園の開校準備の実務なんだという点についてであります。
以下、具体的に指摘を申し上げるのが、当該官僚が実際に携わった職務の中身です。以下の点について事実との認識があるかどうか、お尋ねをしたいと思います。
まず、この官僚が派遣をされて最初にやったことは、海陽学園の開校までのスケジュールを決めることでありました。そして二つ目に、学校の規模、すなわち海陽学園の生徒数を決めることでありました。そして、当該官僚は設置場所の決定にも主体的に関与していたということが調査で明らかになっております。
そしてもう一つ、つけ加えて申し上げるならば、私も聞いて非常に驚いたんですが、学校の設立の準備のために、エリート学校の視察ということで、イギリスへも当該官僚は訪れております。非常に著名でありますイートン校を含む英国のパブリックスクール、いわゆる貴族学校でございますが、七校の見学を行ったのも事実として確認をいたしております。
まず、この四点について、事実との認識があるか、御見解をお聞かせください。

○玉井政府参考人 お答えを申し上げます。
私どもが承知していますのは、学校の設置について、開校までのスケジュール決定あるいは学校の規模の決定、設置場所の決定、こういう御指摘でございますが、これらの業務に直接携わったものではないというふうにJR東海からは聞いているわけでございます。
なお、これらについて助言をしたかどうかについては私どもは承知はしておりません。
また、もう一つ御指摘がございました、当該職員が英国の教育全般についての事情視察、これは、JR東海の職員とともに当該職員が英国の教育全般についての事情視察に出張したことは私どもは事実と承知をしております、七校であったかどうかはちょっとわかりませんけれども。
JR東海からは、同人は、教育についての幅広い知見を踏まえて、視察の際のアドバイスをするなど、広く教育的問題について助言をしたというふうに聞いているわけでございます。

○城井委員 それでは、もう一度お伺いいたしますが、先ほど御指摘を申し上げた実際にやっていた業務の中身の四つのうち、一つ目の開校までのスケジュールを決めること、これは実際には、当該官僚の派遣時期が海陽学園開校に当たっての最初の審査の前年に当たる二〇〇三年の一月で、まだ学校自体の理念やカリキュラムというものまで議論が煮詰まっていない段階、その手前のスケジュールづくりのところから当たらなければならなかったという事情も勘案しての最後の取りかかりだったわけですが、開校までのスケジュールを決めるという点、そして学校の規模を決める、学校の規模が決まらなければ、必要な教員数も、あるいは校地面積や施設の大きさも決まりませんから、学校規模を決めるということと、それから設置場所の決定への主体的な関与というこの三点、実際にやっているにもかかわらず、JR東海から聞いていないからという理由でお認めにならないわけですね。

○玉井政府参考人 お答えを申し上げます。
先ほど来申し上げましたとおり、当該職員は、JR東海から学校設置に関し助言を求められた場合には、教育全般についての経験をもとに対応したこともあるというふうに聞いておりまして、そして、JR東海から、先ほど御指摘ありましたこういうスケジュール決定、学校の規模の決定、設置場所の決定等の業務に直接携わったのかというと、直接携わったことはないというふうに私どもは聞いているわけでございます。

○城井委員 直接携わったことではないというのは、JR東海から聞いているだけですか。当該官僚からは確認をしましたか。

○玉井政府参考人 当該職員からも、学校設置に関し助言を求められた場合について、自分の経験を生かしながらそれに対応した、助言をしたということは承知をしております。

○城井委員 それでは、お伺いいたしますが、実際に、派遣された当該の官僚は、毎日新聞の取材に対して、上から言われた仕事をやっただけですと答えております。これは先ほど御指摘申し上げた、二〇〇五年の七月十九日の毎日新聞一面の記事の中にもあった話であります。
今回の業務、上から言われた仕事をやっただけということで先ほどの大きくは四つの派遣計画には記載のない業務をやっていたわけですけれども、今回の派遣されて当たった業務は文部科学省が命じてやらせたんですか。命じた上司はだれでしょうか。そして、命じた業務は具体的に何か。これは大臣、明確にお答えいただきたいと思います。

