審議会に諮問されなかった「法科大学院在学中の司法試験受験」の議論の中立性は確保されているか?

2019年5月8日衆議院文部科学委員会

○亀岡委員長

次に、城井崇君。

 

○城井委員

国民民主党の城井崇です。

令和最初の質疑の機会をいただきました。ありがとうございます。

きょうも、文部科学大臣そして法務副大臣に順次御質問申し上げてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

まず、平成の積み残しから参りたいと思います。

審議会で議論されなかった、先ほども少し質疑がございました、法科大学院在学中の司法試験受験について、これを決めたのは法務省ということでございますので、法務副大臣にまず伺ってまいりたいと思います。

先日の、四月の二十六日の質疑等でも指摘をさせていただきましたけれども、この在学中受験につきましては、本委員会の参考人質疑でも、これまで司法制度改革審議会や中教審法科大学院等特別委員会などの審議会等で全く議論されていない、突然出てきた、寝耳に水だ、こうした指摘があったところであるということを申し上げてまいりました。

今回のこの委員会でのやりとりで明らかになりましたのは、この在学中受験は司法制度改革審議会や中教審法科大学院等特別委員会では議題にすら上がっていなかったということも明らかになったところであります。大臣答弁でであります。

学生の進路選択やカリキュラムへの大きな影響があると文部科学大臣も委員会答弁で認めたこの在学中受験の議論は、文部科学大臣の答弁されたところの代替的措置によって、利害関係者ではあるけれどもその一部にすぎない日弁連や法科大学院協会の意見を聞いただけでありました。

法科大学院協会からは、昨年九月に、条件付で了承をもらったということでありました。先ほどの川内委員の質疑の中では、正式な文書や書面での確認はないということでございました。また、ことし三月の法科大学院協会の会合でも内容を確認したという趣旨の答弁が先ほどあったところであります。

この審議会への諮問というところが何が重要かと申しますと、それは、審議会への諮問によって政策の、そして議論の中立性を確保することが重要だ、だからこそこの点についてこだわって申し上げているわけでありますが、この審議会への諮問という議論の中立性を確保されることなく閣議決定をされ、政府案として立法府に示されたことが、これまで明らかになったわけであります。

そして、あろうことか、法務副大臣からは、審議会での議論は必要不可欠なものでは必ずしもないとの暴言に近い答弁まで飛び出す始末であります。

学生や受験生を始めとしたそのほかの利害関係者の意見は放置されたままであります。中立性の確保ができていないこの在学中受験の議論を、国会においてこのまま見過ごす、このまま採決に行くというわけにはいかないというふうに考えています。

この在学中受験の部分を改めて、審議会での議論を経て、そしてその中立性をしっかりと確保した上で政府案を出し直すべきだと考えますが、法務副大臣、お答えください。

 

○平口副大臣

法務省といたしましては、関係機関との意見交換や意見調整を含め、必要な検討を尽くした上で法案を提出したものでございます。

今回の法案提出に至る検討過程に瑕疵があるとは考えておりません。したがって、中立性が確保されていない議論のままに法案を提出したとの指摘は当たらないというふうに考えております。

また、司法試験制度の見直しについては、特定の審議会での議論を経ることは予定されておらず、今回の見直しについて法務省の法制審議会その他の審議会の議論を経ていないことも問題ないと考えております。

もっとも、政府として提出した法案について国会で御審議をいただくことが重要であることは、改めて申し上げるまでもなく、当然のこととして認識しており、法務省としても、司法試験制度の見直しの趣旨等について丁寧に御説明申し上げてきたところでございます。

 

○城井委員

法務副大臣、利害関係者の一部にしか話を聞いていない、このことで十分中立性の確保はできていないわけですよ。中立性の確保をどこの点で行ったのか、具体的に申し上げていただけますか。予定していないですとか、瑕疵はないですとか、御意見は拝聴しましょう、でも、その裏づけを我々に示していただかなければ理解できるものではありません。

この在学中受験について、この議論の中立性の確保をきちんとやった具体的な証拠を示してください。法務副大臣、お願いします。

 

○平口副大臣

法務省としましては、昨年七月に在学中受験の導入を含む司法試験制度の見直しの検討に着手いたしましたが、それ以降、日本弁護士連合会や法科大学院協会等とは意見交換を重ねており、必要な情報提供は適時に行ってきております。