○中山国務大臣 JR東海へ派遣された職員は、人事部人事課担当課長として、JR東海の職員教育制度の現状把握及び実務経験に基づく適正な指導の業務を行っていたものでありまして、JR東海の社員として、JR東海の上司の命を受け、業務に当たっていたものと認識しております。

○城井委員 お答えが足りないのでもう一回お伺いしますが、文部科学省が命じて今回の業務をやらせたのか、命じた上司はだれか、この二点をまだお答えいただいておりませんので、大臣、お願いします。

○中山国務大臣 もう答えましたけれども、JR東海の上司の命を受け、業務に当たっていたものというふうにお答えいたしました。

○城井委員 それでは、今回の業務を文部科学省は命じていないんですね。

○玉井政府参考人 これは、官民人事交流の派遣の仕組みから申し上げましても、既にJR東海に派遣されて、その社員となっている職員に対し、文部科学省が仕事を命じて従事させるという事実はございません。

○城井委員 それでは、その点からお伺いしますが、先ほど大臣もおっしゃっていただいた、今回の業務を命じたJR東海の上司とはだれですか。

○玉井政府参考人 社員の勤務体制の中、その具体名を承知しているわけではございませんけれども、人事課長の上に当然担当の上司がいるはずでございますので、職務命令としてはそのラインであろう、こういうふうに思います。

○城井委員 そうしますと、今のお話のように、その業務について、JR東海の人事のラインにのっとった上司が今回の先ほど申し上げたような派遣計画に記載のない業務をやらせていたということ、つまり、もし文部科学省が今回命じていないということならば、文部科学省もていよくだまされているのだろうかという推測にもなるわけですが、JR東海が助言を求めるという形で、先ほどの御指摘申し上げた四点のように、派遣計画に記載のない業務を勝手にやらせていたということになりますよ。その際のJR東海に対する見解、この点、いかがでしょうか。

○玉井政府参考人 お答えを申し上げます。
そもそも毎日の御指摘の記事の部分でございます上司の命を受けてという部分、いかなる趣旨で話したのか、私どももそこを別に把握しているわけではございませんので、多分こうであろうというふうに今申し上げているわけでございます。
そして、今の御指摘でございますけれども、確かに本来の業務というものはもう御案内のとおりでございますし、るるお答えをしたとおりでございます。
その際、業務の、いかにも命令という言葉をお使いになっておりますけれども、本人から聞きますところは、学校設置に関しアドバイスを求められたならば、それに経験を生かして対応してきたし、それから、JR東海からも確認いたしましたときに、同人に対して学校設置に関する助言を求めた際にはアドバイスをいただいたことはあるけれども、設置業務そのものに直接携わっているわけではないし、また、そういう意味では、勝手にとおっしゃいますけれども、JR東海は、本来の業務に変更がないことから、業務の変更ということも申請はしていないというふうに言っているわけでございます。

○城井委員 まず、今の答え、ちょっと聞き逃せないところがありましたので確認をしますが、先ほどの、上司に言われてというところで私がさせていただいた質問ですけれども、上から言われた仕事をやっただけですという点のことだと思いますが、この点、先ほど多分とおっしゃいましたね。私、この部分については、質問の通告でかなりはっきりとお伝えしているはずですから、そういう推測を述べられても困るわけであります。事実確認をした上での答えでないと納得がいきません。もう一回お願いします。

○玉井政府参考人 お答えを申し上げます。
毎日がどういう文脈でこの部分を取り上げているのかまでは私どもは承知していない、こう申し上げているわけでありまして、そこで、文部科学省がそういう業務を命じたのかという御指摘に対しては、そういう事実はないというふうにお答えをしているわけであります。

○城井委員 質問通告の段階でも、毎日新聞の記事にありましたということは書いてあるわけであります。その点を勘案した場合に、毎日新聞の意図を確認してから答えをつくる、答弁をされるというのが筋じゃないですか。確認をされていないんですか。

○玉井政府参考人 もちろん、毎日新聞のことは私どもは承知して、これをもとにしての御指摘もあり、それから、同時にほかからの御議論もございますので、したがって、本人に聞き、またJR東海にも確認をしたわけでございます。そういう中からお答えを申し上げているわけであります。

○城井委員 では、その御本人、どう答えられましたか。

○玉井政府参考人 毎日新聞からの取材があり、それなりにお答えをしているということでございます。
そのときに、私が先ほど申し上げましたとおり、本来の業務を行って、そして学校設置に関してアドバイスを求められればそれに対応してきたというふうに答えたというふうに私は承知をしているわけでございます。

○城井委員 もう一回お伺いしますけれども、先ほどの二〇〇五年七月十九日の毎日新聞の記事にあった当該官僚が答えた答え、上から言われた仕事をやっただけですというこの上からというのはどこかということと、言われた仕事は何だったかという点、本人に確認して本人が言ったことをお答えください。

○玉井政府参考人 お答えを申し上げます。
本人が毎日新聞からの取材に対してお答えしたのは、人事部人事課担当課長として職員の研修業務と、そして学校設置に関しての開設について助言を求められたからそのお手伝いをした、つまり対応したということを答えているわけです。そして、自分の仕事は、まさにこの取り決め書にあるとおり、人事課長でございますから、それはまさに上司の命を受けながら本来の業務を行っているということを本人は言っているわけでございます。

○城井委員 大変ずれ過ぎた認識かと思うんですが、事実とかなりかけ離れていると言わざるを得ないと思うわけです。
先ほどお伺いしたように、もし文部科学省が命じていないとすれば、JR東海が助言を求めるという形で、派遣計画に記載のない業務を勝手にやらせていたことになるわけですよ。この点は先ほど申し上げたとおりです。となれば、これは違法行為。違法行為をやったのに、今こうして御指摘申し上げているわけですけれども、何のおとがめもないわけですか。JR東海に抗議すべきだと考えますが、この点についても、大臣、御見解をお聞かせください。

○中山国務大臣 先ほどから官房長が答えておりますけれども、JR東海から学校設置に関し助言を求められた場合には対応したこともあると聞いておりますが、これは、本人がこれまで教育全般について携わってきた経験をもとにして答えたものでありまして、特に問題はないと考えています。

○城井委員 大臣にもぜひ事実に目を向けていただきたいと思うわけですが、今回の件、仮に文部科学省が命じていたにしろ、JR東海が命じていたにしろ、正直言ってかなり問題だと思うわけです。ただ、誤解のないように一つ申し上げておきたいと思いますが、この派遣計画の変更自体はできないことではないということは恐らく文科省の方々も御存じのはずだと思うわけであります。
官民人事交流法の第七条並びに人事院規則二一―〇の第十条にある派遣計画の変更についての項目にはこうあります。官民人事交流法は第七条で、職員を民間企業に派遣する際に、計画を記載した書類を人事院に提出することを定め、人事院規則二一―〇第十条は、実施の計画を変更する必要があるときには人事院の認定を受けて変更すると定めているわけであります。
今回のケース、先ほど来事実を述べさせていただいておりますように、当初人事院に提出された計画にある社員教育の現状把握及び実務経験に基づく適正な指導と、実際に当該官僚が、先ほどのお答えですと、JR東海の上司から命じられて行った海陽学園という学校の開校準備の実務とでは全く異なるわけで、これは計画変更に該当すると考えられます。
では、この派遣計画、実際に人事院に計画変更の申請がされたでしょうか。どのように把握をされておりますか。

○玉井政府参考人 お答えを申し上げます。
派遣計画の変更は、派遣期間変更に関しまして、平成十五年十月二十三日にJR東海から申請があったというふうに承知をしております。派遣期間の変更を行いましたけれども、業務の変更は行っておりません。
これは先ほど来申し上げておりますけれども、JR東海に確認しますと、同人に対して学校設置に関する助言を求めた際にアドバイスをいただいたことはあるけれども、学校設置業務に直接携わっているわけではない。また、JR東海としては、本来の業務に変更がないところから、そういう業務変更申請も提出していないというふうに言っているわけでございます。