そして、それを踏まえ、法科大学院協会からは、去年の九月以降、専門職大学院としての法科大学院教育が維持される必要があること、二番、司法試験改革のための会議体の設置や多様な法曹輩出のための配慮を要請することといった具体的な要望をいただき、日本弁護士連合会からも昨年十月下旬に、法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成制度を堅持すること、また、制度変更に伴い関係者を交えた合議体を設置することといった在学中受験の導入に関する具体的な意見をいただいておりまして、その後も意見を重ねてきた

ところでございます。

今回の法案は、このように、検討の過程で日弁連や法科大学院協会から出された意見を踏まえた内容となっておりまして、両団体からも、今回の法案の内容であれば反対をすることはなく、法案成立後に設けられる会議体で議論を進めていくという意見をいただいており、在学中受験の導入が秘密裏で密室で議論したとの批判は当たらないというふうに考えております。

 

○城井委員

利害関係者の一部に話を聞いたからそれで決めていいんだ、これでいいんですかということを聞いているんですよ。日弁連や法科大学院協会の意見をしっかり聞きました、法科大学院協会の了承までもらいました、これでいいのかと言っているんです。学生や受験生を始めとして、そのほかの利害関係者はどうなんですか。

その昨年七月からの間にも、もう既にさまざまな懸念や議論が出てきているにもかかわらず、その意見を反映する中立的な議論の場が持たれていないのはおかしいと言っているんですよ。それは、本来は、審議会に諮って答申を得ることで中立的な議論をくぐりましたということを確認しながら前へ進むというのが政府の手続じゃないですか。

それをわざわざやっていない。どういうことなんですか。

聞きましたら、今の話ですよ。日弁連、法科大学院協会の話はしっかり聞きました、秘密裏で行っているものではありません。だから、利害関係者の一部に聞いたのを確認しているんじゃないんだ。そのほかの方々を含めてどうやって中立性を担保するのか、どこで確認するのか、やったのか、これを確認しているんです。

法務副大臣、きちんとお答えください。もう一回お願いします。

 

○平口副大臣

日弁連等は主要な大学の関係者ということで聞いたわけですけれども、このほかにも、弁護士など、今回の制度見直しに反対、慎重な意見を述べる関係者からも、担当官が面談する

など、随時に意見を聞いてまいりました。

 

○城井委員

では、その具体的な意見聴取の詳細な資料をお示しいただけますか。具体的に示していただけますか。そして、それをどの場でどういうふうに議論をしてその扱いを決めたのかということも含めてきちんとお示しいただけますか。副大臣、お願いします。

 

○平口副大臣

個別の面談先については担当官が行っておりまして、個別の面談先は、手元に資料がなく、お答えできません。

 

○城井委員

利害関係者の一部以外に話を聞いたということをおっしゃっておられるから、そのことがきちんと確認できる資料をお見せくださいということを申し上げているんですが、これが出てこないんじゃ、これ以上議論のしようがありません。

委員長、検討の内容がきちんとわかる資料を提出いただけるようにお諮りいただけますか。それまでは質問を続けることはできません。

 

○亀岡委員長

きちんと質問はしてください。(発言する者あり)じゃ、少々お待ちください。

ちょっと速記をとめてください。

〔速記中止〕

 

○亀岡委員長

じゃ、速記を起こしてください。

平口法務副大臣。

 

○平口副大臣

担当官のやりとりは口頭で行ってりまして、記録化されたものはないということでございます。

 

○城井委員

審議会をやらずに出してくる中身だから、緊急性があるからということで出してきているはずですよね。そうしたら、せめて、こういう確認をしたので、こういう議論をくぐったので、緊急性に鑑みて今回政府案として出させていただきましたと説明するのが筋じゃないでしょうか。なのに、利害関係者の一部に話を聞きました、そのほかにも聞いたが、その裏づけはありません、出せません。これで何を信用しろというんですか、委員長。これで確認できたと言えますか。裏づけがありません。

法務副大臣、きちんと裏づけがあるなら出してください。

 

○平口副大臣

個別のやりとりについては記録がございませんので今答えられないけれども、総体として、それらの意見を聞いた上で出している法案でございます。

 

○城井委員

いつ、どこで、誰がどのような意見を聞いて、それを踏まえて、今回の、この学生受験生の人生にも大きくかかわる、そして法曹養成制度そのものの期間や内容、カリキュラムにかかわる、根幹にかかわるこの在学中受験を決めるに当たって、今の、担当官が聞きましたから、記録はありませんが。こんなことで認められるんですか、副大臣。あり得ないですよ。