○城井委員 今のお答えですと、計画変更は期間のみであって、業務内容についてはなかったという認識かと思います。
では、その点を踏まえて申し上げるならば、計画変更の申請もされずに、そして当然人事院の認定もないわけですが、先ほど来事実を申し上げておりますように、申請すべきをせずに派遣計画のない業務に携わされていたという時点で、申請すべきところをしなかった時点で法律違反、具体的には官民人事交流法第七条並びに人事院規則二一―〇の第十条違反ではないでしょうか。
大臣、法律違反ではないかという点について御見解をお聞かせください。

○中山国務大臣 最初から述べておりますとおり、このJR東海へ派遣された職員は、人事部人事課担当課長としてJR東海の職員教育制度の現状把握及び実務経験に基づく適正な指導の業務を行っていたものであります。
JR東海から学校設置に関し助言を求められた場合には対応したこともあると聞いておりますけれども、これは同人がこれまで教育全般について携わってきた経験をもとにして答えたもので、特に問題はないと考えます。

○城井委員 大臣、実際には海陽学園の開校の実務ばかりやっていたんですよ。その上で、それが、先ほどの文部科学省さんの説明をそのまま信じるならば、JR東海の上司が命じてやらせているわけですよ。
今お伺いしたのは、その事実ベースのもう少し手前のところで、申請もされなくて人事院の認定もされなかった場合に、そういう計画の変更の申請をすべきところをしなかった。この計画の変更をしなかった時点で官民人事交流法と人事院規則に違反ということになるんではないかという、この場合の法律の中での扱いについて聞いているわけであります。この申請すべきところをしなかった時点で法律違反だという点については、お認めになりますか。

○玉井政府参考人 お答えを申し上げます。
先ほど来申し上げておりますが、JR東海は、本来の業務に変更がないことから人事院の業務変更申請も提出していないというふうに言っているわけでございまして、私どもとして、これが法律に反するというふうには理解をしておりません。
ただし、これが本当にどうかというのは個々具体の事情によることでありましょうから、それは同法を所管するそれぞれの人事院のまた判断ではないか、かように思いますが、私どもとしては、あくまでも本来の業務に変更がないことから人事院の業務変更申請も提出していないというJR東海の説明によって理解をしているところでございます。

○城井委員 先ほどから、JR東海とか人事院とか、責任をたらい回しにしていますけれども、今回の派遣元はあくまで文部科学省ですよ。しかも、その文部科学省から派遣された官僚がしていた仕事が、海陽学園という一私立学校の開校の実務のみですよ、実務のみ。実際にその点もよくよくお調べにならずに、そういう建前論ばかりを振りかざされるというところはいかがなものかというふうに思いますよ。
では、確認でもう一度お伺いしますが、実際に当該官僚がJR東海に派遣された後に行っていた仕事は、海陽学園の開校実務のみだったという事実を私どもとしては確認をしているわけですが、この点についての認識、いま一度お伺いしますが、いかがですか。

○玉井政府参考人 お答えを申し上げます。
JR東海から聞いているところによりますと、派遣された職員は、人事部人事課担当課長として、JR東海の職員教育制度の現状把握、実務経験に基づく適正な指導の業務を行っていたものであり、なお、JR東海から学校設置に関し助言を求められた場合には対応したこともあるというふうに承知をしているわけでございます。

○城井委員 先ほどから、JR東海から学校設置に関し助言を求められた場合には対応したこともあるというお答えに終始しているわけですが、この助言を求められた場合には対応したこともあるの範囲はこんなに広いんでしょうか。九割九分ぐらいの業務を覆えるぐらいの拡大解釈ができるんでしょうか。
正直言って、助言を求められた場合に、派遣計画に記載のない内容でも対応が可能ということになりますと、派遣計画で業務内容を確認して制限をわざわざ設けている官民人事交流法の趣旨を曲げることになってしまいますよ。そして、これ自体、みずからの法律違反を認めることになるんじゃないですか、この拡大解釈ということが認められるならばですね。
この点からいえば、助言も可能ということでも、違法行為、先ほど申し上げた官民人事交流法第七条並びに人事院規則二一―〇第十条違反であるというふうに考えます。もしこれが違反でないというのなら、助言を求められたらどんな仕事でもやれるということになって、人事院の認定など有名無実となるのではないか。この点について、大臣、御見解をお聞かせください。

○中山国務大臣 同じような答えになりますけれども、いわゆる官民交流法によりましてJR東海に派遣された職員は、人事部人事課担当課長として、JR東海の職員教育制度の現状把握及び実務経験に基づく適正な指導の業務を行っていたものでございまして、なお、東海から学校設置に関し助言を求められた場合には対応したこともあるというふうに聞いておりますけれども、繰り返しになりますが、特に問題はないと認識しております。

○城井委員 大臣、ですから、その文部科学省の方からの大臣への御報告の内容が間違っているし、虚偽なんだ、偽りなんだということを御指摘申し上げているわけです。ですので、その報告の内容自体を問題ないと信じ込んでしまうのは問題だと思うわけです。
先ほどの当該官僚の実際にやっていた業務の内容、その派遣されていた期間の中での業務の実際の内容、中身を詳細にもう一度お調べいただきたいと思うわけです。大臣、この点についてお願いします、もう一回。大臣に言っているんです。大臣に言っています。

○玉井政府参考人 この職員に関しますことにつきまして、先ほど来申し上げておりますけれども、本来二年であったものが一年に変更になったわけでございますけれども、そのときに、変更申請におきましても、この変更の理由として、JR東海の方からは、この職員につきましては、社員教育の一層の充実を目的としての官民人事交流法に基づいて教育制度全般に精通した人を派遣いただいた、そして、その人は、駅だとか運転区所だとか工務区所等々、多くの現業社員に対する当社の教育の把握について御理解を深めていただくとともに、さまざまな指導を賜ったというふうにJR東海は言っているわけでございまして、それによって、私どもとしてはこの官民交流法に基づく適正な対応ができているというふうに理解をしているわけでございます。(発言する者あり)

○斉藤委員長 時間が来ておりますので、それでは、最後に簡潔にお答えください。
中山文部科学大臣。

○中山国務大臣 私は文部省の事務方から聞いた説明、虚偽ではないと。私には正しく報告してくれていると信じております。

○斉藤委員長 城井君、もう時間が過ぎておりますので、簡潔に。

○城井委員 大臣、今回の件は明らかな違法行為ですよ。正直言って、こんなに好き勝手に官民人事交流制度が使えるんだったら、今後、OB官僚の天下りだけではなくて、現役キャリア官僚の、例えるならば青田買い的な天下りがこれから横行しますよ。幾らでも使えますよ、このままほっておいたら。ここで、そういう実態も調べもせずにほっておくということならば、幾らでも今から十分にされてしまいますよ。
その芽を、不正の芽を摘みたいから、今ここで、そういうふうなことにならないように、きちんとあらかじめチェックをしている範囲内で官民人事交流が行われるように確認をしてほしい。ですから、今までにもし誤りがあるならば調べてほしいということなんです。この点を言っているわけであります。実際に今回の件は、もとの文部科学省の事務次官が文部科学省に言って、現職を海陽学園へ送れという指示をしたという報道まであります。かなり根は深いんです。
その意味で、大臣、この調査、もう一度お願いしたいというのと同時に、ここまで文部科学省がもしお調べにならないのであれば、当委員会、この文部科学委員会として、当該官僚と、そしてJR東海の今回の派遣にかかわる責任者の参考人招致を要求したいと思いますけれども、委員長、いかがでしょうか。

○斉藤委員長 後ほど理事会で諮らせていただきます。

○城井委員 最後に、大臣に一言お伺いをさせていただいて終わりたいと思いますので、お願いします。

○斉藤委員長 大臣、時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。

○中山国務大臣 何度も申し上げていますけれども、何ら問題はないと認識しております。
なお、今後ともこの官民交流法の趣旨に基づきまして、職員を派遣する場合には、この法律の趣旨に基づきまして適切に対応してまいりたいと考えております。

○斉藤委員長 もう時間が過ぎておりますので。

○城井委員 では、終わります。

(後文略)