審議会だったら、くぐって、議事録もありましょう、議事概要もある、答申も出てくる。これまでの少なくとも文部科学省だったら、早期卒業や飛び級などの議論は全て、全てですよ、全て中教審をくぐって、その答申から制度創設の提案をもらって、そして前へ進んできた、政府案として提示してきた、これぐらいに慎重にやってきたものなんですよ。

それが、何ですか、今のお話は。一部のほかの人にも聞きましたが口頭でのやりとりで記録がありません。こんなことで国会、通るんですか。我々にきちんと、資料なりその裏づけなりを具体的に示してください。これが示されるまで、これ以上質問できません、委員長。(発言する者あり)

 

○亀岡委員長

城井崇君。

 

○城井委員

では、改めて聞きますが、その聞き取りをした担当官というのはどなたですか。

 

○平口副大臣

司法法制部の職員でございます。

 

○城井委員

それでは、法務副大臣がそのお答えができないということでしたら、その職員の方にこの委員会に来ていただいて、かわりに答えていただきたいと思います。大変重要な内容でございますから、確認ができなかったら、これ以上、議論、前に進めません。

委員長、お諮りをお願いします。

 

○亀岡委員長

ただいまの件に関しては法務省において対応願いますが、よろしいですか。

 

○平口副大臣

それは、参考人として呼んでいただければよろしいかと思います。(城井委員「じゃ、これは委員会をとめて、理事会やってくださいよ。速記とめてください」と呼ぶ)

 

○亀岡委員長

じゃ、ちょっと速記をとめてください。

〔速記中止〕

 

○亀岡委員長

速記を起こしてください。

平口法務副大臣。

 

○平口副大臣

関係者の意見等を聞いて、担当官が意見を聞いて、それで、日弁連等の意見も聞いた上でまとめた法案でございますので、御理解をいただきたいと思います。

 

○城井委員

審議会をくぐっていない内容だ、ならば、そのかわりにせめて議論の中立性の確保ぐらいはしているんでしょうねということを確認させてもらっているわけであります。

ところが、先ほどよりお話がありましたのは、利害関係者の一部である日弁連や法科大学院協会。

意見を聞くなとは言いませんよ。でも、一部で全てが済むと思っているというのがおかしいということを申し上げています。

そのほかの意見を聞いたんでしたら、誰が、いつ、どのように話を聞いたか、その内容をつまびらかに示してください、こういう賛否を確認した上で前に進んできましたというのを裏づけをきちんと示してくださいということを申し上げているんです。

それが示されもせず、御理解くださいじゃ、答弁になりません。法務副大臣、きちんと裏づけを示してください。いつ、どなたが、どこで、どのように、どんな意見を伺ったのか、それを踏まえてどのように議論をまとめたのか、きちんと具体的に示していただけますか。

 

○平口副大臣

例えば、今回の改正につきましては、学会や弁護士のグループから反対の意見書が法務省に提出されております。これらを個別に処理した上で、さまざまな機会にやりとりを行っており、個別のやりとりは記録化されていないということでございます。

 

○城井委員

それでは副大臣、その意見書も記録化されていないんですか。

 

○平口副大臣

それは委員会で御審議いただきたいと思います。(発言する者あり)

 

○亀岡委員長

平口法務副大臣。

 

○平口副大臣

例えば、ロースクールと法曹の未来を創る会とか臨床法学教育学会、その他各種の学会等の関係者と担当官が面談したと聞いております。それらの一部については文書で提出されております。

 

○城井委員

その御意見の内容を披瀝いただけますか。

 

○平口副大臣

この改革に慎重な意見というふうに聞いております。

 

○城井委員

その慎重な意見をどのように省内では取り扱われたんですか。

 

○平口副大臣

その意見も踏まえまして、総合的に判断して今回のような案にしたわけでございます。

 

○城井委員

どのように具体的に踏まえたか教えていただけますか。

 

○平口副大臣

日弁連とか法科大学院協会の意見も踏まえて、総合的に判断して提出したものでございます。

 

○城井委員

私が確認していますのは、利害関係者の一部にすぎない日弁連や法科大学院協会から伺った意見の扱いではなくて、そのほかの利害関係者の意見についてどのように踏まえたか、そのことで中立性の確保はできているかを確認したいわけでして、その部分の意見の取扱いはどうだったかということを聞いています。

もう一回お願いします。

 

○平口副大臣

法務省として総合的に判断したものでございます。その際、最も利害の大きい日本弁護士連合会と法科大学院協会と、この両者と十分なやりとりを重ねてきたことは、先ほど申し上げてきたとおりでございます。

 

○城井委員

慎重な意見を述べられた方々は、利害が小さかったんですか。

 

○平口副大臣

そういうことも十分踏まえまして検討したわけでございます。

 

○城井委員

その意見を聞いて踏まえた議論というのは、どれぐらいの時間をかけて行われましたか。

 

○平口副大臣

昨年末以降でございます。失礼しました、昨年の夏以降でございます。

 

○城井委員

本来ですと、この在学中受験のような大きな制度の変更は、審議会等を経てというのが筋だというふうに思います。でも、先ほどの意見書を複数踏まえてという形で、慎重意見は利害関係が小さいからということでありましたけれども、こうした程度の検討が、審議会にかわる検討で十分だというふうに法務副大臣はお考えですか。

 

○平口副大臣

法務省もいろいろ審議会はございますけれども、この司法試験制度につきましては、過去、ほとんど審議会の方の御意見を賜ったことはございません。

 

○城井委員

本来ですと、政府が区切った期限が集中改革期間としてある、ならば、これほど大きな改革でしたら、そのように内部での乱暴な取扱いということではなくて、本来のとおり審議会を通ってやるべきということを改めて申し上げたいというふうに思っています。

文部科学大臣、中教審でのこれまでの丁寧な議論がございましたが、今回の件は結局くぐりませんでした。先ほどの、一部の意見を聞いたという形だけでは不十分だと思っています。今回の在学中受験を行うに当たって、この法案の成立がこの後決まってくると思いますが、仮に成立を見た場合に、その後の政策実行までの間に、この中立性の確保について、文部科学省としても改めて確認の場を設けると、ぜひお願いしたいというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。

 

○柴山国務大臣

ちょっと議論を整理させていただきたいと思います。

まず、先ほど来、城井委員から、これまで、例えば大学における早期卒業ですとか、あるいは大学や大学院への飛び入学について、当時ちゃんと審議会の答申として提言をされたということについて御紹介をいただきました。これは、あくまでも文部科学省の専管事項として文部大臣からそれぞれ審議会に諮問されたものに対する審議会の答申として提言をされたものであります。

今回の改革についての在学中受験の正否というものは、本来、司法試験法を所管する法務省において議論をすることになっておりますけれども、例えば、現行の司法試験に関して、短答式の試験科目及び受験回数制限の見直しを行った平成二十六年の司法試験法改正の際も、委員のお言葉をかりれば、学生や受験生に対して極めて大きな影響を及ぼすものでありますけれども、そのような審議会というものは経ておりません。それは、司法試験というものがそもそも非常に専門性が高くて、その評価のあり方については、やはり専門家の議論になじむものであって、ステークホルダーだからといって、学生ですとかあるいは受験生も巻き込んだ形の議論にはなじまないものであるから、法務省においてこれまでそういった審議会といったプロセスが経られていなかったんです。

ただ、委員が御指摘のとおり、在学中受験資格を導入するということになりますと、法科大学院におけるカリキュラムなどに影響を及ぼすということは、これは事実であります。ですから、このカリキュラムのあり方については中央教育審議会で取り上げる必要はあるかというふうに思いますけれども、そのことについても含めて、司法試験法改正案の成立の後に、国会でのこうした審議も踏まえて、しっかりと、今お話があったように法務省の方で詰めていただくということになりますし、もちろん、その場合、我々文部科学省においてもしっかりとしたプロセスをとっていきたいと考えております。

 

○城井委員

時間が終わりましたのでこれで終わりたいと思いますが、最後に、法務副大臣、連休前、そして本日の議論を踏まえてでございますが、この議論の中立性の確保は大変大きな議題であります。今回、政策実行に当たっても、法案の今後の、仮に成立した場合も含めてでありますが、極めて慎重にその検討を進めていただくということと、取組を進めていただくということを明言いただけますか。

 

○平口副大臣

法案が成立しましたら、法務省の方で、何らかの機会を捉えて、そういったような御意見を聴取する機会を設けたいと思います。

 

○城井委員

終わります。ありがとうございました。

 

衆議院議員 きいたかし 福岡10区